エムステージは8月6日、2024年にせまる「医師の働き方改革」の進捗についての医療機関へのアンケート調査結果を発表しました。調査は全国の医療機関を対象に2021年7月26日~8月2日の期間でインターネットにより実施。119院から回答を得ました。
「医師の働き方改革」に向けて進めている準備TOP3! 「医師の採用を強化」が上位
「医師の働き方改革」進捗状況……準備が進んでいる医療機関は66%
「準備が進んでいる」と回答した医療機関からは、「常勤医師を増員しており、全く問題ない(クリニック)」「外来診療時間の見直し、固定残業払いを導入した(病院/100床未満)」「既に基準を満たしている(病院/200床未満)」「時間外労働は規制の範囲内であり、(準備することは)特に無し(病院/200床未満)」「医師の勤務環境は整っているので、あまり関係しない(病院/100床未満)」などのコメントが見られました。
「現在の約2倍の常勤医師が必要」など、医療機関が掲げる課題とは?
「医師の働き方改革」の準備について、医療機関は多くの課題を挙げています。「急性期病院では当直も残業とみなされる為、就業規則そのものの改革及び、現在の約2倍の常勤医師の採用が必要(病院/300床未満)」「当直はアルバイトまたは非常勤としてほぼ100%外部からの支援で成り立っているが、常勤先から明けの保証により断られてしまうか心配(病院/200床未満)」などのコメントのほか、「コロナへの対応などを考えると当初のスケジュール通り進めるのはいかがなものかと考える(病院/400床未満)」など、コロナ禍中での当初の施行予定を危惧する声も見られました。医師自身の「働き方改革」への意識が低い? 医師について思うこと
自由回答では、医師についての記述も多く見られました。「改革に対する医師自身の意識が極めて低い(病院/400床以上~)」「医師自身が働き方を改めてくれなければ検討できない(病院/200床未満)」「労働時間を減らすことは、ゆくゆくは医師の収入を減らすこととなる。医師の中にも時間外規制を望んでいないという声をよく聞く(病院/200床未満)」など、それぞれの医師の働き方に対する意識の違いと「働き方改革」との間で揺れる医療機関の実状がうかがえました。また、医療を受ける患者側の意識に言及する声もあり、「医師の働き方改革」実現のためには、患者側の意識として、緊急性のない軽症での休日・夜間外来の受診を控えることや、医療者が休暇を取ることへの理解なども求められるようです。
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