青山学院大学の2年ぶりの優勝で幕を閉じた、2020年の箱根駅伝。4年生の戦力が充実しており、本命と目された東海大学を破っての優勝。次回大会に向けて勢力図が大きく変わる可能性があります。
そこで本稿では、次回の箱根駅伝に出場できる「下級生(1~3年生)」を多く擁している大学を一足早く分析。2021年の箱根駅伝で飛躍が期待される大学や選手を紹介します(学年は2020年1月3日現在とします)。
青山学院大学
4区区間賞の吉田祐也選手(4年)ら、今大会出走メンバー4名が卒業。しかし、年末に行われた箱根駅伝エントリーメンバー以外の部内記録会で好タイムを記録している下級生も多数見受けられ、新戦力の育成も進んでいます。また、今年の新入生も有力選手揃いとのこと。1区区間7位吉田圭太選手(3年)、2区区間5位岸本大紀選手(1年)、5区区間2位飯田貴之選手などの主力選手も多く残り、また青山学院の時代が続きそうな予感も漂う今大会でした。
東海大学
黄金世代と呼ばれた4年生、今大会出走メンバーから実に6名が卒業。新戦力の台頭が待たれます。鈴木雄太選手、米田智哉選手(ともに3年)はハーフマラソン1時間2分台目前の自己記録を持っており、次回の箱根駅伝こそ出場なるか、注目が集まります。2区、4区、5区の主要区間の選手が3年生であることに加え、出雲・全日本の経験がある市村朋樹選手(2年)、箱根駅伝7区区間3位の松崎咲人選手(1年)は次回の箱根駅伝では主要区間の起用が予想されます。
國學院大學
往路2位、総合3位の原動力となった4年生4名が卒業。戦力ダウンは否めませんが、1区区間2位の藤木宏太選手、6区区間8位の島崎慎愛選手(ともに2年)など2年生に好選手が揃っています。第96回箱根駅伝ではエントリーメンバーに入っていませんでしたが、藤本竜選手(1年)の成長もカギを握るでしょう。
東京国際大学
東京国際大学史上初めてシード権を獲得したものの、2区区間2位の活躍をした伊藤達彦選手(4年)ら出走メンバーから5名が卒業。一方で、1区区間13位の丹所健選手(1年)、3区区間賞のイェゴン・ヴィンセント選手(1年)、10000m28分台の中島哲平選手(3年)らを中心に、高速化が進む往路で、再び旋風を起こせるでしょうか。
明治大学
今回の出走メンバーからは7区区間賞の阿部弘輝選手、10区河村一輝選手(ともに4年)の2名が抜けるだけで、多くの選手が次回大会にも出場できます。2021年の箱根駅伝で上位進出するためには、阿部選手のような大エースを育てられるかがポイントになるでしょう。小澤大輝選手、杉本龍陽選手(ともに1年)などのエントリーメンバーの成長に期待が集まります。
駒澤大学
1区、2区、6区の主要区間を担った3名が卒業。しかし、3年生5名が箱根駅伝に出場、3区区間3位の田澤廉選手(1年)をはじめ1年生5名がエントリーメンバーに名を連ねるなど、選手の人数自体は揃っています。「平成の常勝軍団」が「令和の常勝軍団」になるためには、レースの高速化に対応することが課題となるでしょうか。
東洋大学
下級生の時からチームの屋台骨を担った相澤晃選手ら4年生3名が卒業。<2020年は幕開けから苦しい展開となりました。再び上位で戦うためには>主力選手の復調、6名がエントリーメンバーに名を連ねた1年生の成長、有望選手が多いという話を聞く新入生の少しでも早い台頭によって、選手層を厚くしたいところ。