西武史上初!?のカタカナ外国人投手が開幕投手に
プロ野球もいよいよ開幕間近。今季のチームの支えるキーマンである開幕投手が徐々に発表されていますが、リーグ3連覇を目指す西武はその大役を昨季の勝ち頭、ザック・ニールに任せることになりました。
昨季の多和田真三郎をはじめ、菊池雄星や松坂大輔など西武は本格派のエース投手が開幕投手を務めることが多く、外国人投手の開幕投手は95年の郭泰源以来25年ぶり、そしてカタカナ表記の外国人投手が開幕投手となるのはなんと球団史上初のこと。前身球団である西鉄ライオンズ時代にもなかったことなので、まさに歴史的快挙と言えるでしょう。
そんなニールが務めることになった開幕投手ですが、基本的には日本人投手が選ばれることが多いので、12球団全体を見渡してもかなりのレアケースですが……果たして過去に外国人投手が開幕投手を務めた場合、どんな成績を収めていたのでしょうか?
Aクラス入りにはクオリティスタートが欠かせない!?
検証したのは過去10シーズン(2010年~2019年)に外国人投手が開幕投手を務めた際の内容とその勝敗。並びにチームのシーズン順位もまとめてみました。調べたところ、過去10年で外国人投手が開幕投手を務めたケースは延べ16例ありました。
年度 | 選手名(球団名) | 開幕戦成績 | 勝敗 | チーム順位 |
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2010年 | ランドルフ(横浜) | 4回5失点 | 負け | 6位 |
2011年 | ネルソン(中日) | 6回4失点 | 負け(自身に勝敗はつかず) | 1位 |
2012年 | フィガロ(オリックス) | 5回3失点 | 負け | 6位 |
2013年 | メッセンジャー(阪神) | 6回3失点 | 勝ち | 2位 |
バリントン(広島) | 6回2/3 4失点 | 負け | 3位 | |
2015年 | メッセンジャー(阪神) | 6回3失点 | 勝ち(自身に勝敗はつかず) | 3位 |
ディクソン(オリックス) | 7回1失点 | 負け | 5位 | |
2016年 | メッセンジャー(阪神) | 6回2/3 3失点 | 負け | 4位 |
ジョンソン(広島) | 8回2失点 | 負け | 1位 | |
2017年 | メッセンジャー(阪神) | 5回2失点 | 勝ち | 2位 |
マイコラス(巨人) | 7回1失点 | 勝ち | 4位 | |
ジョンソン(広島) | 3回2/3 5失点 | 負け | 1位 | |
2018年 | メッセンジャー(阪神) | 7回1失点 | 勝ち | 6位 |
ブキャナン(ヤクルト) | 6回1失点 | 勝ち | 2位 | |
ロドリゲス(日本ハム) | 2回1/3 8失点 | 負け | 3位 | |
2019年 | メッセンジャー(阪神) | 7回1失点 | 勝ち(自身に勝敗はつかず) | 3位 |
延べ16人の成績を合わせると、チームの開幕戦成績は7勝9敗、防御率は4.53と散々なもの。開幕戦での成績がチーム順位にも直結するようで、シーズンで2位以上に入ったチームの開幕戦成績は3勝3敗、防御率4.41といずれも全体よりも良化します。
この中で打ち込まれたのは2017年のジョンソンのみ。それを除けば防御率はさらに1点以上下がります。さらにこの年のジョンソンを除くとみな5回以上を投げてゲームを作っていることが伺えます。
つまり、西武のリーグ3連覇のためには開幕投手が務めるニールが5回以上を投げて、3失点以内に抑えることが絶対条件と言えるでしょう。
昨季の後半戦はクオリティスタート(6回3失点以内)率が90%を超えたニールからしたら決して難しくないハードルに思えますが……果たしてニールは開幕戦でどんな投球を見せるのでしょうか?