子どもに市販のお菓子だなんて「親として最低の行為」とキッパリ! 意識高い系ママたちの困った言い分

進化を続ける、いわゆる“意識高い系”。こうした“意識”はなぜか人を誤った方角に向かわせることもあるようで、意識高い系のママに困ってしまった過去を持つ女性も増加しています。どんな被害にあってしまったのか……。

ECOから始まり、オーガニック、スローフード、LOHAS、SDGsと進化を続ける、いわゆる“意識高い系”。こうした“意識”はなぜか人を誤った方角に向かわせることもあるようで、意識高い系のママに困ってしまった過去を持つ女性も増加しています。どんな被害にあってしまったのか――さっそく、見てみましょう。

百科事典を捨てろ? ママ友の言葉に戸惑う日々

千葉県在住の佑子さん(仮名・32歳)は、男女ふたりのお子さんを持つ兼業主婦。そんな佑子さんが「ほとほと困っている」相手、それは、ふたりの子どもが通うの保育園で知り合いになった、意識高い系のママ友だといいます。
 

「ご夫婦ともにサーフィンが好きらしく、それが高じて千葉に越してきた方なんです。すごくナチュラルな生き方をしていて、はじめのうちは、おしゃれだな、格好いいな、と思っていました。こういう人のことを、意識高い系って言うんだろうなって思ったりして」
 

そうした感覚が変化したのは、昨夏のこと。そのママ友とお子さんが自宅に遊びに来たときのことでした。
 

「子どもたちを庭で遊ばせ、私たちはのんびりお茶でも……と思い、麦茶を取りに行ったんです。リビングに戻ったらママ友がいないので探しに行くと、なぜか険しい顔をして子どもたちの部屋にいたんです」
 

「どうしたの?」そう佑子さんが声をかけると、「こんなもの、子供部屋に置いてちゃダメだよ!」とママ友。彼女が指さす先には、百科事典が並んでいました。
 

「彼女が言うには、百科事典はスペースの無駄だと。重いし、高いし、そもそも紙にダニがついて不潔だし、資源のムダ遣い。スマホやタブレットを与えたほうがエコだし無駄にならないのに!って――それを聞いて、びっくりしてしまいました。我が家の子どもたちは知らない植物を見つけるとそれを握りしめて走ってきては、一所懸命に百科事典をめくり、どんな名前の草なのか調べています。確かに子どもたちは四苦八苦して書棚から取り出していますし、紙なのでダニはつくかもしれませんが、自分でページを繰り見つけ出す喜びがあると思うんですよ」
 

そもそも、その百科事典は佑子さんご夫婦があちらこちらの図書館を巡り、気に入るものを見つけ出して購入したもの。佑子さん自身も幼い頃に百科事典を見ては様々に想いを寄せた思い出があり、この世界に色々な事物があることを知るきっかけになったのは、まぎれもなく百科事典だったといいます。
 

「感覚が違うんだろう」と実感し、今はほどよい距離を取るようにしているという佑子さん。しかしあの夏の日以来、そのママ友はしつこいくらいに、
 

「あの百科事典、まだ処分してないの?」
 

と聞いてくるのが困りものなのだとか。
 

「百科事典を足の上に落として骨折したとか、なにか百科事典に恨みでもあるんじゃないの? なんて、夫は苦笑いしています。環境に配慮するなど意識が高いことは良いことだと思いますが、他人の家のことまで気にしなくてもいいんじゃないかな?って思いますね」
 

市販のお菓子NG!? 意外なこだわりに困惑

長野県在住の自営業・真由美さん(仮名・35歳)の困りごと。それは、ひとり娘のお友達のママが、異様に意識が高いことだといいます。
 

「昨春小学校に上がった娘と仲良くなった子がいて、他の子と連れ立ってよく我が家に遊びに来るようになったので、スナック菓子など市販のお菓子をおやつに出していたんです。2か月くらい経った頃かな。そのママから電話があって『ウチの娘に、市販のお菓子を食べさせているというのは本当ですか?』って聞かれてびっくりしました」
 

アレルギーがありましたか? 何か食べさせてはいけない食材がありましたか? そう聞き返した真由美さんに対し、そのママさんは冷ややかに
 

「子どもに市販のおやつをあげるなんて、親として最低な行為だと思います。なぜ手作りのものを出さないんですか? おたくはそんなに愛情が薄いご家庭なんですか?」
 

と言い放ったのです。
 

「さすがに途中からおかしくって、自然と笑いがこみあげてきたので『わかりました。では、次回からお子様に手作りのおやつを持たせてあげてください。我が家ではできかねますので』と電話を切りました。その3日後くらいにそのお友だちが再び遊びに来たのですが、もちろん手ぶら。しかも泣きそうな顔で『おばちゃんごめんなさい。ママがごめんなさい』って謝るんです。その子だけを別の部屋に呼んで話を聞いたところ、どうやらそのママは基本的に『お菓子はすべて害悪』と思っているよう。自宅でお菓子を食べたことがなく、幼稚園の遠足で持たされるのも、おからで作ったボソボソのクッキー数枚程度だったらしくて……」
 

その子だけにおやつを出さないわけにはいかないので、これまで通り、普通にお菓子をふるまい続けているという真由美さん。しかし、嫌味の電話はたびたびかかってくるのだとか。
 

「私自身も奮起し、たまには手作りのホットケーキやクッキーを出すようになりましたが、毎回は厳しいので市販のお菓子もバンバン出しています(笑)。でも、ホットケーキにはちみつをかけただけで『もちろんオーガニックのものですよね?』って確認の電話がかかってくるのはやめてほしいです。ウチは普通のサラリーマン世帯ですから。はちみつなんてお安いものしか買えません!」
 

意識を高く持つことは良いことですが、だからといってその意識を他人におしつけたり、ましてや自分がやりもしないことを相手に求めたりするのはおかしなこと。本当に意識が高いのであれば――そのことにまず、気付いてほしいものですね。

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『オッペンハイマー』を見る前に知ってほしい6つのこと。2つの用語、時系列、モノクロシーンの意味は?

  • どうする学校?どうなの保護者?

    なぜPTAで子どもの保険を扱うのか? 2024春、東京都Pが“別組織”で保険事業を始める理由

  • AIに負けない子の育て方

    2024年の中学入試は「弱気受験」だったというが…受験者増の人気校に見る、中受親の変化

  • アラサーが考える恋愛とお金

    仕事×子育てを両立できるのは「ごく一部の恵まれている女性」か。女性の社会進出という“風潮”が苦しい