「扶養の範囲内」を考えないで働くほうがいい理由

子どもの成長や家計の変化に伴い、「扶養の範囲内で働くのか?」「それとも正社員になって収入アップを図るのか?」「そもそも、どっちが得なのか?」と相談を受けることが少なくありません。実際はどうなのでしょうか。

子どもの成長や家計の変化に伴い、「扶養の範囲内で働くのか?」「それとも正社員になって収入アップを図るのか?」「そもそも、どっちが得なのか?」と相談を受けることが少なくありません。
 

しかし、もし働ける状況があって、その仕事が好きならば、「扶養の範囲内」を考えないで積極的に働き収入アップし、女性も経済的に自立してほしいものです。
 

共働きで継続的な世帯収入アップを図る必要性

損得を考えると、夫の配偶者控除や勤務先での配偶者手当などがあると、103万円以内の方がお得に感じるかもしれません。また、これまで130万円以内で働いていた場合、150万円以上働かなければ、社会保険料の負担が増える分、手取りは減るので、損した気分になるでしょう。
 

しかし、税金や社会保険料の負担分がもったいないからという理由で収入を抑えても、世帯収入が増えなければ、マイホーム取得・教育費・老後資金の三大資金に備えることはとても難しい状況です。


三大資金に備えることが難しい理由は以下の3つです。


1. 新築の持ち家思考は依然として高いから
2. 教育費にかかる費用は毎年増加しているから
3. 寿命が延びて、老後資金の確保がより重要になったらから


つまり、収入の伸びはイマイチなのに、支出面は増加傾向であるため、住宅ローンと教育費が重なる40~50代は家計が苦しく、老後資金の準備にお金が回せません。夫婦共働きで世帯収入を増やしていかなければ、収支のバランスが崩れていくということです。


夫の収入だけで生活できていた「昭和」とは違い、夫の収入がなかな上がらない今、妻自身も「毎月の安定収入&毎年の昇給」は欠かせません。
 

特に「教育費」では中学受験者数は増加傾向にあり、大学だけではなく、小学4年生頃から教育費の負担が増えてきます。また、人生100年時代と呼ばれる今、「老後資金」を現役時代に確保していくためには、教育費のかかる30・40代だけパートに出る、というような「昭和」な働き方では難しいでしょう。
 

そう考えると、妻も「働き続けること」「収入を増やしていくこと」はとても重要になります。
 

社会保険の魅力

正社員になり社会保険料を納めるようになれば、「厚生年金」も受け取れるようになるので、老後の年金受給額が増えます。また、社会保険に加入するので、「傷病手当金」のように、病気やケガで仕事を長期間休んでも収入が補償されます(傷病手当金:会社員の場合、病気やケガで仕事を休業した場合、4日目からは社会保険から報酬日額の2/3が支給される制度。支給を開始した日から最長1年半まで受けられる)。
 

このように、長期目線で考えれば、社会保険料を払うことは必ずしも損ではありません。
 

仕事にやりがいを感じれば家計も人生も豊かになる

働き続ければ結果的にキャリアアップし、会社や世の中から求められる人材となり、自然と収入が増えてきて、「扶養の範囲内」に留まることは難しくなります。特に30代半ばになってくると、キャリアを認められパートから正社員になってもらえないかと、会社の方から求められることが最近増えているように思えます。


これまで、「家計の足し」にと、お金のために働いてきたつもりでも、自分自身が「会社や世の中の役に立つ」と気付くことができるようになると、仕事に「やりがい」や「生きがい」を感じられるようになります。さらに、働くこと自体に喜びを見出せれば、人生が豊かになります。
 

収入が増えれば人生の選択肢が増えます。また会社や世の中の役に立てる自分を見付けることができれば、夫や家族に依存せずに良い距離感を持つことができます。
 

扶養の範囲内から飛び出し経済的に自立した女性になることで、妻・母という役割だけではなく、一人の女性として輝けるのではないでしょうか。
 

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