「正社員の賃金改善」を半数以上の企業で見込む。「ベースアップ」は過去最高水準に【2022年度調査】

帝国データバンクは「景気動向調査2022年1月調査」とともに実施した「2022年度の賃金動向に関する企業の意識」調査結果を公表。全国1万1981社の賃金改善の見込みを企業規模と業界別に分析しました。

帝国データバンクは、「2022年度の賃金動向に関する企業の意識」について調査を実施しました。同調査は、全国2万4072社を対象に2022年1月18〜31日の期間で実施し、有効回答企業数は1万1981社でした。
 

2022年度「正社員の賃金改善」を企業の54.6%が見込む

新型コロナウイルスの感染拡大や、燃料、原材料価格の高騰による影響が多くの企業で継続するなか、政府は賃上げ目標3%の達成に向けて、賃上げ促進税制など、企業をバックアップする姿勢を打ち出しています
賃金改善状況の推移

そのような状況下で実施した今回の調査では、2022年度の企業の賃金動向について、正社員のベースアップや賞与、一時金の引き上げなどの賃金改善が「ある」と見込む企業は54.6%。2年ぶりに半数を上回りました。

賃金改善の具体的内容

賃金改善の具体的な内容としては、「ベースアップ」と「賞与(一時金)」がそれぞれ前年度調査から増加し、特に「ベースアップ」は調査開始以降で最高の水準となりました。
 

賃金改善の理由は「労働力の定着」

【規模・業界別】賃金改善の見込み

賃金改善の状況について、「大企業」「中小企業」「小規模企業」の3規模全てで、前回調査の2021年度見込みから賃金改善見込みの割合が上昇。業界別では、「製造」(59.7%)が最も高く、次いで、「建設」(57.2%)、「サービス」(54.0%)が続きました。

賃金を改善する理由

2022年度に賃金改善が「ある」と回答した企業にその理由を尋ねたところ、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が76.6%(複数回答)と最も多く、「建設労働者不足を解消するためにも賃金アップは必要不可欠(土木工事/神奈川県)」「事業環境的には厳しいものがあるが、社員の定着のためには賃上げは必要と考えている(一般管工事/北海道)」「新型コロナウイルス対策で仕事が減少し売り上げも悪いが、一旦雇用をカットすると再雇用は難しい。今頑張っている人をギリギリまで大切にしたいため、賃金アップは仕方なく、世の中の物価上昇にもあわせるべきと考える(喫茶店/東京)」などの声が寄せられました。
 

賃金改善が「ない」と回答した理由には、原材料の不足や価格高騰も

賃金を改善しない理由

一方、賃金改善が「ない」と回答した企業の理由としては、2021年度見込み同様に「自社の業績低迷」が64.7%(複数回答)が最も多く挙げられました。

原材料不足・価格の高騰の影響、価格転嫁の状況

賃金改善が「ある」「ない」ともに、2021年度見込みと比べて「物価動向」を理由に挙げる企業が上昇しています。原材料価格の高騰に対して、少なからず価格転嫁ができている企業は4割程度にとどまり、価格転嫁が進んでいない企業では、進んでいる企業と比べて賃金改善が「ある」割合が低い傾向が見られます。

企業からは、「仕入価格が急上昇しているなかで利益が圧迫されている状況。売り上げも下降気味であり、賃金に振り分ける余裕もない(一般貨物自動車運送/茨城県)」「賃金は上げていきたい。しかし、仕入価格の上昇、販売価格反映の拒否があり、困難な状況(金型・同部分品・付属品製造/埼玉県)」など、原材料価格の高騰が影響し、賃上げを厳しくみている企業も多いことがうかがえます。

※回答者のコメントは原文ママです

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