KUMONは中学受験にも役立った!? スポーツでは水泳、音楽系ではピアノ
All About独自のアンケート調査で「受験塾以外の習い事の経験」について聞いたところ、受験塾以外の習い事の経験があるという人が多数、という結果になりました。学習系の習い事を中心に、水泳などのスポーツも人気であることがわかります。
習い事の定番「KUMON」は4割を超える子どもが経験者。難関校に合格した子どもたちの中にも、KUMON経験者が多くいました。
「KUMONの算数を2年生の時にはじめて、6年生の夏まで続けました。受験塾と並行していくのは大変でしたが、高校生になったら必ず役立つからと先生に言われ続けて……。最終的には高校生レベルくらいまで進みましたし、KUMONのおかげかどうかは分かりませんが、算数はずっと得意教科でしたね。算数が得意だということは本人も自覚があり、『力をためしてみたい』という受験をはじめたきっかけにもなりました。中学入学後、通信教育でまた再開しようかと考え中です」(男の子母 Aさん)
「幼稚園の頃からKUMONをはじめて、5年生で受験塾に入る直前まで続けました。算数は得意教科というほどにはなりませんでしたが、計算のスピード感と正確性は確実に身に付いたと感じます」(女の子母 Bさん)
さすがは人気のKUMON。役立ったという声が目立ちました。昨今の中学受験ではじっくりと考えさせる問題が増えているものの、確かな計算力で計算ミスを減らし、得点につなげられる安心感はありそうです。
「塾がはじまり、算数が苦手だということを知りました。計算ミスがとにかく多くて。算数の基礎力をつけてこなかったことを後悔しました。教訓を生かし、下の子はそろばんを習わせていますが、今のところ算数が得意教科みたいです」(女の子母 Cさん)
逆にKUMONの算数などで計算力をつけておけばよかったという声も。ほかにはどのような習い事に取り組んでいたのか聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「習い事はサッカーやスイミングなどのスポーツ、英語と書写を幼稚園の頃から小学校低学年までやっていました。通信教育などを含め、勉強に関わる習い事はしていませんでしたが、漢字の勉強は家でさせていました。3年生で漢字検定5級を取得しました」(男の子母 Dさん)
「スイミングが好きで、4泳法を習得した後も受験直前まで定期的に通っていました。習い事というよりは運動不足解消のためという感覚でしたが、泳いで帰ってくるとすっきりした表情をしていることが多かったです。勉強中心の生活の中で、数少ない気分転換になっていたようで、とてもよかったかなと」(男の子母 Eさん)
6年生になると勉強に専念するためにすべての習い事を辞めるイメージがありますが、気分転換や運動不足解消のために直前まで運動系の習い事を続けた例もあるようです。受験には体力が必要だという考えから、バレエを6年生まで続けさせたという女の子母の声もありました。
算数が得意なのは生まれつきか、それとも……?
一般的に算数が得意な子が有利だといわれることが多い中学入試。最近では、特に午後入試で「算数一教科」で合否が決まる試験パターンも増え、重要度が増しているともいえます。算数が得意教科だったという2人の男の子の幼少期について聞いてみました。
「小さい頃から数字が大好きでした。駐車場の車のナンバープレート、家のカレンダーやマンションの郵便受け、電話帳に載っている電話番号など、とにかく数字の並びを口に出して楽しんでいました。10桁以上の数列を覚えるのが得意でしたね」(Aさん)
驚くことに、「数字が好きで覚えてしまう」という部分がまったく同じだった幼少期のDくん。
「物心ついたときから数字には興味津々でした。『マグ・フォーマー』や積み木などもお気に入りでした。“ルービックキューブ2分チャレンジ”などもよくやっていましたね。小さい頃から折り紙も大好きで、折り方の本を見ながら黙々と制作していました」(Dさん)
小さい頃から数字が好きだったという2人。好きだったことから自然に算数に親しみ得意になったことが想像できます。算数が得意になるかどうかは、生まれつきの本人の資質もありそうですが、ブロック系の遊びが空間認識能力を高めることに役立ったとも考えられそうですね。算数が得意だった上記2人以外にも、家族でアナログゲームを楽しんでいたという家庭は多いようです。
「トランプやアルゴは幼い頃から好きで今でも家族でやりますね。ボードゲーム系は基本的に大好き。人生ゲームやスゴロクは何度やったか数えきれないほどです。将棋や囲碁、オセロ、チェスなども幼稚園の頃から始めました」(Eさん)
数字を使うボードゲームで数字的感覚、ブロックや折り紙は立体感覚を養えそうです。ブロック系おもちゃでの一人遊びはもちろん、大人も一緒にボードゲームで盛り上がったという話もありました。
自然科学や天体など“ほんもの”に触れる機会も重視
長期休みのときに行く場所に困ったら、博物館や科学館へ連れて行った、というのはFさん。
「幼稚園の頃に初めて連れて行ったのが国立科学博物館で、恐竜の骨に興味津々でした。首都圏にある科学館、博物館へはかなり足を運びましたね。宇宙にハマっていたときはプラネタリウムに通い、その流れでコミック『宇宙兄弟』を大人買い。ついでに大人も一緒に夢中になったり。満月の日によく天体望遠鏡をベランダに出して観測もしました」(男の子母 Fさん)
自然に触れる機会を大切にした、というのはアウトドア好きのDさん。
「年に数回の頻度でキャンプに行くんですが、遊びの中にたくさん学びがあります。採った虫や釣った魚の種類を調べ、星が出れば星座早見表を片手に眺めます。石や植物を観察したり、焚火の火が燃え上がる仕組みを火遊びしながら体験。風や太陽の光を浴びて季節を肌で感じながら目にしたこと触れたものは、心に残ると思うんですよ。夫の実家で米を作っているので、田植えや収穫を手伝いに行ったりもしました」(Dさん)
「子どもの頃から歴史好きで、大河ドラマなども家族でよく観ていました。戦国武将にハマったときは、よく城に行きましたね。大きな城はそのものにインパクトがあって見ごたえがあり、天守閣に登るのも楽しくて。城がつくられた時代背景や関連する歴史上の人物、その時代の生活様式などが模型にされていて、自然と社会の勉強になったと思います。城を目的地に旅行先を選んだりしていました」(Fさん)
子どもの知的好奇心を満たす場所に連れて行ったり、興味があることをキャッチしてすぐに行動に移したり、ときには視野を広げるための体験をさせたり……。「勉強」だけではなく遊びの中から覚えたことは子どもの記憶に残りそうな気がしますね。そして子どもが興味を持った場所や物事を大人も一緒に楽しんでしまう、そんな大人の姿が理想的といえるのかもしれません。
難関校に合格した子の保護者に話を聞いてみると、机上の勉強だけにこだわらず、さまざまな面から子供の成長にアプローチしていたという共通点がありました。習い事という枠にとらわれず、遊びや習慣を通して自然に学力を身につけていったことがわかります。