2月10日は豚丼の日!
ぶた(2)ど(10)んと読めることから、北海道の調味料メーカーであるソラチによって制定されました。
今回は豚丼と牛丼チェーンの豚丼の違いなど、「違いの分かる人」になれる豚丼の豆知識をご紹介します。
「豚丼」と「牛丼チェーンの豚丼」の違い
そもそも豚丼とは、厚切りの豚肉を砂糖醤油で味付けしたタレを絡めてご飯の上に載せた丼物のこと。諸説ありますが、1930年代に誕生したとされている、北海道十勝地方帯広市の名物料理です。
当時の農家や開拓者にスタミナ料理を提供しようと考えた市内の食堂で、炭火焼きした豚肉にうなぎの蒲焼き風のタレを使用したのが始まりといわれています。
一方、牛丼チェーンの豚丼は、薄切りの豚肉とタマネギなどの野菜を調味した割下で煮て、ご飯の上に載せた丼物のこと。2003年のBSE問題で牛肉が調達困難になった際、牛丼の代替品として開発されたもので、味付けや調理法は牛丼に近いものになっています。
この牛丼チェーンの豚丼と区別するため、前者を「十勝豚丼」や「帯広豚丼」などと称する場合もあります。2月10日を記念日に制定したソラチが扱うのは甘辛いタレなので、正確には「十勝豚丼の日」といえるでしょう。
「ぶたどん」と「とんどん」どっちが正しいの?
豚丼の日が2月10日である通り、十勝豚丼における読み方は「ぶたどん」一択のみ。この「ぶたどんとんどん論争」が生まれてしまったのは、牛丼チェーンの豚丼のほうです。
3大チェーンのうち、吉野家は「ぶたどん」、松屋は「ぶためし」でした。しかし、すき家だけが「とんどん」を選択。読み方をアピールするCMも大々的に流れて他社と真っ向から対立する形となり、当時は注文する際に「この店はどっちだっけ?」とちょっとした緊張感が走ることになりました。
すき家が「とんどん」を選んだ理由は、豚汁(とんじる)に合わせた、牛丼と同じ音読みにした、十勝豚丼と区別したなど、諸説いわれています。というか、十勝豚丼より70年以上も後にできたわけですから、「豚丼」以外のネーミングにしてくれたら被らなかったのですが……!
あの頃の豚丼を食べられる牛丼チェーンは?
発売当初は「牛丼の代替品」であったため、あまり評価を得られなかった牛丼チェーンの豚丼。各社が改良を重ねてからは「牛丼よりも好き」という独自のファンを獲得するまでになりました。
しかし、牛肉の輸入再開によって牛丼の販売が再開されると、主力の牛丼への経営集中を理由に、豚丼の販売は軒並み終了に。何度かの復活もありましたが、2023年2月現在、豚丼が食べられる牛丼チェーンは「吉野家」だけになりました。
牛丼にこだわるイメージがある吉野家だけが販売を続けているのは少し意外ですが、牛丼が448円であるのに対して、豚丼は30円安い418円。円安や原材料高騰による値上げが続くなか、「丼物の最安価格」を担う役割を担っています。
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