日本トレンドリサーチは3月4日、いよいよ間近に迫っている「東京五輪」に関するアンケート調査の結果を発表しました。同調査は、全国の男女2000人を対象に2021年3月2~3日の期間でインターネットにより実施。
現在より新型コロナウイルスの新規感染者数も抑えられていた3月時点では、東京五輪開催に対する国民の思いはどのようなものだったのでしょうか。
「開催してほしい」44.2%、「開催してほしくない」55.9%
東京五輪の今年2021年の開催について、「開催してほしい」「どちらかといえば開催してほしい」と思っていた人は44.2%。「五輪に対しての事業活動は進んでいると思うのでそれを無駄にしない為や、経済効果も高いから。世界的なイベントを無くすのは良くないと思う(40代・男性)」、「特に日本人のアスリートにとっては、自国開催は特別なものであり、安全の確保、感染対策などを行い、純粋にスポーツを楽しめるコンパクトな大会を開催してあげてほしい(40代・女性)」などの意見が見られました。
一方、「開催しないでほしい」「どちらかといえば開催しないでほしい」人は55.9%と、「開催してほしい」人を上回っていました。「日本だけの問題ではなく全世界での問題であるのに、その世界各国から人が行き来するのはリスクが高すぎる(30代・女性)」「ワクチン接種を開催までに全国民にするのは無理だし、他国の人は責任が持てない(70代・男性)」「開催するなら医療の現場の人々の話をメインに気持ちを聞いてほしい。開催されなくてもみんな納得すると思う(50代・女性)」などの意見が挙げられました。
開催する場合は「入場制限をしてほしい」が73.2%
東京五輪を「開催してほしい」「どちらかといえば開催してほしい」と回答した人に、開催する場合の観客の制限について最も多かったのは「入場制限をして開催してほしい」が73.2%、次いで「無観客で開催してほしい」(14.2%)でした。
「入場制限をして開催してほしい」理由には、「0では経済的にプラスにならない(60代・女性)」「無観客にすると採算が取れず大赤字になっても困ると思う(20代・女性)」など経済的な面を不安視する意見や「観客ゼロでは、選手のモチベーションの低下にも繋がるかと(40代・女性)」などの意見が挙げられました。
一方「無観客で開催してほしい」人からは、「コロナウイルスがひどい時に安全対策をしながらやっても不安。最も感染リスクの低い無観客で行ってほしい(20代・女性)」「コロナ感染拡大を東京五輪で再度起こしてはいけない(40代・男性)」などの意見が挙げられました。
今年開催しない場合は「中止してほしい」が62.8%、「延期してほしい」が37.2%
「開催しないでほしい」「どちらかといえば開催しないでほしい」と回答した人の中で、今年開催しない場合は「中止してほしい」と回答した人が62.8%と半数以上を占めました。「いつまでの延期かはっきりしない状態よりは中止の方が良いと思う(50代・女性)」「東京で五輪を開催できるのは素晴らしいことだが、開催することを優先するより、まずはコロナを収束させることを第一優先すべきだと思う(20代・女性)」などの意見が見られました。
「延期してほしい」と回答した人からは、「32年の大会はまだ開催地未定だから予知はあると思う。さもなければ投資金額の回収は難しくなる(70代・男性)」「五輪を目標にがんばってこられている、選手の方々のことを考えると中止というのは気の毒なので(50代・女性)」などの理由が挙げられました。
東京五輪の2021年の開催について、今年3月の調査では否定的な意見が多かったことがわかりました。すでに聖火リレーも始まり、海外一般客の受け入れは断念されました。経済的な面での不安、アスリートの方々の気持ち、いまだ見えないコロナの収束。もう間近に迫った一生に一度のビッグイベントとなるかもしれない東京五輪は、全世界が見守る中、この先どのような方向に向かっていくのでしょうか。
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