背番号は選手にとってもうひとつの顔

スポーツにはさまざまなドラマがあるが、背番号がそれをしっかり歴史に刻んでいる

プロ野球選手の誇りとも言うべきものが背番号。各チームとも看板選手には一桁番号を背負わせチームの顔ということでアピールしますし、選手たちも一流選手の証である一桁番号やエースナンバーを背負うことを夢見てプレーしています。

それだけにシーズンオフになり、背番号の変更が発表されると選手自身はもちろん、ファンもハラハラすることに。念願の一桁番号を手に入れ喜ぶ選手もいれば、反対に不振によって剥奪されてしまい、涙に暮れる選手もいるなど、背番号ひとつでもさまざまなドラマが生まれます。

そこで今季から新しい背番号を背負い、注目すべき選手を紹介します!
 

佐野恵太(DeNA)背番号44→7

昨年のプロ野球で最もブレイクした男と言っても過言ではないのが佐野恵太。先輩である筒香嘉智がメジャーへ移籍したことで、それまでシーズン100試合にも出場していなかった純レギュラーの選手が、いきなりレフトの定位置とキャプテンの肩書き、そして4番打者としての役割を筒香からそのまま引き継ぐことになりました。

“ポスト筒香”という重圧に押しつぶされてもおかしくなかったシーズンでしたが、オープン戦で打点王に輝くなど、絶好調のままシーズン開幕を迎えると筒香を彷彿とさせる勝負強さと安定感抜群のバッティングでなんと自身初の規定打席到達だけでなく、首位打者のタイトルも獲得。ポスト筒香の大役を見事に全うしました。

新たなスターに対し球団はそれまでつけていた背番号44番から7番への変更を打診。かつてキャプテンを務めた石川雄洋や2度の首位打者に輝いた鈴木尚典など、チームの看板打者にふさわしい背番号をゲットし、今季も飛躍を誓います。
 

戸郷翔征(巨人)背番号13→20

近年の巨人で注目されるのがシーズンオフの背番号シャッフル。戸郷自身、昨年も13番に変えたばかりでしたが、今季は7つ増えた20番を付けてシーズンに臨むことになりました。

13番から20番への変更だけに降格のようにも感じられますが、背番号13番を背負った昨季の戸郷のピッチングは十分立派なもの。巨人の投手としては桑田真澄以来、33年ぶりとなる10代での開幕先発ローテーション入りを果たすと、そこから桑田を超える開幕3連勝をマーク。後半ややガス欠したとはいえ、9勝をマークして巨人のリーグ2連覇に大きく貢献しました。

ちなみに巨人の背番号20番での歴代選手と言えば、昨年のサンチェス(20年)やローズ(04~05年)、マシソン(12~19年)など外国人選手が多くつけていましたが、かつては球界のアイドルと称された定岡正二(75~85年)など若手投手の有望株がつけることが多かった番号でもあります。3年目を迎える今季、戸郷はさらなる飛躍を果たすことができるでしょうか。
 

若月健矢(オリックス)背番号37→2

捕手の守備番号は2番。それが関係しているわけではないですが、今オフは梅野隆太郎(阪神)や中村悠平(ヤクルト)など、背番号を2に変更するキャッチャーが続出。オリックスの正捕手を務める若月健矢もその一人。昨季までの37番から今季は2番へ変更となりました。

人気声優の立花理香と結婚を発表して迎えた昨季は出場試合数こそ75試合に減ったものの、課題となっていた打撃面での真価が顕著で、打率は.178から.240へとアップ。本塁打も3本放つなど飛躍のシーズンとなりました。

オリックスで背番号2をつけた選手と言えば、白崎浩之や原拓也など、どちらかというと二遊間を守る選手がつける傾向があり、捕手で着用するのは統合初年度となった2005年から3シーズンにわたって着用していた的山哲也以来、14年ぶりになります。
 

梅津晃大(中日)背番号28→18

チームごとに「出世番号」とも言うべき背番号がありますが、そうした系譜が少ないのがなんと中日。というのも中日は昔から新人選手に最初から若い番号を与え、数年たっても活躍できなかった選手からは容赦なく剥奪するという傾向があるためなのですが、今回中日で珍しく(?)背番号が若返ったのが梅津晃大です。

ルーキーイヤーから故障に悩まされがちで、昨季も登板はわずか7試合のみ。それでも一度先発すれば支配的な投球を見せることもしばしばで、体調さえ万全なら大野雄大に次ぐ先発投手の軸となることはほぼ確実とされる期待のホープです。

そんな梅津に奮起を促すためなのか、球団は今季から梅津の背番号を18番に変更。球界において18番と言えばエースナンバーとして知られるだけにその期待値の大きさがうかがえます。新背番号を背に、今季こそ梅津は飛躍することができるでしょうか。
 

北条史也(阪神)背番号2→26

最後に紹介したいのが阪神の北条史也。ここまでは背番号が若返った選手ばかりでしたが、北条の場合はプロ入り以来つけていた2番を剥奪される形で、今季からは26番を背負うことになりました。

プロ入り4年目の2016年に122試合に出場し、レギュラーの座をつかんだかのように見えた北条でしたが、その後は植田海や糸原健斗らとの熾烈なレギュラー争いに敗れ、昨季に至っては一軍定着後最低となる40試合のみの出場で打率は.192。背番号2を背負うには荷が重いということで26番に変わってしまいました。

奮起を期したい今季、北条は高校の先輩である坂本勇人との合同自主トレに参加。いくら高校の先輩とは言え、阪神にとって最大のライバルである巨人の主力選手とともに自主トレを行うというのは異例中の異例ですが、それだけレギュラー再奪取に賭けているとも言えるでしょう。果たして5シーズンぶりのレギュラー奪取なるか、注目です。
 

選手それぞれのドラマから目が離せない!?

いかがでしたか? 背番号ひとつとっても様々なエピソードや人間模様が出てくるため非常に興味深いですよね。心機一転、奮起を期する選手たちに今季は注目してみましょう。