1月20日は玉の輿の日!
玉の輿(たまのこし)とは、女性が結婚することによって裕福な立場になること。男性の場合は「逆玉(ぎゃくたま)」とも呼ばれます。
今回は玉の輿の語源や、なぜ玉の輿の日は1月20日なのかなど、「違いの分かる人」になれる玉の輿の豆知識をご紹介します。
「玉の輿」の語源になった女性は?
徳川家に関わった女性の逸話を載せた書物である『玉輿記』によると、玉の輿の語源となったのは、徳川家光の側室で綱吉の生母でもある桂昌院(けいしょういん)であるとされています。
京都・西陣の八百屋の娘に生まれた「お玉」だった彼女が、後に将軍の母となり従一位の位まで昇りつめたこと、京都から江戸へ輿に乗って向かったことから「玉の輿に乗る」という言葉が生まれたとされています。
ただ、実際は八百屋で働いているところを見初められたわけではなく、母が公卿の後妻となったことで養女となり、その縁故で側室のお万の方の部屋子となり、さらに春日局に目に留まって、と徐々にステップアップしています。
玉の輿は一日にしてならず……!
『玉輿記』は後世の編纂物であるため、信憑性は高くないともされていますが、現在ではそれが通説となっています。
なぜ1月20日が玉の輿の日なのか
玉の輿の日1月20日なのは、1905年のこの日、京都・祇園の芸妓だったお雪が、J.P.モルガンの甥であるジョージ・モルガンと結婚したことにちなんでいます。
求婚された当時、お雪には10歳年上の恋人がいました。悩んだお雪は、懇意にしていた劇作家の牧野省三に相談しました。
そこで牧野は「おもしろいから、身請け金に四万円(当時の8億円相当)くらい吹っかけてやれ」と冗談半分にアドバイスしたところ、「四万円の貞操」というセンセーショナルな大見出しの躍る記事が新聞に掲載される事態に。これがきっかけで、恋人も牧野もお雪と別れることになりました。
驚くことに、モルガンは吹っかけられた四万円をきっちり支払い、2人は結婚。お雪は「日本のシンデレラ」と呼ばれました。
玉の輿の語源となった上述の桂昌院よりも、こちらのお雪の方が現在の玉の輿のイメージに近いですね。
ただ、見初めてすぐに結婚とはいかず、お雪が承諾するまでモルガンは4年かけて3度来日したそうです。
お金だけじゃなく時間もかけて誠意を見せた、モルガンの粘り勝ちですね……!
シンデレラは玉の輿ではない
お雪は「日本のシンデレラ」と呼ばれましたが、実は童話のシンデレラは、厳密には玉の輿ではありません。
シンデレラは古くから広い地域に伝わる民間伝承ですが、かぼちゃの馬車やガラスの靴などが出てくるシャルル・ペルー版が、現在知られているシンデレラ物語の元になっています。
そこに登場するシンデレラは、貴族の娘。みすぼらしい格好をしていたのは継母に虐められていたからで、ボロは着てても身分は錦。王子さまとの結婚も十分あり得る家柄・身分だったのです。
玉の輿を例えるならシンデレラではなく、上述のお雪の方が言い得ているかもしれませんね。
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