コロナ禍で不倫は増えた? テレワークプラン「デイユース3000円」で誘われた“黒歴史”不倫のリアル

コロナ禍は3年目に突入。テレワークを導入する企業が増え、新しい働き方改革が進む中、不倫の形も変容している。コロナ禍で人と人との接触が減り、不倫も減ったかと思いきや、そうでもないようだ。今回は、コロナ禍が生み出した新しい不倫様式を紹介する。


 「2020年夏、コロナ禍で会社がリモートワークに切り替わったタイミングで別部署の課長と不倫関係になりました」

 
こう語るのは、和美さん(仮名・27歳/IT企業勤務)だ。
 
「コロナ禍で、出社は週に1回程度になりました。私は1人暮らしをしていたのですが、家では仕事に集中できないため、会社が契約している家の近くのサテライトオフィスを利用するように。そこに偶然、別部署の課長・木藤さん(仮名・43歳)がいて。私のほうから『お疲れ様です』と声をかけたんです」
 
和美さんと木藤さんは、たまにメールで数回やりとりする程度だったという。
 
「木藤さんは、私の好きな芸人のオードリーの春日に似ていて、ガタイのいいイケオジでした。その日、スラック(社内メッセージツール)で、『サテライトオフィスでお会いできるとは思ってなくてうれしかったです!笑』と私から送りました。そしたら『近所なんだね! 今度飯でも』と来て。軽く食事に行くことになり、そこから体の関係を持ちました」
 
木藤さんには、奥さんと5歳になる子どもがいたが、すぐに2人は不倫関係になった。
 

「ホテルのデイユースで仕事しない?」と誘われて

「2人とも同じ事業部だったので、Googleカレンダーでスケジュールが見れました。私も彼も会議が少ない日に、木藤さんが『ホテルのデイユースで仕事しない?』と誘ってきて。コロナ禍で、ビジネスホテルが“リモートワーク応援プラン”とかを出していて、朝から夜の21時頃まで、3000円くらいで利用できるんです」
 
頻繁にデイユースを利用するようになった2人。コンビニやデパ地下のお総菜を買ってきて、部屋でランチをしたという。
 
「私たちが頻繁にあっていた2020年夏ごろは、めちゃくちゃコロナ警戒中だったので、私も休日は外出しないし、彼も、家とホテルの行き来でした。外で飲んだりデートしたりしないので、かなり安全だったと思います」
 

「亭主元気で留守がいい」家庭内不和のテレワークで不倫は増えたのか

ひっそりと愛を育んだ2人。和美さんはテレワークの導入で、職場不倫が増えたのではないか、と語る。
 
「木藤さんには、奥さんと5歳の息子がいるのですが、保育園が閉園したり、リビングで仕事をしていると、専業主婦の奥さんがなんだかピリピリしたり……『仕事がしづらい』と言っていました。だからたまにサテライトオフィスを利用していたんです」
 
2020年、明治安田生命保険が実施した「外出自粛規制(ステイホ ーム)中の子育てに関する意識の変化」についてのアンケート結果によると、夫がテレワークをしていた専業主婦の約4人に1人は「今後はしてほしくない」と回答した。
 
その理由として最も多かったのは「夫がずっと家にいることで家庭不和になり、子どもに悪影響なため」。昔から「亭主元気で留守がいい」とはよく言うが、木藤さんも奥さんにそう思われていたのかもしれない。
 

テレワーク不倫沼は「恋愛の楽しい部分だけを詰め込んだようなもの」?

元から不倫に対して抵抗がない和美さん。今回の不倫は、“火遊び”の予定だったが……。
 
「同じ会社なので、木藤さんがリモート会議の時に、横でその様子を見るのがすごくゾクゾクしました。『この壁紙にしなよ』って私が選んだ変な壁紙にして、知ってる同僚に『それなんですか~(笑)』なんて、突っ込まれているところとか見ると、キュンキュンしちゃって。同僚は敬語を使ってるのに、私はタメ語っていうのがなんともいえず興奮して」
 
2人の“内緒”の関係が半年ほど続いたが、木藤さんのほうから「会うのはやめよう」と言われたという。
 
「規制が緩和されてきて、私も飲み歩くようになった。そうしたら、木藤さんは『俺は家族もいるし、今の和美とは会えない』って。そうやって真面目なことを言うくせに、自分が飲み歩くようになったら、『今日会いたい』とか自分の都合のいい時だけ誘ってくる。自分勝手すぎ……という感じで関係は自然と終わりました。
 
木藤さんと不倫をしていた2年前は、コロナが始まったばかりで、寂しかったし、『サテライトオフィスに知り合いがいる!』ってことだけでも、うれしかったのかも。今は会社で会ってもキモいおっさんにしか見えない。なんであんな人と寝たんだろうって、まじで黒歴史です」
 
2年前の不倫を振り返りながら、和美さんは「コロナ禍の不倫は恋愛の楽しい部分だけを詰め込んだようなもの」と語る。
 

テレワークマジックが生み出した関係性を振り返る

さて、不倫は抜きに、純粋に一番楽しい恋愛と言って思い浮かべるのは、少女漫画や、恋愛ドラマでありがちな「グループの中でこっそり付き合う」という展開ではないだろうか。
 
大学のゼミや、高校のクラスメイトなどの仲良しグループの中に彼氏ができて、彼とこっそり付き合う(関係は親友にだけ伝える)。
 
グループのみんなは2人が付き合っていることは知らないので、他の女子にちょっかいをかけられる彼を見ては、嫉妬心を燃やし、それが恋のスパイスとなる……という展開だ。さらにお互い学生なので、生活は別々。お互いのだらしない部分は見なくて済む。この恋の大人版が「不倫」だという説もある。
 
和美さんの「同僚は敬語、私はタメ語」という“特別感”や、奥さんという障害が、不倫を燃え上がらせる。一方の木藤さんも、家庭への居心地の悪さから、不倫相手の和美さんへ癒し=恋愛関係を求める。
 
言うまでもなく、不倫は公序良俗に反する、決して許されない行為だ。しかし、不倫こそ一番楽しい恋愛形態だと考える人が一定数いるのも事実である。しかし、和美さんに、木藤さんとの未来を考えたことはあるかと問うと、「あの時は好きだから、ずっと一緒にいたいと思ったけど、よく見たらハゲかけていたし、一緒に生活することを考えたら無理」という答えが。
 
不倫と生活は限りなく対極にあるようだ。和美さんは現在婚活中。“テレワークマジック”で「無駄な時間を過ごしてしまった」と当時を振り返っている。


※回答者のコメントは原文ママです


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