採点者によって点数が違うのは当たり前?国語のおかしな採点基準

塾講師時代、国語のテストを返すたびに、生徒たちから「なんで減点なのー!」と文句を言われたものです。国語は記述式問題が多く、ほかの科目とは違い、採点基準がわかりにくいところがあります。「記述式問題、採点して!」と頼まれて、内心「うっ」となったことはありませんか。

塾講師時代、国語のテストを返すたびに、生徒たちから「なんで減点なのー!」と文句を言われたものです。国語は記述式問題が多く、ほかの科目とは違い、採点基準がわかりにくいところがあります。わが子に「記述式問題、採点して!」と頼まれて、内心「うっ」となったことはありませんか。
 

採点者によって違う? 記述式問題のおかしな採点基準

最近、大学入学共通テストの問題で、記述式問題の採点の難しさが話題になっています。身も蓋もない話ですが、やはり採点者によって、点数には多少の開きが出るものです。
 

以前、生徒からテスト片手に「うちの小学校の記述式の採点、どう思う? 先生なら即マルでしょ!」と詰め寄られたことがありました。
 

たしかに、私が見ても、なにがバツなのかさっぱりわかりません。「そうだね、よく書けているよ。なんでバツ?」と聞けば、「担任が授業中に説明したキーワードが入っていないからだって!」と憤まんやるかたない様子。困ったことに、この「授業中、説明したキーワードが入っていない」という理由でバツになるケースは割と多く耳にします。
 

読解文の基本は、本文を読んで判断することです。「授業と本文の両方がそろって初めて解ける問題」は本来出すべきではありません。出題するのであれば問題文に、「先生は授業中、どのように説明したでしょうか」とはっきり書くべきです。
 

こうしたイレギュラーな採点以外にも、「ううん、この先生の採点基準、いまいちわからないなー」という事例は後を絶ちません。
 

問題集であれば、模範解答に採点基準がはっきりと書かれています。しかし、オリジナルで作成した問題には、先生自身が採点基準を設けなければなりません。その際に「採点基準の細かな決まりごと」を落とし込めていないと、採点でブレが生じるのです。
 

家庭で国語の記述式問題を採点するときのコツ

ときに先生でさえ苦労する記述式問題。子供に「採点して」と頼まれても、親としては「やりたくない!」が本音かもしれません。さしあたって、以下の3つのポイントを押さえてみてください。


ポイント1. 模範解答と言い回しが違ってもOK

たとえば、記述式問題の模範解答が「理科が苦手なのに、たくさん宿題が出て閉口したから」だったとします。
 

一方、子供の答えが「理科の勉強が嫌いなのに、宿題が多すぎてうんざりしたから」だった場合、これは○です。表現は違っても、書かれている内容の意味するところが同じであれば問題ありません。
 

「理科の勉強が嫌いなのに、宿題が多すぎたから」のように、気持ちを語る言葉を省いてしまっていたら△にしましょう。
 

ポイント2. 一番ミスが多い文末表現に注意

生徒の解答を採点していて、もっともミスが多いのが文末表現。たとえば、「○○について理由を答えなさい」と出題されたら、「から。」「ため。」で終わらなければなりません。
 

「こと。」で終わったり、「です。」「ます。」で終わったりする解答は、内容が合っていても△です。
 

ポイント3. 字数制限は厳守

「○字以内で書きなさい」という但し書きがついている問題は多いです。しかし、書いているうちに字数オーバーしてしまったり、極端に短くなってしまったりというケースはよくあります。
 

字数オーバーは前提条件をクリアしていないので×です。極端に短い場合も△にしてください。
 

採点の際には解答だけではなく模範解答の解説部分まで目を通しましょう。チェック項目が明記されているため、採点の決まりごとを学ぶことができます。

採点に慣れてくると、通っている小学校の採点に対して、「うん?」と違和感を覚えることがあるかもしれません。納得がいかなければ、思い切って「先生、この記述式問題のチェック項目について知りたいんです」と尋ねてみるとよいでしょう。

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