「女らしさ」「男らしさ」の価値観は必要だと思う? 過敏に“言葉狩り”するほうが問題との声も

ジェンダーバイアスを助長しかねないとの批判により販売中止となった「マイメロディ」商品の報道を受け、All About編集部では「ジェンダー」に関する調査を実施。「女らしさ」「男らしさ」にまつわる表現や価値観の必要性について聞きました。

All About編集部では、ジェンダーに対する考え方について、アンケート調査を実施。同調査は、全国137人を対象にインターネット上で実施しました(調査期間:1月22~24日)。

今回は、「女らしさ」「男らしさ」にまつわる表現や価値観の必要性について聞きました。最も多かった回答は、「どちらともいえない」(58人)。次いで「思わない」(54人)、「思う」(25人)でした。
 

“必要”派の声「性差による対応も必要」「どこか不自然」

「女らしさ」「男らしさ」にまつわる表現や価値観が必要だと思う、と回答した人からは、「男女の区別はジェンダーという提起があってもやはり存在すると思うから(50代女性)」「それで守られるルールもあると思うから(30代未回答)」などのコメント寄せられました。

さらに、「『男らしくない』などの否定表現は使用されるべきではないと思いますが、肯定的な面での『男らしさ』や『女らしさ』の表現は残しても問題ないと思います。そもそも男性と女性の二つの性にはそれぞれ特徴があるのが当たり前であり、両方を同じようにとらえようとすること自体、生物の進化に対する否定的意見だと感じます(30代男性)」など、生物学的に男女の違いから目を背けることはできないとの声も多く寄せられました。
 

“必要ない”派の声「らしさ、という言葉で生きづらい人もいる」

「性別を気にするよりも個人の性格を気にした方が良い(20代女性)」「『男らしさ』『女らしさ』よりも個人の『らしさ』が重要だと思うから(30代女性)」「性別に関わらず、その人自身に向き不向きがあることを理解し他者を尊重すること自身を大切に思うことを学んで習慣にすれば、らしさなど必要ないからです(50代女性)」など、性別ではなく、一個人の「らしさ」を尊重するべき、というコメントも。

また、「らしさ、という言葉で生きづらい人もいるから(20代女性)」「『〇〇らしさ』という言葉が無意識に行動を強いているように思えるので必要ない(40代男性)」「そもそも女だからとか男だからこうでなければいけないというのは、固定観念であって、性別に関係なくやりたいことはやれば良いと思うので、こういう価値観は選択肢を狭めると思う(40代女性)」など、「〇〇らしさ」という表現によって、行動や選択肢が狭まることを懸念する声もありました。
 

多様性とは? 「どちらの考えも尊重されるべき」の声も

最も多かった「どちらとも思わない」という回答。「いろいろ変化してきているのはわかる。でも従来の男らしさ、女らしさを大事にしたい人たちもいることは確か。その人たちの価値観も大事にされ、新しい考え方の人たちの考えも尊重される、そういう社会であってほしい(40代女性)」「その言葉を嫌がる人がいる一方で、自信に繋がる人もいると思うからです(30代女性)」など、本当の意味での多様性を問うコメントが多く寄せられました。
 

「単なる言葉狩りをして、目くじらを立てている方が問題」

また、「過敏に反応して何事もジェンダーレスにするのは違うかなと思う(20代女性)」「別に男らしさや女らしさを求めても良いし、それに合わないからと言って、気にする必要も無いからです。単なる言葉狩りをして、目くじらを立てている方が問題があり、実際に変なところまで男女平等をした結果、女性がわいせつ被害に遭うケースも出てきています(40代男性)」「あまり色々神経質になると、ユーモアがなくなる。表現の自由も残しておきたい(40代女性)」「何だか息苦しい世の中になってきましたね(40代男性)」「何でも平等にしようと思うことが結局正しくないことにつながると思う(30代女性)」など、昨今の「表現」に対する過敏な反応に危機感を抱く声もありました。


※回答者のコメントは原文ママです


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