新人王の可能性も十分な期待の若手選手たち
コロナウイルスの影響で開幕が遅れている今季のプロ野球。不測の事態に備えて、一軍の試合に出場可能な出場選手登録の枠を、従来の29人から40人程度まで広げる案も浮上してきました。
苦肉の策とも言える特例ですが、不謹慎を承知で言えば、一軍の試合に出場できるチャンスが増えるので若手にとってはチャンスが広がるといえる施策。
特に今季は、新人王受賞の資格(支配下登録5年目以内&一軍での打席数60打席以内 or 登板イニング30イニング以内)を持つ2年目~5年目の若手に有望株が目白押し。そこで、注目の若手をそれぞれフィーチャーしていきましょう。
2020年注目若手その1:戸郷翔征(巨人)
昨季、5年ぶりにリーグ優勝を果たしたものの最多勝を獲得した山口俊がメジャーに移籍したことで先発投手陣に不安を抱える巨人。その中で新たなエース候補として昨季後半から脚光を浴びているのがプロ入り2年目となる戸郷翔征です。
プロ入り1年目の昨季は二軍で4勝1敗の好成績を収めると9月21日には一軍昇格して、同日に開催されたDeNA戦でプロ初登板・先発の鮮烈デビューを飾りました。
ちなみにこの日、巨人は勝てばリーグ優勝という大事な試合でしたが、戸郷は4回2/3を投げて2失点とゲームを作り、見事にチームを勝利へと導きました。スリークォーターのフォームから最速154キロの直球を投げる本格派の投球で、今季はローテーション定着&2桁勝利を狙います。
2020年注目若手その2:リチャード(ソフトバンク)
一見すると外国人選手のようですが……実は今季のソフトバンクで最も注目を集める若手と言っても過言ではないでしょう。育成選手としてプロ入りしたため、一軍出場はゼロ、二軍でも昨季は打率.077とイマイチでしたが、昨オフに台湾で行われたアジア・ウィンターリーグで本塁打王に輝く活躍を見せ、一気に注目を集めました。
今季は一軍キャンプに帯同し、練習試合にも積極的に出場。3月15日に開催された広島戦では今季の新人王有力候補と称される大物新人の森下暢仁から本塁打を放つなど、その長打力を遺憾なく発揮し、ついに支配下登録選手の座を射止めました。
ソフトバンクは主力選手の高齢化が進み若手が食い込む余地があるだけに、開幕後の活躍いかんでは主軸を担っているかもしれません。
2020年注目若手その3:伊藤裕季也(DeNA)
長年チームを引っ張ってきた筒香嘉智がメジャーへ移籍し、新たなスラッガー誕生が求められるDeNA。キャプテンの座を引き継いだ佐野恵太らが注目を集めていますが、長打力の高さで話題になっているのが今季2年目となる伊藤裕季也です。
ルーキーイヤーの昨季はオープン戦で全力疾走を怠ったことでの懲罰交代のマイナスイメージが先行しましたが、夏場に一軍に登録され8月10日の中日戦でスタメン出場を果たすといきなり2打席連続本塁打という離れ業を見せました。
DeNAのセカンドは現在空きポジションとなっているので、レギュラー獲得できれば一気に主軸選手の仲間入りを果たすことになるでしょう。筒香嘉智に似た打撃フォームにも注目です。
2020年注目若手その4:齋藤友貴哉(阪神)
阪神の救援投手陣と言えばクローザーを務める藤川球児をはじめベテラン揃い。その中に新風を起こしそうなのが、昨季「子持ちルーキー」として注目された齋藤友貴哉です。
高校→大学→社会人野球という経歴から即戦力として期待されましたが、昨季の一軍登板はわずか1試合2イニングだけという結果に。しかし二軍では最速153キロの直球と多彩な変化球でリリーフ陣の一角を担い、チーム最多の8セーブを記録。
さらに一流選手の登竜門でもあるフレッシュオールスターゲームにも出場しています。今季はブルペンに定着し、登板機会を増やすことで首脳陣の信頼を勝ち取るシーズンになりそうです。
2020年注目若手その5: 安田尚憲(ロッテ)
最後に挙げる安田尚憲は高校野球フリークならよく知る人物のはず。というのも履正社高校時代は通算65本塁打を記録し同学年の清宮幸太郎(日本ハム)とともに並び称されたスラッガー。ドラフト会議では3球団競合の末にロッテへ入団することになりましたが、プロ入り1年目は17試合の出場、そして2年目には一軍出場ゼロとイマイチな成績でした。
しかし昨季は経験を積むために二軍戦に専念。常時4番打者としてプレーして19本塁打、82打点とイースタンリーグの2冠を達成。3年目となる今季は一軍定着、そしてチームに足りなかったスラッガーとして長打を求められます。
今年もプロ野球から目が離せない!?
いかがでしたか? 今年のプロ野球は2年目から5年目の若手で注目株の選手が多くいることから新たなスター選手が生まれる可能性が非常に高いと言えるでしょう。
シーズンが開幕した暁には、今季もプロ野球から目が離せませんよ!