春季キャンプで躍動するルーキーたち

大学屈指のスラッガーで近畿大からドラフト1位で入団した佐藤輝明(写真:アフロ)

春季キャンプも終了し、いよいよ開幕間近となった今季のプロ野球。その中でも今季は各チーム、新人選手の活躍が目立ちました。

たとえば阪神の佐藤輝明は練習試合から巧打を連発し、楽天の早川隆久は早くも開幕ローテーション入りが内定。ドラフト上位組だけでなく、巨人では5位指名の秋広優人が身長2メートルという長身を生かした迫力のある打撃で頭角を現し、西武でもブランドン(6位指名)が長打力を生かして注目を集めています。

ニュースター誕生にワクワクしますが、それに伴い気になるのが新人王争い。一度しかチャンスがないタイトルだけに新人選手の目標となる賞ですが、プロの世界で有利なのは即戦力と称される選手たち……果たして実際に新人王を受賞した選手たちはプロ入り当時、ドラフト会議でどんな評価を受けていたのでしょうか?
 

ダークホースは即戦力型の社会人出身選手

調べてみたのは過去30年間(1991年~2020年)の歴代新人王59名のドラフト順位。2001年~2006年のドラフト会議で使用された自由枠・希望枠の入団選手はドラフト1位指名と同等としてカウントしました。

その結果は以下の通りです。

▼過去30年(1991年~2020年)の歴代新人王のドラフト順位

ドラフト順位 新人王輩出回数 主な選手
1位 32回 松坂大輔、上原浩治など
2位 10回 小川泰弘、京田陽太など
3位 5回 源田壮亮、平良海馬など
4位 5回 赤星憲広、青木宣親など
5位 4回 小坂誠、摂津正など
6位以下 1回 三瀬幸司
育成指名 2回 山口鉄也、松本哲也

※自由枠・希望枠入団選手はドラフト1位指名としてカウント

歴代新人王59名中、ダントツの多さはやはり1位指名の選手たち。中でも特筆すべきは松坂大輔と田中将大。いずれも高卒でプロの世界に入りましたが、1年目から活躍して新人王を獲得。この二人はドラフト会議当時から人気が高く各球団の競合指名を経て入団しています。

ほぼ半数をドラフト1位が占めていますが、これに続くのが2位指名の選手たち。こちらは2013年にプロデビューした小川泰弘がこの年にいきなり16勝を挙げ、最多勝とともにダブル受賞。同期の選手には菅野智之や藤浪晋太郎がいる中での受賞だけに大きなインパクトがありました。

3位だった選手からは5人が新人王の栄冠に。源田壮亮、平良海馬と現在の西武の主力選手が目立ちますが、他にも金子誠や梵英心ら源田と似た職人肌のショートの選手がそれぞれ受賞し、長きにわたりチームの屋台骨を支えました。

順位通りに期待値が下がっていく形なので下位指名の選手はノーチャンスに見えますが、決してゼロではありません。

5位以下の選手で受賞したのは森田幸一、小坂誠、金城龍彦、摂津正、三瀬幸司の5人ですが、全員社会人野球を経ての入団。即戦力として期待されて入団した選手でした。1年目に野手へと転向した金城を除く4選手はその期待通りにルーキーイヤーから一軍で出場。小坂は堅実な守備と俊足を武器にショートのレギュラーを獲得し、森田、三瀬、摂津はセットアッパー、クローザーとして台頭。チームに欠かせない存在となりました。

ただ、5位以下で新人王を獲得した選手たちは総じて引退が早い傾向が。社会人野球を経由して入団していることもあり、もともと高齢でプロの世界に入るだけに現役期間が短くなりがちですが、それ以上に1年目の酷使がたたって選手としてのキャリアを短くするケースが見られました。「太く短く」がドラフト下位指名の新人王の宿命なのかもしれません。
 

今年の新人王は順当?

いかがでしたか? こうして見るとドラフト順位が高いほど新人王レースでは有利と見られそうで、今季の場合、新人王争いの本命候補とされている佐藤輝明、早川隆久が1位指名選手だけに順当に決まるのでは?と予想できます。

ちなみにダークホースの可能性がある5位指名以下の社会人出身選手は三好大倫(中日6位)、中野拓夢(阪神6位)、池谷蒼大(DeNA5位)、今川優馬(日本ハム6位)、阿部翔太(オリックス6位)の5人。王道の1位指名選手たちの動向はもちろんですが、ダークホース候補の彼ら5選手に注目して見るのも楽しいかもしれませんよ!