SNSとファンの力がBTSの公演会場も変える!? 賢い「公式情報」の受け止め方
ゆりこ:一応、SNSを使う際のマイルールというか肝に銘じていることがあるんです。それは「乗り遅れても大丈夫」「結論は公式を待て」「調子悪い時は無理しない」。日々SNSに流れてくるK-POP情報は膨大かつ玉石混交でスピーディーです。昨日盛り上がっていた話題が翌日にはすっかり凪ということもあります。沼落ち直後だと情報を取り逃がさないようにSNSに張り付いたり、常にタイムラインを追ってないとソワソワする時期もあると思うのですが……多少乗り遅れたって大丈夫とあえて申し上げたいです。私もかつて一種の強迫観念を覚えるほど追っていた時期があったのですが、重要案件だったら改めて公式アカウントからのお知らせがあったり、誰かがちゃんと教えてくれたりすると気付きました。
矢野:一瞬たりとも見逃したくないし、出遅れたくないと思う気持ちは分かりますけれどね。あくまでマイペースを崩さない方が長く推してゆける、と。確かに供給が多すぎてどこから見ればいいの? って思うこともありますし、中には「これって本当なの?」という情報もあります。一方で「公式は遅いしアテにならない」って声もありますよね?
ゆりこ:あはは(苦笑)。私もそう思っていた節はありますが、一周回ってやっぱり「結論は公式を待て」に回帰しつつあります。SNSはいろいろな人の多様な意見を知れるから楽しい一方、憶測だけが一人歩きしたり、過激な意見や噂が目立ってしまうことも。なので確定事項以外はあくまで「噂」で「予想」。発信者の個人的な「願望」や「恐れ」も入っているかもしれない。だから一次情報や公式発表ってやっぱり大事だと思います、情報の海の中で溺れないためには。
矢野:不確定な情報でファン同士が対立したり炎上したりするのも、どこの界隈でも起こる話なのですが精神衛生的にも良くないなと思います。だから僕は「セカンドオピニオン」が必要だなと感じていて。あえて「強い意見」「正しそうな情報」とは反対の意見を読むこともあります。その上で自分はどっちを信じるか、選ぶかは自由だってことで。バズってるから正しいわけでもないですからね。いいねやRT数もあくまで数字。
ゆりこ:各SNSアルゴリズムにも日々変化が起きていて、フォロワー数も単に参考値でしかなくなっていると実感しますよ。そして「公式を待て」に1つ補足させてください。公式の発表が全部「正解」「真実」かどうかはまた別ということです。
矢野:……といいますと(困惑)?
ゆりこ:公式発表は「そういう形で進めさせていただきますよ」「そう決めました」という宣言であることも。ファンとしてはモヤる決定も当然あり、受け入れざるを得ないことも多々。ただ「さすがにそれはまずいのでは?」という場合はファンが立ち上がります。直近の例でいうと10月に釜山で行われるBTSコンサートの件です。
矢野:僕もSNSで見ました。最初に発表されたコンサート会場に問題があったんですよね?
ゆりこ:そうなんです。当初公式発表されていた場所があまりに不便な場所で、SNS上で疑問と懸念する声がたくさん挙がっていたんです。私も思わずツイートしてしまいました。そしてついには本国のARMYが立ち上がり、各所に掛け合って会場を変更させることに成功したんですよ。
矢野:公式発表も覆すファンダムとSNSの力、すごいですね。民主主義といいますか、推しと自分たちの安全と平和を勝ち取りに行く姿勢。
ゆりこ:まさにテバッ(スゴイ)の一言ですよ。公式からの情報は重要ですが、いざというときは言うがままにならない。ちゃんと意見を伝えていく。そのためのツールとしても機能していると思いますよ、SNSは。