東京の人気展望施設・六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで9月17日、「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」が開幕。2021年に入り名古屋、大分で開催してきた大展覧会がいよいよ東京で始まりました。
会場ではサンリオ史上最多となる800点以上のキャラクター商品や貴重な原画・資料などを展示していますが、サンリオのコアなファンでなくても思わず胸アツなポイントがいっぱい。「懐かしさ」「驚き」そして「ビジネスアイディア」が詰まったサンリオ展を、ハローキティとほぼ同い年の筆者がレポートします。
東京会場だけ! 絶景写真スポットからスタート
まず入り口で出迎えてくれるのは、カラフルな世界観で「KAWAII」を表現するアーティスト・増田セバスチャンさんが制作した、全長約8mのシンボリックアート「Unforgettable Tower」。「実は約4000体のぬいぐるみが使われていて、名古屋展と大分展と比べると約2倍の高さになってしまい、朝まで準備をしていました」というエピソードも増田さん本人から明かされています。
そんな作品の後ろには海抜250mから見る東京の景色がダイナミックに広がり、東京タワーも間近に。会場内は写真撮影可の展覧会。いきなり絶景写真スポットからスタートです。
800点の展示物に刺激され記憶が!
展示スペースには、今も大活躍中のサンリオキャラクターから、かつて一斉を風靡したキャラクター、記憶の片隅に残っていたレアなキャラなど懐かしい顔がいっぱい。その詳細なプロフィール、誕生秘話、時代を感じさせる膨大な数のグッズに囲まれながら足を進めていきます。
今で言う「推し」だったキャラクターに再会して懐かしさに浸るのはもちろん、サンリオの月刊誌『いちご新聞』にかつて文通相手募集コーナーがあり人気だったというエピソードで、友達関係に手紙が不可欠だった古き良きアナログ時代を思い出したり、サンリオファンの聖地だった東京・田園調布の「いちごのお家」の写真を見て、行ってみたかったけれど場所を調べるすべもなかった昭和の子ども時代が蘇ってきたり……。キャラクターに刺激されて、すっかり忘れていたあの時代をさまざま思い出せたのは貴重な体験でした。
サンリオトリビアに衝撃、ビジネスヒントに触発
「サンリオ初期の商品・いちご柄の食器は、高度経済成長期に急増した一人暮らしの女性に、“かわいい”で元気を送るため商品化された」「これまで生み出されたキャラクターは約450」「パティ&ジミーはアメリカ・カンザスシティに住んでいる」「けろけろけろっぴ、おさるのもんきちなどおとぼけ系キャラクターは80年代の漫才ブームの影響を受けている」などなど、会場には驚きの解説がいっぱい。パネルをついつい熟読してしまいます。
そして2020年に創業60周年を迎えた「株式会社サンリオ」の歴史を紐解き、日本が産んだカワイイ文化について考察している部分も見どころ。キャラクターに「生みの親」がいない理由。キティちゃんに込められた戦略。人の心に響く“かわいい”をどう考えてきたのか。さらに、時代に合わせてキャラクターを進化させる決断などなど、その隙のないコンセプトの積み上げ方には、ビジネスのヒントや参考になる逸話も満載でした。
「かわいい!」と懐かしく純粋に楽しむのも良し、考えさせられる展示にうなるも良し、あえて大人におすすめしたい刺激いっぱいの展覧会です。
(c) 2021 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP610376
DATA
『サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史』
会期: 2021年9月17日(金)~2022年1月10日(月・祝)
会場: 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52 階)
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