猛暑のエアコン戦争…「リモコンを抱いて寝る夫」による家庭内ツンドラ化、妻と子が凍る事態に?

夏が来るたびに夫婦間、男女間でエアコンの設定温度をめぐり壮絶なバトルが繰り広げられています。今年もまた、やり場のない怒りに見舞われる人々がいました。

一説によると、男性が快適に感じるのは25℃で、女性は28℃程度とのこと。3度の違いを標高差にすればなんと300mと、ちょっとした低山の麓と山頂くらいの差があるわけで。夏が来るたびに夫婦間・男女間でエアコンの設定温度についてバトルが繰り広げられるのには、「身体的特徴」という誰にも埋められない理由があるようです。
 
 

ここはツンドラ!? 恐怖・リモコンを抱いて寝る夫

「夏場になると、私と娘はふたりで客間に布団を敷いて寝ています。夫は寂しい寂しいと嘆いていますが、絶対に譲れません!」

強く意気込みながらお話を聞かせてくださったのは、「暑い」ことで有名な埼玉県某所にお住まいの圭織さん(仮名・33歳)。今年5歳になる娘さんがいらっしゃる兼業主婦です。

「夫はとにかく暑がりで、夏場は会社から戻るなり部屋にあるエアコンの温度を17度に下げてしまいます。シャワーを浴びさせて、冷え冷えのスイカを切ってあげたりして夫の暑さを和らげてあげようと心がけても、頑なに20度以下なんです」

自宅は最寄り駅から徒歩15分。アツアツになって帰ってくるのだから……と、最初のうちは仕方なく思っていた圭織さんでしたが、なんとご主人は、寝るときも同様に低温をキープ。一方の圭織さんは寒さで体がこわばってしまい朝起き上がるのも辛くなってきたため、対策としてご主人が寝ついた後に26度まで温度を上げて対応していました。

「夫は、そうやって私が温度を上げることが気に入らないらしくて。そのうち、寝るときにエアコンのリモコンを抱えて寝るようになったんです。もう、腹立たしいやら憎らしいやら。ツンドラの森の中のようにキンキンに冷えた部屋で夫はニタリ顔をしていますが、私も娘も体調を崩してしまい、夏が来るのが怖くなるほどでした」

窓を全開にして扇風機の風を強にして壁にあてて寝るくらいで十分快適な眠りを得られる圭織さんに対し、エアコンを強烈に効かせないと眠れないと言い張るご主人。ふたりに妥協点などあろうはずもなく、今年も「家庭内別居」状態は続いているとのこと。

「3年前から別の部屋で寝ることにしているのですが、毎日のように夫は『俺は家族じゃないのか』『寂しい』『娘と一緒に寝たい』とグダグダ。だったらリモコンを返せ!せめて25度設定にしてよっ!と言いたいです」
 

会社の中は、常に真冬状態!?

エアコンの温度設定に関するバトルは、家庭内に限った話ではありません。なかには、職場が寒すぎるあまり退職しようか悩む女性もいるようです。

「私が配属されているのは女性が多い総務部なのですが、すぐ隣のシマに営業部があり、男性陣がみな暑がりのため、エアコンが18度に設定されているんです……」

お悩みを抱えているのは広島県在住の遼子さん(仮名・28歳)。現在の会社に勤めて3年になりますが、夏が来るたび出社が憂鬱になるといいます。

「営業部のシマと、私たち総務部のシマとでそれぞれ違うエアコンが天井に設置されているんです。私たちのほうは常時27度に設定されていて快適なのですが、営業部のほうは先ほども言ったように朝から18度設定。私の席は営業部にいちばん近い位置にあり、しかもエアコンの送風が直に当たる場所なので、常に極寒状態で……」

困った遼子さんは、営業部に人が誰もいなくなったのを見計らって25度に温度を上げていました。しかしある日のこと。営業部の若手男性から「こっちは外から帰ってきた体をすぐに冷やすために温度を下げているんだ! 他部署の奴が勝手に設定を変えるな!」と怒鳴られる始末。それ以来、営業部の温度設定用リモコンは鍵のかかる引き出しに隠されてしまい、遼子さんは手を出せなくなってしまいました。

「夏はただただ我慢の日々で、大げさじゃなくウールのカーディガンを着て、フリースのひざ掛けで下半身をくるんで、ボアのスリッパを履いて仕事をしています。それでも、頭とか首とか足首とか出ているところから冷えてくるので、仕事が終わる頃には体が固まってしまい、そのストレスでイライラがMAX状態に。上司に訴えてみたのですが、ウチは営業ありきの会社だから我慢してくれと言われて……。早く次の仕事を探して、辞めるしかないと思っています!」

遼子さんの場合は会社側の采配ミスとしか言いようがないのですが、毎年そこかしこで「エアコンバトル」が繰り広げられているのを見ると、夏場に同じ室内で男女が快適に過ごすなんてことは、夢のまた夢なのかも?しれません。

例にもれず、我が家でも毎日のように繰り広げられているリモコンの奪い合い。男女共に快適に過ごせる家庭やオフィスが作られる日は、果たして訪れるのでしょうか――。
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