称賛の声が相次ぐなかで…
「中居クン」こと中居正広さん(47)が2月21日に行った記者会見で、現在所属しているジャニーズ事務所を3月いっぱいで退所し、『のんびりな会』なる個人事務所を設立する旨を発表。事務所幹部やら弁護士さんやらの、我々視聴者からすれば謎の人物でしかない“取り巻き”を引き連れることなく、約2時間の会見をたった一人で仕切り、会場に会見開始前から登場して報道陣を出迎えては笑いを誘うトークや寸劇で記者陣を和ませて、「芸能史上初の会見」「さすが国民的エンターテイナー」……など、おおよそ称賛の声が相次いでいます。
そして、今年に入ったころから中居さんだけじゃなく他の元SMAPメンバーも、各人がそれぞれ本格的に大きな動きを見せはじめ、今後の動向から目が離せなくなってきました。
円満退所、そして“これから”は◯◯か?
従来的に、芸能の世界ではなかなか「(所属事務所からの)円満退所はむずかしい」とされるなか、中居さんは豊富な人脈と周到な前準備が功を奏してか、その“稀なケース”で新しい第一歩を踏み出すことに、とりあえずは成功したようです。しかし、「新しいチャレンジ」という名の“自由”を得た代償として、芸能界では随一の影響力を誇る「ジャニーズ帝国」のバックを失ったわけで、(円満退所なだけに、さすがに干されるようなことはなさそうですが)そのダメージは後々じわじわと効いてくるのでは……と。
ぼくが考えるに、中居さんの現状を漢字二文字で表すなら「維持」といったところでしょうか。いやいや、ジャニーズのような大手の事務所を辞めて、そのまま芸能のお仕事を「維持」できるなんて、生半可な所業じゃありませんから。「国民的エンターテイナー」の底力、凄味をあらためて知らしめされる一件でありました。
「新しい地図」の3人に訪れた潮目
一方、やはり元SMAPで「ジャニーズを先に辞めちゃった3人組」──草なぎ剛さん(45)(※「草なぎ」の「なぎ」は弓ヘンに「前」の旧字の下に「刀」)・稲垣吾郎さん(46)・香取慎吾さん(43)は、いまだ「メディアの王様」の座を固守する“テレビ”への復帰には、かなり手こずっている印象です。
今年に入るまでは、ジャニーズ事務所の手が比較的届きづらいインターネットメディアを中心に活動していたのが、昨年の大晦日に放送されたガキ使の『絶対笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』に、3人揃って“笑いの刺客”として登場したあたりから、あきらかに潮目が変わりました。個人的には、草なぎさんの村西監督は「ビミョー」、香取さんのパンチラは「シュールすぎ」、稲垣さんのイチモツは「最後の股間風船がなければ一番面白かった」……ってのが率直なジャッジだったりするんですけど(笑)、全員が全員「吹っ切れていた」という意味では、異様な迫力をかもし出していたことに間違いはない。
香取さんは2月1日に放送された『欽ちゃんの仮装大賞』(日本テレビ系)にもちゃんと出演していたし、他の2人だって最近は地上波でもチラホラ見かけますし……。漢字二文字で表すなら「開拓」といったところなのかもしれません。
気になる、木村拓哉のこれから……
さて。最後に残ったのが「キムタク」こと木村拓哉さん(47)。一部メディアが「ジャニーズの幹部候補生」みたいな推測を報じていますが、我々視聴者からすれば、そんなことはどーだっていいです。木村さん本人も(おそらく)まだ演者としての色気はたっぷり残っている様子で、視聴率こそ大きく振るわなかったもののなかなかに好評を博した昨年の連続ドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)、それに、初の白髪で警察学校の教官を演じた年始2話放送のスペシャルドラマ『教場』(フジテレビ系)……など、役者としての新境地を。さらには、ソロアルバムをリリースしたりと、地道でこそあれ「アイドル(?)」から「イケオジ」への路線変更を着々と進めている……風に、ぼくには見えます。
さっき「まだ演者としての色気はたっぷり残っている様子」と書いたばかりではありますが、そうした“途上”のなかでも最近の木村さんを見ていると、自身の「老い」を積極的に受け入れようとしているフシはなくもありません。いわゆる「何を演じてもキムタクになってしまう」と揶揄されがちだった“肩の力”が徐々に抜けはじめ、演技のカドが取れてきた……。唯一の「ジャニーズ残留メンバー」であることを省いても、ぼくが元SMAPのなかで、今もっとも安定感を感じるのは木村さんです。漢字二文字で表現するなら「達観」が適切……なのでは? ただし、本来この「達観」が一番似合うのは、ジャニーズ退所を発表する前の中居クンだったんですけどね……(笑)。