「おうち学習」が得意なママに訊く、親子バトルを回避できる勉強法

感染症流行による休校期間や、夏休みのような長期休みの宿題をスムーズに進めるには、学習計画が大切です。計画倒れしない学習計画の立て方、アドバイスの伝え方、おうち学習がラクラク進むヒントなどを紹介します。

新型コロナウイルスの影響で、地域によっては長い長い休校が続きました。休校中に出された大量の宿題や課題に苦労したご家庭も多いでしょう。このような長期休校は、誰もが経験したことのないこと。安心してください、順調に進まないのが当たり前です。

この先も分散登校が続き、夏休みも大幅に短縮されそうですが、おうち時間の勉強で親子バトルは避けたいもの。そこで、おうち学習をスムーズに進めるための学習計画のつくり方と、計画通りに進めるためのサポートの方法を、わが家の実例とともに紹介します。
 

その1. やる気を出すために、ご褒美を用意

わが家では、長期休みが始まるとファミリーレストランに行き、学習計画を立てます。学習計画を立て終わった後に、パフェやかき氷を食べるというご褒美のためです。
 

外出することで、計画を立てざるをえない状況を作り出す効果もあります。費用はかかりますが、勉強をスムーズに進めるための必要経費、成績と点数アップへの投資と私は考えています。
 

現在は外食を気楽に楽しみにくい状況なので、お気に入りのスイーツを用意し、テンションがあがる音楽をかけて、おうちの雰囲気を変えて計画を立てるようにしています。
 

その2. 学習計画はシンプルに、わかりやすく

我が家は、「やることリスト」と「スケジュール表」の2つを作成して、遊びや帰省など全ての予定を一括管理しています。
 

1. やることリストに、子どもがやりたいことを書く

子どもがやりたいことを、リストに全て書き出します。遊びだけを書いて、宿題や学習が出てこなくても気にしません。
 

2. やることリストの完成

宿題、帰省などの予定、親がやりたい・やらせたいことを全て書き出します。
 

3. スケジュール表を書く

カレンダー形式のスケジュール表に、やることリストの内容を埋めます。
 

4. よく見る場所に貼り、終わったらチェックする

勉強もするダイニングテーブル横の本棚の側面に、やることリストとスケジュール表を貼ります。
 

この方法で、昨年の夏休みは宿題もスムーズに進み、釣りや映画、室内アスレチック施設など子どもが遊びたかったことも全てできました。
 

その3. 計画通りに進めるコツは「決定権を子どもに」

計画倒れにならない学習計画をつくって、おうち学習を順調に進めるために大切なことは、子ども自身が決めることです。
 

やることリストを最初に子どもが書く理由は、決定権は子どもにあることと、子どもを尊重していることを実感させるためです。
 

「子どもが決めた」ことを親が認めることで、子どもを一人の人間として尊重することにつながります。親に認められていると子どもが感じたら、子どもは自信がつくでしょう。自己肯定感や親子の信頼関係にも好影響が期待できます。
 

また、自分で決めた学習計画なので主体性がめばえ、子どもは自然と守りたくなります。スケジュール表を書く時も、子どもがスケジュールを決めて、親はサポートに徹します。
 

「手間がかかる計算ドリルと自由研究を前半では手をつけないの?」

「後半に計算ドリルと自由研究を一気にやるって、苦手なものばかりを残して!!」
 

といった小言もグッと我慢です。
 

その4. 親の意見は「アイ(I)メッセージ」で提案

決めるのは子どもでも、親だってアドバイスはしたいですね。そんな時は、選択肢の一つになるようにアドバイスを伝えましょう。子どもに助けを求められた時も、「こんな方法もあるよ」と提案の形にします。選択肢の中から選んで決めるのは、子どもです。
 

親がアドバイスする時は、アイ(I)メッセージにします。アイメッセージとは、「私(親)は、計算ドリルと自由研究を、前半から始めたほうががいいと思うよ」と、私を主語にして伝えることです。
 

同じことをユー(You)メッセージで伝えると、「計算ドリルと自由研究を、前半から始めなさい」と変わります。抜けているの主語を補うと、「(子どもは)計算ドリルと自由研究を、前半から始めなさい」です。
 

命令調で反発しやすいユーメッセージよりも、アイメッセージは受け入れやすく伝えることができます。
 

「計算ドリルと自由研究を前半から始めるか」

「後半で一気にやるか」
 

決めるのは子どもです。「後半で一気にやる」と決めて、休みが終わる間際に苦労しても仕方がないと割り切ります。自分で決めるということは、結果も引き受けることまで含めてだと子どもに理解してもらうチャンスになります。子どもが自分で決めた結果を引き受けることは、子どもの成長や自立につながるでしょう。
 

どうしてもアドバイスしたい時は、「苦手なものを一気にやるのでは後半が大変になりそうだと、お母さんは心配だよ」と、アイメッセージにしましょう。
 

その5. ゆとりと達成感がある学習計画にしよう

宿題が終わらなかったら親も巻き込まれて苦労しがちなので、できれば避けたいですね。計画通りに進まないものとあらかじめ考えて、学習計画はたくさんの予備日や見直しのチャンスも設けて、ゆとりのあるものにしましょう。
 

やることリストとスケジュール表をよく見る場所に貼って進行状況をチェックして、計画が遅れていたらすぐにリカバリーします。終了した項目は、レ点(チェックマーク)で消していくことで達成感も味わえます。
 

長期戦が予想される新型コロナウイルスとの闘いで、学習における家庭の役割はますます高まると思われます。子どもが学習計画を決められるように上手にサポートして、親子バトルが少なく、おうち時間が楽しく過ごせるようにしましょう。

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