vol.2「〜かな?(〜かい?)」…中高年男性のLINEあるある
中高年男性のあいだで、おもに「下手すりゃ娘くらいの年頃の女子」をLINEなどで口説くとき多用されがちな、なぜかお伺いを立てる系の語尾。
用例
「◯◯チャンは今日の夜、何してるのかな?」(※「?」マークは赤色)「◯◯チャンはカレシとかはいるのかい?」(※同上)
類語
・〜よん(ハートマーク)[例]昨日は楽しかったよん(ハートマーク)・だい?「例」どうしてキャバクラなんかで働いているんだい?
・〜してチョンマゲ〜![例]おじさんとディナーする時間をこさえてチョンマゲ〜!
考察
(1)やたら句読点が多い(2)顔文字・絵文字を乱用
(3)スタンプも乱用
(4)若い女子を「〜ちゃん」付けで呼ぶ
(5)語尾に「〜かな?」「〜かい?」を多用
(6)文章が総じて長い
(7)自分のことを「おじさん」と呼ぶ
(8)相手の私生活を探るような質問がさり気なくまぶされている
(9)すぐ「ディナー」に誘う
(10)ときにストレートすぎる告白
(11)妙にカタカナを使い分ける
(12)「?」「!」マークが赤色
(13)若者のトレンドに中途半端に迎合
上記の特徴をあえてLINEの文面に取り込む「おじさんLINEごっこ」ってヤツが、二昔ほど前に女子高生を中心として流行っていたが、当時あれだけ方々のメディア上で騒がれていたにもかかわらず、いまだこれらを常用する“おじさん”は後を絶たず、なかでも若い世代の女子らにとってはブッチギリに「キモい」と評判なのが、この「〜かな?」「〜かい?」で語尾を〆る疑問文であるという。(※ただし「〜してチョンマゲ〜!」「〜してチョビヒゲ〜!」レベルまで振り切ったら、逆に“オヤジギャグ”として若ウケする……との説もなくはない)
「堅苦しい敬語は避ける」という範囲内で精いっぱいジェントルな感じをかもし出すため丁寧な口調を装っているものの、結果として「しょせん相手は小娘でしょ」的な上から目線と、「願わくば◯◯チャンとデートしたいなぁ」といった下心が透けて見えてしまうのが、「小娘」側からすればこのうえなくイタかったりするのだろう。
「おじさんLINE」が総じて、真綿で首を絞めるようにウエットな表現になってしまうのは、
……だと、脳神経外科医の菅原道仁氏は分析する(『モテと非モテの脳科学〜おじさんの恋はなぜ報われないのか〜』ワニブックスPLUS新書)が、重要なのは相手がその文面を見てどう感じるか。「もうイイ大人なので句読点は正確に打ちたいし、起承転結は大事にしたいし、ときには敬語も混ぜて礼儀正しい一面もある男を演じたいし、文面もビジュアル映えさせたいし……と、単に言い訳がしたいだけ。ヘンに経験があるぶん、自分が正論を述べているとアノ手コノ手を使って、ついつい証明したくなるから」
そんな幾多の失敗を知らず知らずのうちに犯しまくっている、ちまたのおじさんたちにオススメしたいのが「LINEやまびこの法則」!
「相手のLINEの文字分量や絵文字・顔文字・スタンプの数に自分のLINEを合わせろ」
……という定則である。
1行のLINEには1行のLINEを、10行には10行を、100行には100行を、ハートマーク一個にはハートマーク一個を……。いくら女子高生をはじめとする若い女子全般が、おじさんLINEを嫌う傾向があるとは言っても、文中や文尾にさまざまな装飾を凝らし、句読点もデリケートに挿入しながら壮大な一本の“原稿”に仕立て上げたい“例外”のヤングガールだって、稀少ながら実在することを忘れてはならない。
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