夫婦にとって愛の証となる「子ども」が欲しいために始めたはずの不妊治療が原因で、夫婦仲に亀裂が入り、離婚してしまう夫婦が増加しています。なかには、理解不能な感覚を持ったご主人に苦しめられてしまった女性も……。

38歳。ガケっぷちに立たされた妻の苦悩

友人が開いた合コンでご主人と出会い、お互いに好きなお酒が一緒だったことから意気投合。1年の交際期間を経て33歳のときに結婚した、福岡県在住の早川十紀子さん(仮名・38歳)。結婚すれば子どもなんてそのうちできるだろう。そう考えているうちに35歳になり、さすがに焦って不妊治療を始めたといいます。
 


「まずは私だけが検査を受けたところ、大きな問題はナシ。夫は検査を嫌がったので、お医者さんと相談して、まだ30代前半だったので、最初の1年はタイミング法で様子を見てみようってことになりました。しかし結果は出ず。夫にも検査を受けてほしいと頼みましたが、答えはやはりNO。仕方なく、自分でできることをやろうと思い、卵巣に刺激を与える治療を行うことになったんです。でも、2年目に入ってから、夫が治療に協力してくれなくなってしまって……」
 


ご主人から「不妊治療って、本当に必要なの? 俺は種馬じゃないんだから、この日が排卵日だからこの日にSEXしようって言われても、その気になれない」と言われてしまい、愕然としたという十紀子さん。不妊治療を諦めようか。でも、子どもは欲しい。不安を感じた十紀子さんは、ご主人に対し、不妊治療の必要性をこんこんと説くようになってしまったといいます。
 

「それが夫には辛かったのかもしれません。ある夜、帰宅した夫のスーツから、なんていうか、甘い香水のようなにおいがしたんです。生理前でにおいに敏感だったために気付いたんですが、おかしいな?と思っていると、夫の会社にいる友人から『あなたのご主人、会社の新入社員の女の子と不自然にふたりきりになっているわよ』って言われて……」
 

浮気が発覚、夫の逆ギレが思わぬ方向に!?

十紀子さんと結婚した後、十紀子さんの実家が経営する会社に入り、後継者としての教育を受けながら働いていたというご主人。そのため、会社には十紀子さんのことを知っていて、懇意にしている社員がたくさんいる状態。そんな環境から聞こえてきた夫の不倫疑惑に、十紀子さんもはじめは「まさか!」と思ったそう。
 

「会社の友人からの情報と、夫が不自然な行動をとっていた日を重ね合わせていくうちに、本当に浮気をしているのでは?と思うようになりました。身体の関係を持っているかまではわからなかったのですが、人目もはばからず、営業中に腕を組んで歩いたり、毎日のようにふたりきりでランチに出掛けていたり。そしてある晩、夫が顔面蒼白で帰宅したんですよ。ゾンビみたいな顔色だったので『どうしたの?』って声をかけたら『会社の女の子と浮気をしてしまった。2回しかしてないのに、その子が妊娠したと言っている! どうしよう!』……ですって(笑)。
 

しかも夫が言うには、『アイツは、俺の妻が会社の社長の娘であることを承知の上で身体の関係を持った! それなのに妊娠するなんて、アイツが全面的に悪い! 俺は騙されていただけ! 俺は悪くない!』って……呆れて何も言えませんでした」
 

幼稚な夫に「ないわ、この人」と思った瞬間

「自分がしでかしてしまったことなのだから、自分で責任を取る以外にないでしょう? 私と離婚し、責任をとって彼女と結婚すればいい」と、ケンモホロロに突き放したという十紀子さん。しかしご主人は十紀子さんと離婚する気がまるでなかったようで、その後、相手の女性に対し「おろせ!」と迫ったのだとか。
 

「それを聞いた瞬間、『あ、ないわ、この人』って、それまであった愛情がすべて枯渇しました。まさか自分の夫が、自分が種を蒔いたにもかかわらず、「俺は悪くない、相手だけが悪い」なんて、幼稚園レベルの理論を展開するとは思ってもいませんでしたから。
 

今思えば、子どもっぽいところはあったんです。『男の浮気は甲斐性だよな? 女の浮気は絶対許されないけどサ』なんて、笑って言ってたこともありましたし。何言ってるんだ?って話ですよね。不妊治療をしても子どもができなかったのは、今回のことの予兆だったのかもしれません。アイツの子どもは生まないほうがいいぞ、って。神様がきっと、仕向けてくれたんだと思っています」
 

正式に弁護士を入れ、離婚協議に入っている十紀子さん。ご主人は離婚したくないとゴネにゴネているようですが、発覚から半年経った今でも、ご主人からの「不倫してごめん!」という詫びの言葉はただのひとつもないといいます。
 

不妊治療から浮気へ発展してしまった、今回のケース。しかし……ご主人の本性が見えたことは、不幸中の幸いと言えるのではないでしょうか。心身ともに疲弊する不妊治療は、夫と妻、お互いのリアルを映し出してしまう、現代の“魔法の鏡”なのかもしれません。