10年間も第一線で活躍できる理由

今日の“お客さま”(?)は芸能人ではなく、アダルトビデオの世界で「現役」として活躍し、安定的に殿方から絶大なる支持を得ている、一人の「AV女優」です。いや、最近は多業種タレントによって2008年に結成されたアイドルグループ『恵比寿マスカッツ』のメンバーとして、地上波でもよく顔を見かけるので、広義には「芸能人」と括っても問題ないのかもしれません。
 

友田彩也香──1988年生まれの31歳。初めてのAV出演は2009年で、去年に「デビュー10周年」を迎えました。出演本数は約800本。名前の出ない“素人モノ”も含めれば、その総数はじつに1000本近くにもおよぶのだそう。
 

ひと言で「デビュー10周年」と申しましても、一説には「年間2000人もの女優が日本でデビューし、そのほぼ同数が引退。現在は6000〜1万人の女優が実在する」ともされており、従来のアイドル以上にユーザーが“若い子”にすぐ流れてしまいがちなAV業界において、10年間も第一線にとどまり続けるのは並大抵のことじゃありません。
 

一体なぜ、友田さんは「AV界のイチロー」と称しても差し支えないほどの偉業を果たし、今なお失速もせず魅力的な女性であり続けることができるのか? ご本人へのインタビューも交えながら、その秘密に迫ってみました。
 

1. 悩む前にまず動く

──AV業界に入るきっかけは?

友田:高校卒業後、たまたま街を歩いているときにスカウトされました。
 

──そのころは、なにをやっていたのでしょう?

友田:アルバイトです。飲食店やコンビニで。なんとなくお金を貯めたかったんですよ。あと、小学校から高校までは部活、バドミントンしかやっていなかったから、それ以外の世界も見てみたくて……。
 

──AVに対する抵抗感は?

友田:とくになかった。ただ、アダルトビデオというものをほとんど観たことがなかったので、「知らない」ってことに対する不安はありました。
 

──抵抗がなかった!? 普通はあると思うのですが?

友田:じつは普通のタレント事務所さんからもいくらか声を掛けてもらってはいたんですけど、そのスカウトさんは、かなりじっくりと丁寧に説明してくださったので……。
 

──じゃあ、仮に最初に友田さんに声を掛けたスカウトさんが別の人だったら、アイドルになっていた可能性も?

友田:ですね。「説明」が雑な感じだったら、この世界にはいなかったんじゃないかな(笑)?
 

当時、なんとなく「人前に出る仕事には興味があった」という友田さん。せっかくの“チャンス”が眼前にぶら下がっているのに、そこで「どうしようかな……」と立ち止まってしまったら、自分でも気づかないうちに大きな“転換期”を逃してしまうことも……。悩むのならば、とにかく動いてみる行動力、そのスピリッツは、どんな状況に置かれた場合でも大切なのではないでしょうか。
 

2. 自分がいる環境を好きになる努力をする

──10年間続けることができたモチベーションとは?

友田:う〜ん。仕事が好きで、気づいていたら10年経っていた……そんな感じです。
 

──AVのお仕事のどこが好きなんですか?

友田:もちろん、エッチも好きですけど(笑)、やはり好きなのは「仕事」、このAVの「業界」なんです。
 

──テレビ業界でもマスコミ業界でもなく、AV業界がお好き……なんですね?

友田:現場にいるスタッフさんも監督さんもメイクさんも男優さんも、みんな大好きなんですよ。けれど、いまだ世間一般では「AV業界=怖い」ってイメージが根強いじゃないですか。過去には強要の問題もあったし……。でも、そんなことはない。けっこうクリーンな業界なんですよ。

そもそも、もし業界自体が本当に「ヤバイ」って雰囲気だったら楽しくなくて、私もここまで長くは続けられなかった。すぐやめていたと思います。
 

「継続は力なり」とはよく言いますが、仕事をはじめとする自身の生活の中心となっている実環境を「好き」に、少なくとも「嫌じゃない」と思えないと、そう簡単に「今を継続する」ことはできません。そして、ぼくの経験から語るならば、中途半端に「目指していた環境」より「なりゆきでなんとなく得てしまった環境」で、そのなかからポジティブに「好きになれる(嫌じゃない)要素」を見いだすケースのほうが、結果的には物事を長く続けられる傾向にあります。「目指していた環境」は、いざ手に入れてしまえば、あとは減点法でしかジャッジができないからです。
 

3. 向上心を“上書き”する

──単に「AV業界が好き」という理由だけで、10年間も頑張れるものなのでしょうか?

友田:最初にデビューを決めたとき、「一度やると決めた以上はやり切ったと実感できるまで絶対やめない」と、親とも約束しましたから……。
 

──AVは両親公認なわけですね?

友田:はい。しかも、10年経っても「AV女優としてまだまだだな」と思っているから、やめられない……。
 

──まだまだ……なんですか!?

友田:たしかに、デビューのとき「将来的にはアレをやりたい、コレもやりたい」と、事務所にお願いしていたことは、ほぼ実現できたかもしれませんけど……。
 

──友田さんにとっての「やり切った」とは?

友田:「売れる」ということ。もっともっと売れなきゃ……。
 

──結婚が引退のきっかけになることはあり得る?

友田:う〜ん……どうだろう? 一時期は「このヒトと結婚してもいい……って男性ができたら、辞めるのもアリかな?」とも考えてはいたんですけど、そういうヒトも現れないし……。

あらためて「仕事」と「結婚」を天秤に掛けてみたら、やっぱり断然「仕事」のほうがウェイトも高いので、引退するまでは結婚も諦めています(笑)。
 

「向上心」はやはり不可欠。しかし、目標を“夢”として途轍もなく高い位置に掲げるだけはなく、ある程度リアリティのあるゴールも細かく設定し、マメに“上書き”する作業を繰り返さなければ、いずれは息切れしてしまいます。
 

4. ブレない!

──AV撮影はどれくらいのペースで?

友田:ここ数年は専属(※現在は『FALENO』の専属女優)として活動していますので、月1本と決まっています。
 

──別段、目に見えてペースが落ちているわけでもないですよね? 一般的には『恵比寿マスカッツ』など、地上波出演が多くなってきたら、AVの露出を抑える女優さんも多いのに?

友田:私の本業はあくまでAV女優。本業がAV女優である以上、AVの仕事が最優先になるわけで、「AV女優・友田彩也香」じゃなくなれば、他の仕事も来なくなる……。だから、AVに出演することは私のなかでは欠かせないんです。
 

“本職”に副次的なモノが乗っかってきて、つい自分を見失ってしまうことは多々ある話。そんなときこそ、その都度に原点へと戻る──「ブレない頑固さ」が心強い味方となるのです。
 

5. 適度に自分を甘やかす

──フィジカルやメンタルの面で節制、ケアしていることはありますか?

友田:エステもほとんど行かないし、ご飯とかも超テキトー。自炊も苦手だし……。でも、日焼けはしたくないので、日光には極力当たらないようにしています。夏は仕事以外で昼間はあまり出歩かない。野外撮影の場合はギリギリまで帽子をかぶったり日傘をさしたり……。私、地黒なんで、体質的にすぐ焼けちゃうんですよ。撮影の前日はお酒を飲まないようにもしています。
 

──お酒は好き?

友田:人並み……かな? べつに飲めないのが辛いと感じたことはありません。
 

──睡眠時間をなるべく規則正しく取るとか?

友田:ないですね〜。朝まで起きていることもしょっちゅうあります。
 

──AV撮影以外の日はなにをしている?

友田:イベント出演、インタビュー……近ごろはマスカッツの仕事が多いかも? ライブがあって、収録があって、リリースイベントもあって……。時期によってはマスカッツでスケジュールがバーッと埋まってしまうこともあって、それ以外はだいたい家でゴロゴロしていたり、美容院に行ったり、ネイルやマッサージや整体とか……撮影の数日前になったら、美容系のケアをメインにスケジュールを組みます。
 

──ジムとかにも行かない?

友田:たまに行きますけど……1週間に何回も行くほど熱心じゃありません。
 

あまりにガチガチすぎるスケジュールを組んで“自分磨き”に励んでも、その精神的な余裕の無さは、自然と外見にも滲み出てくるものです。
 

6. 仕事を公私混同的に楽しむ

──ぶっちゃけ、撮影中はちゃんと気持ちいいんですか?

友田:気持ちいいですよ。じゃないと逆にキツイじゃないですか(笑)!
 

──周囲に人がたくさんいるなかで気持ちよくなるのって、意外と厳しい気もするのですが……。工夫とかは?

友田:そういうのはないですね。最初からあまり困った記憶はありません。男優さんってやっぱりすごいな……って(笑)。
 

──仕事で飽きてしまって、プライベートではその気になれないってAV女優や風俗嬢を何人かぼくは知っているのですが……?

友田:あくまで「別モノ」だから現時点では大丈夫です。でも、真剣に今はプライベートでの相手がまったくいないので、月に1度の撮影にすべてを注いでいる……仕事で発散できているのかも(笑)。
 

よほどの資産家でもないかぎり、我々の日常は大半の時間を“仕事”に奪われてしまいます。公私混同でも、なんでもかまわないじゃないですか。「奪われる大半の時間」に楽しさを発見することこそがストレスレスの秘訣です。
 

7. 客観的かつ冷徹な自己分析を

──ズバリ、一つのことを長く続けられるコツって?

友田:私の仕事に限定すれば、昨今可愛いとかキレイとかスタイルがイイAV女優はゴマンといますけど、そういう子たちにはない魅力だとかテクニックだとかを常に磨き続けなければダメだと思う。どんなAVが流行っているのか、どういう子がウケているのか……みたいなことを知る努力をするのは、もう当たり前。それに+αがなければダメなんです。

人に嫌われないことも大切。「また次もこの子と仕事がしたい」と思ってもらえるよう現場でも常に気を配っています。
 

──AV女優の31歳となれば、そろそろ「熟女」の看板を背負うころなのでは?

友田:おっしゃるとおりです。なのに、私って年齢のわりに熟女系の作品が少ないんですよ。
 

──なぜ?

友田:需要がない……(笑)から? 「妻感がない」ってよく言われますし。でも、これからもこの業界でやっていきたいなら、どこかのタイミングでシフトチェンジしなければ……。現在は一番微妙な時期なのかもしれません。まあ、年齢が自然にそう変えてくれるのでしょうけど。外見に加えて経験値も乗っかってくるので……。
 

──何歳まで現役でいたい?

友田:年齢ではないですね。50歳でも需要があるならやりたいですし。やり切ったな……と思ったときがやめどきなのかな?
 

真に「運動神経のいい人」とは、「自分が運動をしている最中のフォームを正確に脳内でイメージできる人」だと、どこかで聞いたことがあります。そして、こうした自己分析能力は先天的なものもありますが、かなりの部分は「他人の意見を積極的に咀嚼してみること」によって鍛えられるとも聞きます。
 

以上、友田さんからは「裏表のない率直な性格の持ち主」との好印象を受けました。もちろん、「また一緒に仕事をしたい」女性の一人であったことにも、間違いはありません。