7階から2歳男児転落、命に別条なし 幼児の転落事故を防ぐには

30日午前10時55分ごろ、東京都葛飾区のマンション敷地内で、通行人から「子どもが7階から転落して泣いている」と110番があった。転落したのはマンション7階に住む男児(2)。病院に搬送され、右足を骨折しただけで、命に別条はないという。我々が家庭できる転落防止対策とはどのようなものがあるか。専門家が解説した。

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高層マンションに住むときに注意すべきことは

30日午前10時55分ごろ、東京都葛飾区のマンション敷地内で、通行人から「子どもが7階から転落して泣いている」と110番があった。転落したのはマンション7階に住む男児(2)。病院に搬送され、右足を骨折しただけで、命に別条はないという。男児は自宅の窓から落ち、敷地内にあった植木がクッションとなり大事に至らなかったとみられている。時事通信や日刊スポーツなどが報じている。

幼い子どもの転落事故は後を絶たない。我々が家庭でできる転落防止対策とはどのようなものがあるか。住まいの性能・安全の専門家である井上恵子氏がAll Aboutで、以下のように解説している。
 

窓からの転落防止対策

窓からの転落防止対策としては、まず窓際に「足がかり」をつくらないこと、部屋に足がかりとなるものを放置しないことが重要だと井上氏は述べている。子どもは頭が大きく重心が高い位置にあるため、足がかりにしてよじ登りバランスを崩し、転落事故につながることが懸念されるためだという。
 
井上氏によると、最近のほとんどのマンションでは落下の危険性のある窓には落下防止手すりが備わっているが、窓際に足がかりになるものがあると、手すりを乗り越える危険性が発生するという。築年数が古い集合住宅などでは窓に落下防止手すりがついていないものもあり、井上氏は「もし小さなお子さんがいて、危険だと思ったら自分たちで対策を取るようにして」と述べている。

幼児を対象とした落下防止の観点でみると、床から窓までの高さを85センチ以上確保することを目安とすると良いと井上氏は説明する。また、足元に幼児がよじ登れる足がかりのある場合は、その足がかりから85センチ以上の高さまで落下防止手すりを設けるべきだと、井上氏は指摘する。
 

ベランダの転落防止策

マンションの2階以上の部分のバルコニーには、高さ1.1m以上の手すり、または柵(さく)をつけなければならないことになっている。しかし、材質や強度などの指定は何もなく、マンション販売業者側で自主的に安全策を取っているのが現状だと井上氏は述べている。
 
ベランダからの転落防止策として、手すりが安全かどうかを確認することが必要だと井上氏は述べ、以下のチェックポイントを挙げる。

  • 高さが十分にとれているか
  • 手すりがアルミなどの金属製の縦格子の場合、縦格子どうしの間隔が空きすぎていないか
  • 手すりがしっかり固定されているか
  • 手すりが横格子の場合、子どもが足を掛けて登る恐れがあるため、検討が必要
  • 材質がガラスだと、強度や割れた時の安全性チェックも必要

  

井上氏は、窓際同様にベランダにも「足がかり」となるものを置かないことが重要と指摘しており、荷物、イス、テーブル、おもちゃ、植木鉢、プランター、エアコンの室外機、足を掛けられるラティスなど、足がかりとなる可能性のあるものはすべて撤去するか、ベランダの手すりから一定の距離をおいて置き、固定して子どもが動かせないようにすることも必要と述べている。
 
【関連リンク】
マンションの窓から子どもが転落!原因と対策は?
マンションで相次ぐ幼児のベランダ転落事故。対策は?

 
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