生ジョッキ缶は2021年4月にコンビニで先行販売を開始。すぐにSNSなどで大きな話題となり、一時期は供給が間に合わず出荷停止になってしまったほど。フリマアプリでは実勢価格が約200円のところ倍以上の値段になるなど高価での転売が相次ぐ事態となり、9月にはアサヒビールとメルカリが連携し対策を強化しました。
そんな生ジョッキ缶は、どのような経緯や工程を経て、ヒット商品となったのでしょうか。アサヒビール ビールマーケティング部 ブランドマネージャーの中島 健(なかじま たつる)さんに、現時点での売上状況も含めお話を聞きました。
生ビールのワクワク感とおいしさを手軽に家で
――「生ジョッキ缶」を開発しようと思ったキッカケを教えてください。
「お店で注文した生ビールがきた時のワクワク感とあのうまさを、家でも楽しみたい」というお客さまの声から、「家でお店の生ジョッキの気分が味わえる」という、シンプルな商品コンセプトが生まれました。
本格的なお店の生ビールをお届けする方法はさまざまあると思いますが、今回こだわったのは、缶を開けるだけでお店の生ビールを楽しめる「手軽さ」と、「ワクワク感」です。
生ジョッキ缶を通じて、お客さまにワクワクしていただき、ビールのうまさや楽しさをお伝えしたいとの思いから、この商品が誕生しました。
ライン試験を2020年に11回も実施
――開発時にこだわったポイントや秘話、苦労されたポイントはありますか?
「驚きと感動」をお届けする商品の実現に向けて、手や口を切らずに安全に全開するふたの開発、お店の生ジョッキと同等の泡立ちの実現など、さまざまな高いハードルがありました。
特に自然発泡する容器開発には苦労し、2020年だけでも、工場でのライン試験を11回実施しました。試作缶と工場の実際のラインで製造した実機試作缶との泡立ち性能のギャップ、低温域での泡立ち性能などの課題を、内面塗料の改良など幾度となくテストと改善を繰り返すことで向上させました。
2021年の販売数量は400万箱
――「生ジョッキ缶」の現在の売れ行きはどうですか?
発売後すぐに、一時休売となりまして、楽しみにしていただいていたお客さま、またご販売を予定いただいていた流通の皆さまには、大変ご迷惑をお掛けし、心よりおわびを申し上げたいと思っております。
発売以来、お客さま自身が生ジョッキ缶の楽しさやおいしさ、飲み方のポイントなどをSNSなどを通じて発信してくださったことにより、どんどん広がりました。
2021年の販売数量は400万箱(1箱=340ml×24本)で、現在は、毎月1回、数量限定で発売しております。
――実際にここまで売れた要因はズバリ何だと思いますか?
SNSを中心に、思わず誰かに教えたくなるような驚き・感動・ワクワク感があったことで人々の心が動き、20~30代の若年層の購買につながったと考えます。
1人でも多くの人に楽しんでもらいたい
――2022年にはどのような展開を予定されていますか?
現在、毎月数量限定の発売となっており、まだ試したくても試せていないというお客さまもいらっしゃる状況です。まずは、この状況を改善し、1人でも多くのお客さまに楽しんでいただける体制をつくっていきたいと考えています。
生ジョッキ缶は特殊な缶容器を使用しているため、資材(缶蓋)の調達が追いついていないのですが、この秋に新ラインの増設工事を行い、テスト製造を踏まえ、販売数量増加を目指していきます。12月には80万箱を販売予定です。
――ありがとうございました。
「生ジョッキ缶」の2021年発売日ラストは12月21日の予定です。気になる人は早めに店舗へ行ってゲットくださいね。
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