記録達成はほぼ確定。気になるのは……
今年もプロ野球のシーズン開幕まであとわずか。選手はもちろん、ファンも盛り上がりを見せてくる時期ですが、気になるのが通算勝利や本塁打数などの選手たちの記録。今年も多くの選手が達成間近に迫っていますが、その中でも最も注目を集めているのが坂本勇人です。
プロ入り2年目の2008年にレギュラーを奪取して以来、不動のショートとして定着。華麗な守備はもちろん、2016年には首位打者を獲得するなど、打撃面でも抜群。巨人どころかプロ野球史上最高のショートとも呼び声高い名選手となった坂本ですが、プロ入り13年間で積み上げた安打数は1884本。プロ野球界の金字塔である通算2000本安打まで残すところあと116本となりました。
坂本はプロ入り以来、シーズン100安打以下に終わったことがないだけに今季中に達成することはほぼ当確。むしろ気になるのは達成する時期と言っても過言ではないでしょう。
一流打者の証とされる通算2000本安打ですが、1950年以降で達成したのは59人(日米通算含む)。
中でも最速記録となっているのは2004年に達成したイチローの30歳6ヵ月。現時点で31歳の坂本はこの記録には届きませんが、NPB限定の記録は1968年に榎本喜八が31歳7ヵ月。こちらにはまだ記録更新の芽が残っています。
果たして坂本は達成することができるのでしょうか……? ということで、これまでの坂本の安打ペースをもとにして、調べてみました。
日付を見たら微妙も……特殊日程が功を奏す!?
調べたのは過去5年の坂本のシーズン116安打目が出た日付とシーズン試合数。これまでの坂本の成績を見てみると、規定打席に到達した12シーズンで打率3割到達は半数以下の5回と打撃面では意外と波がありました。
しかし、そのうち3回は打撃スイングを見直して首位打者を獲得した2016年以降に集中しています。言うなれば、打撃面でベストの時期と言っても過言ではないでしょう。
▼坂本勇人の年度別安打ペース(過去5年)
年度 | 打率 | シーズン安打数 | シーズン116本安打到達日 | チーム試合数 | 対戦相手 |
---|---|---|---|---|---|
2015年 | .269 | 129本 | 9月13日 | 129試合目 | DeNA |
2016年 | .344 | 168本 | 8月6日 | 99試合目 | 広島 |
2017年 | .291 | 157本 | 7月30日 | 93試合目 | DeNA |
2018年 | .345 | 152本 | 8月30日 | 121試合目 | 広島 |
2019年 | .312 | 173本 | 7月30日 | 93試合目 | 広島 |
調べてみると、シーズン116安打目は最速でも7月30日。坂本は12月14日生まれなのでこれまで通りのペースではやや厳しそうな感じがしますが……試合数に注目すると逆転の目があります。
というのも、今季のプロ野球は東京オリンピック開催のため試合日程が前倒しになり、シーズン開幕は例年よりも1週間近く早い3月20日。そして東京オリンピック開催期間はシーズンそのものが休止になるため、巨人は7月18日で前半戦を終えます。
この日までに巨人はシーズン99試合を消化。そして坂本のシーズン116安打達成日の最速となっている93試合目は今季の場合、誕生月が変わる14日まで3日を残す7月11日のヤクルト戦(東京ドーム)。この日が記録達成のXデーと言えるでしょう。週末のホームゲームなのでチケットの確保が難しそうですが、記録達成を現地で見たい方は是非チェックしてみてください。
その一方、今季はシーズン開幕日自体が速いため、坂本の安打ペースが例年よりもさらに上がるのでは?という期待もあります。
というのも坂本は首位打者を獲得した2016年以降、3月4月(1ヵ月分でカウント)の成績が異常に良く、4年とも月間安打数は30本を超え、打率は.320というハイアベレージ。春先からエンジン全開でプレーできる選手なので、シーズン開幕が早まる今季はさらにペースを上げるかもしれません。
果たして坂本勇人は通算2000本安打の達成はもちろん、NPB史上最速記録も更新できるのか……今季はその打席から目が離せません!