英国に「When three women gather, the ash of the hearth flies.(女が三人寄れば、囲炉裏の灰が飛ぶくらいにぎやかになる)」ということわざがあるように、女性はいつの世も「おしゃべり」な生き物であり、これは有史以来変わらぬ女性の性質と言えます。過去の出来事から好きなアイドルのことまで、女性は実に様々なことをしゃべりたがるものですが、話す相手を選ばないと、とんでもないことになってしまうかもしれません……。
軽い気持ちだったのに……地雷を踏んだ女性談(1)
兵庫県在住の折本美嘉さん(仮名・31歳)は、昨年、2年ほど付き合い結婚を考えていた最愛の男性にフラれた経験を持っています。
「街コンで出会った人で、とても愛情深く優しい人だったんです。それが、急に電話もLINEもつながらなくなってびっくりしてしまいました。きっかけは……たぶん、ですが、私が元カレの話をしたからです」
昨年のGW、彼とともに出掛けたのは隣の県にある温泉旅館でした。実はその旅館は元カレと行ったことのある宿。とても素敵な宿で、楽しかった過去を思い出しテンションが上がった美嘉さんは、思わず「ここ来たことある! 家族風呂がすごく良かったよ!」と彼に言ったのです。
「私の言葉を受けた彼は、ちょっとふざけたように『あれあれ~? 家族風呂に入ったってことは、元カレと来たってことですか~?』と聞いてきたんです。その笑顔につられて、思わず『うん、実はそうなんです~』と返したところ、彼の態度が急に悪化。旅行から帰ってすぐに連絡が取れなくなりました」
正直に話しただけなのに……地雷を踏んだ女性談(2)
東京都に住む柏原りなさん(仮名・29歳)は、現在、ご主人と離婚調停中。結婚をしたのはわずか1年半前のこと。ご主人は同じ会社の同僚。都内の有名ホテルで結婚式を挙げ、親族はもちろん会社の仲間たちからも祝福され、幸せいっぱいな新婚生活をスタートさせました。
「結婚して2ヶ月くらい経った頃だったと思います。仕事が終わった後、双方の友人を交えて飲みに行ったんです。そのとき酔っぱらった友人が『りなはずっとずっと男運が悪かったから、幸せな結婚ができて本当によかった!』と、涙を浮かべながら言ってきたんです。私は友人の言葉がうれしくて『ありがとう! 幸せになれてよかったよー』って返しました」
お店を出て友人たちと別れた瞬間、ご主人が怒ったような顔をして「“ずっとずっと男運が悪かった”って言ってたけどさ。そんなにたくさんの男と付き合ってたんだ? 本当のこと言ってよ。これまで付き合った人数、何人くらいなの?」と聞いてきたといいます。
「え? そこに引っかかるの? と思いながらも、こうなったら正直に言おうと心に決め、付き合った人数を伝えました。まぁ……ぶっちゃけ中学時代からモテるタイプだったので、二ケタいってたんですけどね」
人数を聞いた次の瞬間、ご主人は急激に青ざめたかと思いきや、その次の瞬間には烈火のごとく怒りだしたといいます。
「そんなフシダラな女だとは思わなかった」
「モテた自慢なんかするな」
「何人もの男が手を付けた女だなんて汚らしい」
……聞くに堪えない暴言を吐き出し続けたご主人に対し、りなさんは驚くばかり。
「2日後、夫が離婚届を手に帰ってきました。私は離婚したくなかったので突っぱね、今は調停に入っています。正直に言えって言ったのは自分のほうなのに怒るなんて……私の男運の悪さは、継続中ってことですかね」
過去の話は、詮索されても秘するが花
なぜ男性は“過去”の話にこだわるのでしょうか。同様にこだわった経験を持つ男性に思い当たる理由を訊ねてみると、
「昔のことだと言うのであれば、きれいに忘れていてほしかった」
「遊び歩いていた過去を自慢げに話す女は気持ち悪い」
「お古感が出るのがイヤ。男のほうがそういう憧れが強いのだと思う」
「昔、ちょっとした興味で聞いたら、俺の親友ともそういう関係になってて、吐きそうなほど嫌悪感を覚えた」
という答えが。では逆に、男性から過去の経験について訊ねられたときはどうすればいいのか訊ねてみたのですが、こちらは、
「『話すほどのことはないよ~』とか『昔過ぎてもう忘れちゃったよ』とか言って、完全にスルーしてほしい!」
と、ほぼ全員が同じように答えていました。
ちなみに女性に過去のことを聞かれた経験がある男性もいましたが、
「言いたくないって言ってるのに『教えて!』ってすごいしつこくて、それがイヤになって別れました。過去のことは過去のこと。そこにいちいちこだわるのって、かなり気持ち悪いんで……口をつぐんで、そのまま墓場まで持っていってほしいですね」
とのこと。
女性にとってみれば「過去は過去。今好きなのは目の前のあなた」ということで、うっかり話してしまいそうになる過去の恋愛談ですが、多くの男性にとっては<地雷>になる模様。過去の恋愛は胸の奥底に秘めておき、今目の前にいる彼や夫のことだけを考える――これが、恋愛や結婚を長続きさせる最大のコツかもしれません。