「医師の働き方改革」への準備、2位「非常勤医師の採用」、1位は? 「現在の約2倍の常勤医師が必要」など厳しい現状も

2024年施行の「医師の働き方改革」に向け、準備が進んでいると回答した医療機関は66%。医療機関を対象に実施したアンケート調査から、具体的に進めている準備の内容と施行に向けて掲げる課題、医師に対して思うことなどが明らかになりました。

急に増やすことのできない医師数、限りある医療資源。ニーズの増大に伴い、質の高い医療を継続して行うためには、医師の働く環境を整備し、生産性を高める……時間外労働の上限規制を中心とした「医師の働き方改革」の施行は2024年に迫っています。

エムステージは8月6日、2024年にせまる「医師の働き方改革」の進捗についての医療機関へのアンケート調査結果を発表しました。調査は全国の医療機関を対象に2021年7月26日~8月2日の期間でインターネットにより実施。119院から回答を得ました。
 

「医師の働き方改革」に向けて進めている準備TOP3! 「医師の採用を強化」が上位

「医師の働き方改革」に向けて進めている準備TOP3
「医師の働き方改革」にむけて、どのような準備を進めているか(または今後検討する予定か)という質問に対して、最も多かった回答は「常勤医師の採用」(57院)。次いで2位が「非常勤医師の採用」(48院)、3位「有休取得や残業規制などの人事制度改革」(44院)でした。
 

 「医師の働き方改革」進捗状況……準備が進んでいる医療機関は66%

「医師の働き方改革」準備の進捗状況
「医師の働き方改革」準備の進捗について、36%が「順調に進んでいる」、30%が「やや進んでいる」でした。合わせて66%の医療機関で準備が進んでいることがわかりました。

「準備が進んでいる」と回答した医療機関からは、「常勤医師を増員しており、全く問題ない(クリニック)」「外来診療時間の見直し、固定残業払いを導入した(病院/100床未満)」「既に基準を満たしている(病院/200床未満)」「時間外労働は規制の範囲内であり、(準備することは)特に無し(病院/200床未満)」「医師の勤務環境は整っているので、あまり関係しない(病院/100床未満)」などのコメントが見られました。
 

「現在の約2倍の常勤医師が必要」など、医療機関が掲げる課題とは?

「医師の働き方改革」の準備について、医療機関は多くの課題を挙げています。「急性期病院では当直も残業とみなされる為、就業規則そのものの改革及び、現在の約2倍の常勤医師の採用が必要(病院/300床未満)」「当直はアルバイトまたは非常勤としてほぼ100%外部からの支援で成り立っているが、常勤先から明けの保証により断られてしまうか心配(病院/200床未満)」などのコメントのほか、「コロナへの対応などを考えると当初のスケジュール通り進めるのはいかがなものかと考える(病院/400床未満)」など、コロナ禍中での当初の施行予定を危惧する声も見られました。
 

医師自身の「働き方改革」への意識が低い? 医師について思うこと

自由回答では、医師についての記述も多く見られました。「改革に対する医師自身の意識が極めて低い(病院/400床以上~)」「医師自身が働き方を改めてくれなければ検討できない(病院/200床未満)」「労働時間を減らすことは、ゆくゆくは医師の収入を減らすこととなる。医師の中にも時間外規制を望んでいないという声をよく聞く(病院/200床未満)」など、それぞれの医師の働き方に対する意識の違いと「働き方改革」との間で揺れる医療機関の実状がうかがえました。

また、医療を受ける患者側の意識に言及する声もあり、「医師の働き方改革」実現のためには、患者側の意識として、緊急性のない軽症での休日・夜間外来の受診を控えることや、医療者が休暇を取ることへの理解なども求められるようです。

【おすすめ記事】
新型コロナウイルスワクチンの副反応・副作用が強いのはなぜ?
小児科医が新型コロナ対策で実践している10のこと
改正コロナ特措法とは……感染者の入院拒否・虚偽報告に過料も
医者にタメ口が多い2つの理由

【関連リンク】
プレスリリース
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 世界を知れば日本が見える

    深刻な少子化に苦しむ「中国」と対照的に、今こそ「一人っ子政策を導入すべき」といわれる2つの国とは

  • ヒナタカの雑食系映画論

    ツッコミどころ満載で愛される『名探偵コナン 紺青の拳』、気になる5つのシーンを全力でツッコんでみた

  • どうする学校?どうなの保護者?

    【PTA免除の儀式】固まる母親を見かね「もうやめませんか?」声をあげた父親に何が起きたか

  • AIに負けない子の育て方

    2024年の中学入試は「弱気受験」だったというが…受験者増の人気校に見る、中受親の変化