多様化する現代の恋愛・婚活事情。マッチングアプリや婚活サービスが身近なものとなり、出会いの手段が増えた一方で、失敗や後悔、忘れられない驚がくの“婚活事件”も増えている。本連載では、恋愛ライター・毒島サチコが取材した内容に基づき、婚活中のアラサーが経験したエピソードとともに、現代を生きる女性たちのリアルな恋愛・結婚観を深掘りする。

 

結婚と恋愛は別。27歳で結婚相談所へ


「恋愛と結婚は別なんです。私が好きになるのは結婚に向かない人ばっかりだったから(笑)」
 
そう語るのは、27歳の時に結婚相談所に登録した紗季さん(仮名/現在30歳/営業)。彼女は、初期費用の17万円を払って、審査制の相談所に入会した。
 
「28歳を目前に元カレと別れ、これからどうしようと悩んでいた時に、結婚相談所のサイトを見つけました。もともと結婚願望は強いタイプではなかったのですが、次々に友人が結婚していく中、自分は結婚したいと思っていた彼と別れてしまい、気持ちが焦っていたんです」
 
紗季さんが彼と別れを決意したのは、彼には全く結婚願望がないことが分かったから。さらに女癖が悪く、浮気をしていたことも原因だった。
 
「もともと私が好きになるタイプって、結婚向きの人じゃない人ばかり。元彼はカッコよかったけど、浮気性だったし、その前に付き合っていた人は、友人を介して出会った夢追い人で定職につかないタイプ。見かねた女友達に“結婚したいなら、恋愛と結婚は別に考えたほうがいいよ”とアドバイスされました。30歳までに結婚したいと思っていたのですが、職場での出会いは皆無。かといってアプリを使うのは怖いし……。だったら、相手の身元が分かった上で出会える結婚相談所がいいかも、と興味を持ったんです」
 

選んだのは、男性の入会条件が厳しい「審査制の結婚相談所」

こうして、まずはいくつか結婚相談所の資料を取り寄せた紗季さん。その中で彼女が選んだのは審査制の結婚相談所だった。

「とある審査制の結婚相談所から届いた高級感ある白い封筒が目に留まりました。そこには、男性会員の3人の男性のプロフィールが添付されていて……見てすごく驚きました。全員30歳前半で、年収は800万円を超えているんです。結婚相談所のサイトに飛ぶと、審査制とだけあって、男性には入会には、厳しい基準が設けられているようだったし、親向けの相談会も実施されていました。“お見合い”のイメージがわきましたね。それでこの相談所に、一度無料カウンセリングに行ってみようと思ったんです」
 
こうして、都内の結婚相談所に足を踏み入れた紗季さん。カウンセリングは穏やかな雰囲気で進んだという。
 
「40歳前後のとてもきれいな女性が出迎えてくれました。バラが飾られた広い会議室に通され、なぜカウンセリングを受けようと思ったのか、どんな人と結婚したいと思っているのか、私の話を丁寧に聞いてくれましたね」
 

入会金17万円。手取り22万の27歳に「年齢的にはちょうどいい」の一言

「どんな話も否定せず聞いてくれて、心が解きほぐされました。その後、相談所のシステムの説明があって。初期費用は、入会費やプロフィール作成費で17万円ほど。さらに毎月男性の紹介があり、それに1万5000円。その中から会いたい人がいたら、セッティング料としてさらに1万円程度かかる…という価格設定。
 
ちょっと高いのでは…と思いましたが、カウンセラーから『だから本気の人しかいないんです』と言われました。たしかにそうだな、と。無料のマッチングアプリをやった友達は“ヤリモク”によく遭遇すると言っていたし……。でも手取り22万の私にとって、初期費用の17万円と、さらに毎月1人会うだけで3万近くかかるというのは、大きな出費になります。少し考えさせてください、というと、カウンセラーは笑顔でこう言ったんです。
 
『年齢的にちょうどいい時期です。今では女子大生の会員様もいらっしゃるんですよ』
 
ちょうどいい時期……正直まだまだ相談所に登録するには若いと思っていたのですが、カウンセラーの一言でたちまち不安になりました。それでその場で入会を決め、クレジットカードで初期費用を払い、後日必要書類の提出や、写真撮影を済ませました」

 

入会後に3人とお見合い。しかし、結果は……?

「入会した後は、メールで毎月3名の男性のプロフィールが送られてきました。私の条件は、年収600万円以上で、身長は175cm以上。初婚で32歳以下。その条件にマッチする男性でした。逆に『私に会いたい』という男性のプロフィールも添付されていましたね。
 
その中から3人の男性に会いました。一度目のお見合いは、カウンセラーが立ち合い、ホテルのラウンジで、行われました。

会った男性は3人とも、今まで相手のペースに飲みこまれて、恋愛してきた私が会ったことのないタイプの人ばかり。みんな真面目で優しいのですが、こちらから話題を振らないと、話が盛り上がらない。正直戸惑ってしまって……。そのうち2名から『また会いたい』といっていただいたのですが、お断りしました。

その後、お見合いを申し込んでも断られることも多く、結局私は、その後すぐに相談所を退会してしまったんです」

 

「ルックスより安定」3年後の今、結婚に求めるものが変化

半年もたたず、相談所を退会してしまった紗季さん。3年経った今、当時の婚活を振り返ると……。
 
「あの時は、結婚と恋愛は別だと思って婚活しようと思ったけど、私は結局、ルックスで人を選んでしまう。 “結婚に向きそうな人”だと思っても、そこから関係を前に進めることができなかった。
 
それに、当時私が結婚したいと思った理由って、元カレとの別れや、友人の結婚、カウンセラーの言葉に焦ったから。考えてみると結婚したい理由がすごく一時的な感情だったなと思います。
 
相談所は本当に『結婚したい!』という意思を持っている人にとってはいい場所かもしれないけど、中途半端な気持ちだとただのお金の無駄遣いになってしまうんだな、と」
 
相談所を退会して3年経ち、紗季さんの中にある心境の変化が生まれたという。
 
「今は結婚したいと思う明確な理由ができた。30歳前半くらいには子どもが欲しい。結婚にタイムリミットはないけれど、出産には身体的なタイムリミットがあるから」
 
「もちろん自分の最愛の人と結婚するのが理想」だと言う紗季さんだが、結婚相手に求める条件は、“ルックスよりも安定した人”と現実的なものに変化した。
 
厚生労働省が発表した2020年の平均初婚年齢は、妻は29.4歳(夫は31.0歳)。初産年齢は、30.7歳。紗季さんと同じように、「30歳前後で子どもを産みたいから結婚したい」という女性も少なくない。
 
必ずしも結婚を目的とすることが幸せな人生に結びつくとは言えないが、明確に「結婚したい理由」がある人こそ、結婚相談所を利用するべきかもしれない。


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