チームの浮沈のカギを握る開幕投手に注目!
延期が発表されたとはいえ、プロ野球はいよいよシーズン開幕。今季のチームの支えるキーマンである開幕投手が徐々に発表され、シーズン開幕が待ち遠しいというプロ野球ファンの方も多いのではないでしょうか?
シーズン開幕戦で毎年注目を集めるのが、開幕投手。その年のチームのキーマンともいうべき存在で、主にエース投手が担うことが多い大役。チームを勢いづけるためにも白星が欲しいところですが…各チームの歴代の開幕戦はどんな成績を残しているのでしょうか?
ミスター・開幕投手!?なメッセンジャーの成績とは
検証したのは過去10シーズン(2010年~2019年)の各チームの開幕投手と開幕戦の勝敗。まずはセ・リーグ6球団から見てみましょう。
▼セ・リーグ6球団の開幕戦成績(過去10年)
年度 | 巨人開幕投手 | 開幕戦勝敗 | DeNA開幕投手 | 開幕戦勝敗 | 阪神開幕投手 | 開幕戦勝敗 | 広島開幕投手 | 開幕戦勝敗 | 中日開幕投手 | 開幕戦勝敗 | ヤクルト開幕投手 | 開幕戦勝敗 |
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2010年 | 内海哲也 | ○ | ランドルフ | × | 安藤優也 | ○ | 前田健太 | ○ | 吉見一起 | × | 石川雅規 | × |
2011年 | 東野峻 | ○ | 山本省吾 | ○ | 能見篤史 | ○ | 前田健太 | × | ネルソン | × | 石川雅規 | × |
2012年 | 内海哲也 | × | 高崎健太郎 | △ | 能見篤史 | △ | 前田健太 | × | 吉見一起 | ○ | 石川雅規 | ○ |
2013年 | 宮國椋丞 | ○ | 藤井秀悟 | ○ | メッセンジャー | ○ | バリントン | × | 吉見一起 | × | 館山昌平 | × |
2014年 | 菅野智之 | ○ | 三嶋一輝 | × | 能見篤史 | × | 前田健太 | ○ | 川上憲伸 | × | 小川泰弘 | ○ |
2015年 | 菅野智之 | ○ | 久保康友 | × | メッセンジャー | ○ | 前田健太 | × | 山井大介 | × | 小川泰弘 | ○ |
2016年 | 菅野智之 | ○ | 井納正一 | ○ | メッセンジャー | × | ジョンソン | × | 大野雄大 | ○ | 小川泰弘 | × |
2017年 | マイコラス | ○ | 石田健太 | × | メッセンジャー | ○ | ジョンソン | × | 大野雄大 | × | 石川雅規 | ○ |
2018年 | 菅野智之 | × | 石田健太 | × | メッセンジャー | ○ | 野村祐輔 | ○ | 小笠原慎之介 | × | ブキャナン | ○ |
2019年 | 菅野智之 | × | 今永昇太 | ○ | メッセンジャー | ○ | 大瀬良大地 | ○ | 笠原祥太郎 | × | 小川泰弘 | × |
勝敗 | 7勝3敗 | 4勝5敗1分 | 7勝2敗1分 | 4勝6敗 | 2勝8敗 | 5勝5敗 |
セ・リーグの投手で過去10年、最も開幕投手として起用されていたのはメッセンジャー。昨季限りで現役を退きましたが、開幕投手として6度登板して、そのときの試合成績は5勝1敗(自身は3勝1敗)という好成績を残しています。しかし、開幕戦での通算防御率3.11は自身の通算防御率3.13とほぼ変わりませんでした。これを見ると、開幕戦になると打線が奮起している様子がうかがえます。
ちなみに阪神の今季の開幕投手は西勇輝を予定。開幕投手は自身2度目で、オリックス時代に登板した2018年は8回2失点と好投したものの、打線の援護に恵まれずに敗れているだけに今回は例年奮起してきた阪神打線が西の投球をアシストするかが注目ポイントと言えるでしょう。
また、面白いのが同年のペナント1位チームは開幕戦で4勝6敗と負け越している点。これを見ると開幕戦で負けたからと言って、ガッカリする必要はなさそうです。
V4狙うソフトバンクは開幕戦がカギに!?
続いてパ・リーグの過去10年の開幕投手の成績を見てみましょう。
▼パ・リーグ6球団の開幕戦成績(過去10年)
年度 | 西武開幕投手 | 開幕戦勝敗 | ソフトバンク開幕投手 | 開幕戦勝敗 | 楽天開幕投手 | 開幕戦勝敗 | ロッテ開幕投手 | 開幕戦勝敗 | 日本ハム開幕投手 | 開幕戦勝敗 | オリックス開幕投手 | 開幕戦勝敗 |
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2010年 | 涌井秀章 | ○ | 杉内俊哉 | ○ | 岩隈久志 | × | 成瀬善久 | × | ダルビッシュ有 | × | 金子千尋 | ○ |
2011年 | 涌井秀章 | ○ | 和田毅 | △ | 岩隈久志 | ○ | 成瀬善久 | × | ダルビッシュ有 | × | 木佐貫洋 | △ |
2012年 | 涌井秀章 | × | 摂津正 | ○ | 田中将大 | × | 成瀬善久 | ○ | 斎藤佑樹 | ○ | フィガロ | × |
2013年 | 岸孝之 | × | 摂津正 | ○ | 則本昂大 | × | 成瀬善久 | ○ | 武田勝 | ○ | 金子千尋 | × |
2014年 | 岸孝之 | × | 摂津正 | ○ | 則本昂大 | ○ | 成瀬善久 | × | 吉川光夫 | ○ | 金子千尋 | × |
2015年 | 牧田和久 | ○ | 摂津正 | × | 則本昂大 | × | 涌井秀章 | ○ | 大谷翔平 | ○ | ディクソン | × |
2016年 | 菊池雄星 | ○ | 摂津正 | × | 則本昂大 | ○ | 涌井秀章 | ○ | 大谷翔平 | × | 金子千尋 | × |
2017年 | 菊池雄星 | ○ | 和田毅 | ○ | 美馬学 | ○ | 涌井秀章 | × | 有原航平 | × | 金子千尋 | × |
2018年 | 菊池雄星 | ○ | 千賀滉大 | ○ | 則本昂大 | ○ | 涌井秀章 | × | ロドリゲス | × | 西勇輝 | × |
2019年 | 多和田真三郎 | × | 千賀滉大 | ○ | 岸孝之 | × | 石川歩 | ○ | 上沢直之 | ○ | 山岡泰輔 | × |
勝敗 | 6勝4敗 | 7勝2敗1分 | 5勝5敗 | 5勝5敗 | 5勝5敗 | 1勝8敗1分 |
ダルビッシュ有、菊池雄星、田中将大など後のメジャーリーガーが名を連ねるなど、豪華な顔ぶれとなっている開幕投手ですが、勝率ベストを叩き出したのはソフトバンク。摂津正が5年連続で開幕投手となったほかに和田毅や杉内俊哉など当時のエースが起用されるケースが目立ちます。中でもここ2年は千賀滉大がその大役を務め、2勝0敗という好成績をマークしています。今季は故障のため、東浜巨がその大役を担うことになりそうですが…果たしてどんな投球を見せるか注目です。
ちなみにセ・リーグのペナント1位チームは開幕戦で敗れるケースが目立ちましたが、パ・リーグの場合は5勝4敗1分と勝ち越し、日本一に輝いた9チームで見ても4勝4敗1分と勝率5割をキープしています。ただし、日本一チームの4勝1分はいずれもソフトバンクによるものでした。
つまり、ソフトバンクを除く5チームは開幕戦黒星スタートでも気にする必要はなさそうですが、ソフトバンクは開幕戦から勝利が日本一へ向けての至上命題。逆に言えば開幕戦でソフトバンクが勝利することができれば日本一への確率はぐっと上がることになります。
そんなソフトバンクの開幕戦の対戦相手は昨季8勝17敗と苦手としたロッテ。難敵相手にどう戦うかがポイントです。