「ジェンダーバイアス」とは、“男らしさ”や“女らしさ”など、男女の役割について固定的観念を持つことで、近年ではこのようなジェンダーバイアスをなくそうという動きが強まっています。
「女がメガネをかけるのはみっともない」「男だから使えない」
他の人からジェンダーバイアスと受け取れるような発言をされたことが「ある」と回答した人は40.8%。その中では、「異性・同性両方に言われた」人が最も多く、半数以上でした。
具体的には、「『女の子なんだから髪をそんなに短くしない方がいいと思う』など(20代女性)」「『なよなよしてる』とか『女っぽい』とか言われた(60代男性)」「両親から『勉強のできる女は生意気でかわいくない』『女がメガネをかけるのはみっともない』など(40代女性)」「『男だから汚い』『男だから使えない』『男だから性的なことばかり考えている』など(40代男性)」などのほか、「過去に事務職を経験したことがあると伝えたときに『男なのに?』と言われた(40代男性)」「『大学には一人しか行かせられないから女のお前ではなく弟に行かせる』(50代女性)」など、さまざまな言葉を投げ掛けられていることが分かりました
「男なんだから」「女の子らしく」など、親から子へ言うケースも多数
反対に、自分自身が他人にジェンダーバイアスと受け取られる発言をしたことが「ある」と自覚している人は28.4%。その中で最も多かったのは「異性に言った」ケースでした。
具体的には、「『男なんだからしっかりとして』と旦那に言った事がある(40代女性)」「男友達が別れた彼女のことをいつまでも愚痴っていたので『男のくせに女々しい』みたいなことを言った(40代女性)」などのほか、「息子に『それは女の子が買うおもちゃだよ』と言った事があります(30代女性)」「子供が小さい頃に『男が泣くのはみっともない』といったことがある(50代男性)」など、親として子どもに言った言葉を挙げる人が目立ちました。
「ジェンダーバイアス」に対する考え方、今後どうなるべき?
ジェンダーバイアスに関する考え方については、どの回答も同じような割合で分散されました。
「なくしていくべき」と回答した人からは、「今まで傷ついてきた人がいるのだから、やはりやめていくべきだと思う(90代女性)」「ジェンダー・バイアスに縛られて本人の可能性が狭まるのはよくないことだと思うので(20代男性)」「性の違いがあるのは事実だが、それに価値観があてはめられることはおかしい(60代男性)」などの声が寄せられました。
一方、「ある程度は仕方がない」と回答した人の理由は、「価値観もそれぞれなので無理に矯正していく必要はないと思う。それはもちろん違う誰かに自分の価値観を強要しないという意味でもあるが(20代女性)」「どうしたって性差はあるのだから仕方ない。差別的な意味合いだけなくせばいいと思う(30代女性)」などのコメントも。
「特に気にすることはない」と回答した人からは、「いろいろな考え方があって当たり前、そんなこと統制できるはずがない。こうあるべき論が最近極端すぎます(50代男性)」「ジェンダーバイアス自体が、被害妄想的な、社会を分断する危険性をはらんでいる。悪意のないものまで、神経をとがらせて追及すべきではないと考える(60代男性)」などのコメントが寄せられました。
※回答者のコメントは原文ママです
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