寒さが厳しい季節は、睡眠の質の低下が気になりますよね。
パナソニックは1月13日、20~60代の男女550人を対象に行った「睡眠実態調査」の結果を発表。本記事ではその結果とともに、同社睡眠改善インストラクターの菊地真由美さんによる「冬の快眠を導く新常識」を紹介します。
冬の睡眠時、エアコン使用率は28%
「冬の時期(12月~2月)、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じることがありますか?」という質問には、約6割の人が「寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じる」と回答。
続けて行った「冬の朝は室温が寒く、2度寝や布団から出られないなど、起きにくいと感じることがありますか?」という質問でも、同じく6割の人が「ある」と回答しました。多くの人が「冬の寒さが睡眠に悪影響を与えている」と感じていることが分かります。
その一方で、冬の睡眠時のエアコン使用率は28%にとどまっているとのこと。「睡眠の質の低下」を感じているにもかかわらず、多くの人が睡眠時にエアコンを活用できていないようです。
その冷え対策、NGかも? 専門家が教える「快眠新常識」
就寝時にさまざまな寒さ対策をしている人もいるかもしれません。しかし、良かれと思ってしていた対策が、実は快眠を妨げる原因になっていることもあるといいます。パナソニックの睡眠改善インストラクター菊地真由美さんが、間違っていたかもしれない「これまでの常識」と、冬の快眠を実現する「新常識」について、アンケート結果を基に解説しています。
●5人に1人が実践「靴下をはいて寝る」はNG?
「快眠のために行っていることはありますか?」という質問に対する回答で、最も多く集まったのは「靴下をはいて寝る」でした。
オーソドックスな冷え対策のように思えますが、実は間違った対策とのこと。靴下をはいていると手足の毛細血管からの放熱が行われず、深部体温が下がりにくくなってしまい、結果として眠りづらくなるということです。就寝前にははいていても大丈夫ですが、ベッドや布団に入る際には脱いだ方がよいでしょう。それでも足が冷たいという人には、緩めのレッグウォーマーがおすすめ。放熱に重要な部位である足首を締めつけないため、就寝時に着用していても問題ないとのことです。
●お酒、お風呂、湯たんぽ……やりがちな行動も実はNG
菊地さんは「入眠の直前にお風呂に入る」、「一晩中湯たんぽを使う」、「一晩中電気毛布を使う」といった対策も要注意といいます。深部体温を下げる妨げになってしまうため、一時的には温かく快適でも、寝入りが悪化してしまうといいます。電気毛布や湯たんぽを使う場合には、就寝前に寝具を温めておくために使いましょう。また、寝る前にお酒を飲むのもNG。睡眠が浅くなってしまうので、いわゆる「寝酒」は避けた方がよいということです。
●睡眠時の衣服にも注意が必要!
冬の衣類として定番のフリース。化繊素材の場合には通気性が悪いことがあり、寝間着として着ると、汗がこもってしまう恐れがあります。綿など通気性の良い素材の方が、就寝時には最適とのことです。
●「入眠儀式」の設定も快眠への近道
身の回りのものでの対策ももちろん重要ですが、ぐっすり眠るためには「入眠儀式(ルーティン)」も大切。寝る前に同じ行動をするように習慣化することで、脳が「これから寝るんだ」というモードに入り、眠りにつきやすくなるといいます。例えば、部屋着と寝間着を同じにせず、分けて就寝前に着替えるようにするのもよいでしょう。
睡眠時のエアコン活用術とは? 最適な温度・湿度はどれくらい?
個人差はありますが、温度は20℃、湿度は50%前後くらいが最適とのこと。エアコンを使う際には、室温は20℃前後にし、風向きは下にして稼働し続けるようにすると快適といいます。
エアコンが苦手な人におすすめなのは、就寝の20〜30分前に寝具をめくり、エアコンをつけておく方法。布団に入ったときに寒さを感じることがなく、温めすぎて深部体温を下げる妨げになることも避けられます。エアコン以外に、布団乾燥機で寝具を温めるのもおすすめということです。
加湿機能付きの空気清浄機を併用してもよいでしょう。湿度をコントロールしながら空気の流れを作ることができます。難しい場合には、顔周りだけのスポット的な加湿でも効果はありますし、寝る直前に水を飲んだり、枕元にペットボトルなどを置いて適宜水分補給したりするのでもよいでしょう。
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