「体調が悪くて働きに出られない……！」
金融庁の報告書に端を発して話題となった「老後2000万円問題」など、老後の心配事といえばやはり「お金」ではないでしょうか。パートやアルバイトも体調が良くなければ続けることができません。
現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All About編集部が実施したアンケート調査から、岐阜県在住63歳男性のケースをご紹介します。
回答者の年金額
こちらの男性は、既婚で子どもあり。現役時代のピーク年収は900万円で、現在の貯蓄額は800万円。63歳時点の年金額（老齢基礎年金、老齢厚生年金、個人年金などの合計）は月12万円で、その額には「満足していない」と回答しています。
63歳男性の年金平均額は？
厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険（第1号）の平均年金受給額は月額14万5665円。63歳男性の平均値を見ると9万564円。63歳時点の年金額である月12万円は、同年代の平均よりは多いといえそうです。
「今まで通りの生活ができなくなると思うと将来が不安」
年金額に満足していない理由として「60歳で定年退職して、パートしながら貯金を切り崩して生活していたが、病気をして仕事ができなくなってしまいました」と語る男性。
「妻も体が弱くて仕事はできないので、現在の収入は特別支給の老齢厚生年金だけで、医療費も2人合わせて年額30万円以上かかっています。貯金はどんどん減っていく一方。夫婦2人で今まで通りの生活ができなくなると思うと将来が不安です」と、医療費が家計を圧迫しているそうです。
「もう少し生活を切り詰めて家のローンを減らせればよかった」
現役時代の後悔について伺うと「もう少し生活を切り詰めて家のローンを減らせればよかったと思う」と回想する男性。「子どもの教育費で精いっぱいだったので、しょうがないと思う」と納得はしているものの、後悔が残っているようです。
「組立の内職もやってみたが、指が痛くなって断念」
現在の年金暮らしで工夫している節約術を伺うと「とにかく買い物の回数を減らし、無駄なもの必要でないものは買わないようにする。妻は衣料品をメルカリで古着を購入しています。買い物はネットで価格を比較して安い方を買う。野菜はなるべく菜園や庭で種から栽培して買わないようにしています。車も行く先を考えて最短距離で行けるように、同じ方角に行くようにしています」とのこと。
今後については「治りにくい病気だが、治ったらなんでもいいのでまた仕事がしたいです。今は在宅でできる仕事を探してやっています。組立の内職もやってみたが、非常に厳しく指が痛くなって断念しました。シルバー人材センターも調べてみようと思っています。何とかあと1年頑張って65歳からの全額支給の年金を期待していますが、どうなるか不安です」と語ってくれました。
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