日経トレンディの「2021年ヒット商品ベスト30」で1位に選ばれた「TikTok売れ」。これまでもTikTokのレビュー動画をきっかけに商品やサービスが売れる現象は起きていましたが、2021年はその流れがさらに加速しました。
今回は、「TikTok売れ」した書籍3選を紹介します。
『残像に口紅を』筒井康隆(中公文庫)
この世から「あ」が消えたら? 世界から1つずつ文字が消え、その言葉が示していたものも消えてしまう。主人公の小説家が生み出す虚構の世界を描いた、筒井康隆のSF小説です。
文庫版の初版発行は1995年ですが、1人のTikTokクリエイターによる動画投稿をきっかけに8000件以上のコメントが殺到。紹介動画は580万回も再生されました。
この反響を受けてAmazonの日本文学売れ筋ランキングで一時は1位に。3万5000部の緊急重版が決まる事態になりました。
『桜のような僕の恋人』宇山佳佑(集英社文庫)
美容師の美咲に恋をした晴人。彼女に認めてもらうべく、諦めていたカメラマンの夢を追うが、美咲は人の何十倍もの速さで老いる難病を発症してしまうという儚い恋物語。「朝から小説読んで号泣」「アラフォーでも泣けた」などのレビューが投稿されました。
初版発行は2017年ですが、TikTokでの紹介で火がつき、累計発行部数は61万部を突破。2022年にNetflixで映像化が決定している話題作です。
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛(スターツ出版文庫)
TikTokでバズってから1年で19万1000部突破、シリーズ累計31万1000部を突破した、汐見夏衛のデビュー作です。初版は2016年ですが、ヒットを受けて2021年に児童文庫版も発刊されました。
鬱屈した日々を送る中学生の百合が戦時中の日本にタイムスリップし、偶然出会った特攻隊員に惹かれていくというストーリーで、怒濤(どとう)の結末に「本当に全人類に見てほしい」「号泣注意です」とレビューが盛り上がりました。
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