「嫉妬」という言葉には、どちらにも「女」という言葉が使われている――漢字が生まれた古い時代から、女性同士が絡むと諍いが起こることは理解されていました。現代社会ではSNSの発達により、嫁の立場からの発言が多く、「姑が悪い!」という意見を多く目にしますが、一方の姑世代の本音は、どうなのでしょう……。

突然の結婚報告でおねだりされた衝撃の金額

「10年くらい前のことなんだけどね。息子が『結婚したい子がいる』と言って、彼女を連れてくることになったたときは、そりゃもううれしくてうれしくて、夫とふたり、ドキドキワクワクしながら顔合わせの日を指折り数えていたわ。でも、顔合わせ当日に、『あれ? この女性、何かおかしい……』と思ったのよね」
 

神崎容子さん(68歳・仮名)は、淹れ立てのコーヒーを入れたカップ&ソーサーを置きながら、そう語り始めました。
 

「挨拶もそこそこに息子と彼女が取り出したのは、千葉県にある“夢の国”の結婚式用パンフレットと見積書だったのよ。びっくりしたわ。桁がひとつ違うんだもの。しかもまったく悪びれることなく、その式にかかる費用を、全部とは言わないけれど8割がた出してほしいって言うのよ」
 

彼女が帰った後、ご主人と容子さんは、息子さんに向かって
 

「なぜ、あんなに高いところで式を挙げることになったのか? なぜ、我々が金を出すことが決定しているのか? そもそも、決定稿になってから金を出せというのはおかしな話ではないか?」
 

と問い詰めました。
 

「だって、夢の国で結婚式を挙げるのが彼女の夢だって言うんだもん。その夢を叶えてやりたいじゃん。それに、式にかかるお金は、夫側の両親がすべて用意するのが当たり前なんだろ? 彼女も彼女のお母さんもそう言ってたよ」
 

と、当の息子からは「アホか!」と言いたくなるような答えが返ってきたといいます。
 

夫婦で話し合いをした結果、式にかかる費用の半分(約800万円)を容子さんたちが負担。残る半分は、息子と彼女で折半することにし、式は終わったといいます。
 

「でもね、それが嫁には不満だったみたいなの。式後すぐのお正月なんて、手土産ひとつ持たずに現れて……。これは息子も悪いのだからと、ごく普通に歓迎したのよ。でも、こちらから話しかけても、返事は『べつに……』『さぁ……』ばかり。びっくりしちゃったわ」
 

さらに驚いたのは、その後の嫁の行動だったという容子さん。容子さんのご主人が地元の名士であるため、床の間には毎年、届いたお歳暮が置いてあったそうですが、嫁はそれらを勝手に物色。
 

「いくつか持って帰る?ってこちらから言うやいなや、20くらいあった包みを、まるで奪い取るように車に積んだのよ。まさか、全部持って帰るとは思わなくて……夫と、『もしかして、貧しいおうちの生まれなのかしら?』って、ヘンに勘ぐっちゃったわ」
 

孫を抱くどころか「触る」ことすら許さない

息子夫婦からあからさまに距離を置かれていたため、孫が生まれたときも、病院に行ったりお見舞いに行ったりすることなく、お祝いを贈って終わりにしたという容子さん。しかし、
 

「(嫁や孫の)誕生日(クリスマス)のプレゼントは○○○でお願いします」

「新居を購入したいから○千万円援助してください」
 

……と、嫁からの要求は増すばかり。電話は決してよこさず、すべてがメールで送られてきたといいます。しかも、要求はするものの、自分から孫を見せにきたこともなければ、母の日や敬老の日に何か贈り物をしてくることもなく、正月は相変わらず、短時間の滞在のみ。
 

孫を抱っこさせてもらおうとすると、ものすごい勢いで睨まれたので諦め、以後、孫には触ることすらしなくなったといいます。また、孫が幼稚園に上がったところで、一度くらいは……と、温泉旅行に誘ってみましたが「忙しいから無理です」とケンモホロロ状態。
 

さすがに気分を害した容子さん。息子に対し、
 

「あなたたちは、口を開けばアレをしろ、コレをくれ、金をよこせと要求ばかり。どうなっているの? こんな状態が続いたら、孫に会いたいと思う気持ちすら失われてくるわ。時間がない、忙しいというのであれば、お正月にわざわざ来る必要はないから。お父さんと私は、今年のお正月は温泉にでも行くわ。それと、いい機会だから言っておくわね。今後は、プレゼントや贈り物はナシ。用事があるときだけメールをしてくるだけの家族なんて、私たちには到底、家族と思えないの。わかる?」
 

と苦言を呈しました。
 

嫁の非常識にすら気づかない「息子がバカ」

すると息子はびっくり仰天。
 

「そんなこと言わないでよ! 俺は、お母さんやお父さんに会いたいのに!!」
 

……と、なんとも情けない言葉が返ってきたといいます。
 

「だったら、アンタだけ帰ってきなさいって言いたいところだったけど、それを言ったらおしまいっていうか、お嫁さんと私たちとの亀裂が決定的になってしまうでしょう? だから、毎年のプレゼントとお年玉だけは、“必要経費”だと思って贈ることにしたわ」
 

と、容子さん。
 

「結局ね。そんな嫁を選んだ挙句、それが何を引き起こすかわからないくらい、息子をバカに育ててしまった私たちが悪いんだってことはわかっているのよね。それでも……嫁もあんまりだと思うのよ。お金を出してほしい、あれこれしてほしい、そう思うのであれば、相応の態度ってものがあるでしょう。やってくれて当たり前。お金を出すのも当たり前……そういう態度じゃ、こちらから家族としての愛情を注ぐなんて、どだい無理な相談よね。
 

幸いなことに、ウチは多少の蓄えがあるので、もう数年したら家を売って、夫とともに老人施設に入る予定なの。そのことはまだ息子には言っていないし、嫁は『いつになったら、あの家に住めるんだ』なんて息子に言ってるみたいなんだけど……まぁ、これ以上アテにされても困るしね」
 

少子化が進み、親から“甘やかされて育っている”のは、息子である男性も、そして嫁となる女性もどうやら同じ様子。令和の時代の嫁姑問題は、もしかしたら「嫁」側の態度が問題視されるようになるかもしれません。


他人に対する気遣いもまた、社会を生き抜くために不可欠なスキル。当たり前のことと軽視することなく、心がけて学び学ばせることが必要な世の中なのかもしれません……。