難関中の保護者に聞く、中学受験を決めたきっかけは「本人」が多数? 通塾スタートは何年生?

中学受験を経験し、難関中学に進学した子どもを持つ保護者を取材。塾に通い始めた時期やきっかけについて話を聞きました。

中学受験塾を検討するのは、どのようなきっかけが多く、いつから通塾をスタートする人が多いのでしょうか。中学受験を経験し、難関中学に進学した子どもを持つ保護者に話を聞いてみました。

中学受験は「親の受験」と言われますが、当の本人はどう向き合っているのでしょう
中学受験は「親の受験」といわれますが、当の本人はどう向き合っているのでしょう?


>中学受験を検討し始めた時期、最多は小学何年生?
 

7割以上が小学4年生までに中学受験を検討

「3年生の9月頃から、近所の大手塾を中心に体験授業や短期の講習を受け、最終的に本人が気に入った塾に決めました。電車に乗らなければならない距離の塾だったのですが、息子はいわゆる“乗り鉄”なので嬉しかったようです。通塾にかかる時間もポジティブに受け止めていました」(男子の保護者・神奈川県在住)
 

最近は通塾スタート時期の低年齢化についての議論もありますが、今回取材した保護者は共通して「小3あるいは小4からで十分」という意見でした。


「3年生の2月からでも十分だったと思いますね。期間が長すぎると親子ともに息切れしてしまって最後まで走り切れなくなりそうですよね。実際、3年間の中でも特に5年生のときに、中だるみしているなと感じる時期がありました」(男子の保護者・東京都在住)


「低学年の頃から受験塾だけというのには抵抗があります。同じお金と時間を費やすのならスポーツや音楽などの習い事のほうをさせたいなと思うので」(女子の保護者・神奈川県在住)

 

中学受験を決めたきっかけは「本人の希望」が多い!?

中学受験は“親の受験”ともいわれます。アンケートの結果では、高いレベルの教育や環境を求める親の思いが読み取れますが、「子どもが受験したいと言ったから」という理由も4割以上と高い割合になっています。実際に経験者の声を聞いてみると…….。


>公立中への不安を感じる保護者も多い?

「受験を決めたのは本人です。近所のお姉さんが塾に行っているのを知った息子が理由をたずねると『試験を受けて中学に行くから』といわれ、『自分も試験を受けてみたい』と言い出しました。彼自身は算数が得意だという自覚があり、力をためしてみたいという気持ちもあったかもしれません」(男子の保護者・東京都在住)


「最終的には本人が決めましたが、親が見学や説明会に行って導いた部分もあります。子どもの性格や特徴を理解している親が、本人に向いている学校にうまく誘導するというのでしょうか。親の大切な役目なのかなと思っています」(男子の保護者・神奈川県在住)


「学校の勉強がつまらないと言い出したのがきっかけです。勉強は一生続くものなので、楽しい勉強に出会えるといいなと思い、習い事感覚で塾に通い始めました」(男子の保護者・千葉県在住)


「塾主催の無料のテストを受け、中学受験について説明を聞いたとき、私立中学の魅力について初めて知りました。受験させてもよいかなと親が思い始めたのがきっかけです」(女子の保護者・東京都在住)
 

最終的に「本人が決めた」のだとしても、最初のきっかけを与えたり、選択肢を提示するのは親の役割。小学生がひとりで決断するには荷が重すぎます。中学受験を考え始めたら、子どもの気持ちに寄り添いながら自然な形で導いてあげたいですね。

この記事の筆者:古田綾子
雑誌・Webメディアの編集者を経てフリーランスライター。2児の母。子どもの受験をきっかけに教育分野に注力。自らの経験に基づいた保護者視点で、教育界の生の声やリアルな体験談などを取材・執筆。
 

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