いくつ当てはまる?国語ができない子の親にありがちな5つのNG習慣

「子供の国語力を伸ばしたい」とたくさん問題集を解かせているのに、一向に成果が出ず、悩んでいる家庭は多いものです。NG習慣が定着していないか、一度チェックしてみましょう。読書環境のバックアップの仕方や、国語を指導する際のコツをお教えします。

「国語力」は、すべての科目に通じるといわれます。しかし、はりきって子どもに問題集を解かせたところで、すぐには成果が出ないのが国語の難しいところです。つい「もうやだ! お手上げ!」と嘆きたくなりますよね。実は、その原因、子どもではなく親の“NG習慣”にあるかもしれません。
 

NG習慣1:採点&解説する際の「断定口調」

国語力を伸ばすには子供に「わあ、国語って面白い!」と思ってもらうことが一番です。
 

たとえば、読解文を解かせて採点する際に、子供のミスを「この答えは間違いだからダメ!」と断定してはいませんか。
 

よく「国語には正解がない」といわれます。もちろん、問題として出す以上、正解は用意されていますが、本来百人の読書には百通りの解釈があってしかるべきなのです。せっかく解釈したものを頭ごなしに「間違い! ダメ!」と決めつけられると、子供はがっかりします。
 

まずは子供がなぜその解答を選んだのか聞いてみるところから始めましょう。国語指導では、自分の口で「なぜそう思ったのか」理由を説明させることが大切です。なんとなく選んだものでも、言語化することで思考が整理されます。
 

NG習慣2:「作者の気持ちになって考えて!」

国語指導において「作者の気持ちになって考えてみて!」と指導するのはNGです。なぜなら、作者の気持ちと出題者の気持ちは必ずしも一致しないためです。
 

以前、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)で「作者本人が入試に採用された問題を解いたら、参加者の中で最低点をとった」という出来事がありました。実は、作者が問題に対して「自分の意図とは違う解釈をされている」「あまり解けなかった」と発言するケースは珍しくありません。
 

国語の問題で問われているのは、厳密には作者の意図ではないのです。設問と本文を照らし合わせ、出題者の意図をくみ取る技術が必要となります。
 

ときおり出題者の意図が暴走しすぎて、「ちょっとここに出題者呼んでこーい!」と怒りたくなるようなオリジナリティを発揮している問題があることも……いわゆる「悪問」ですね。
 

NG習慣3:テレビやスマホ無制限

共働き家庭の場合は特に、朝も夜も時間に追われてタイトなので「ちょっとテレビかスマホ見てて! お願いだから、食事を準備している最中にいちいち呼ばないでー!」となるのは当然です。
 

ただし、見せる時間を無制限にしてしまわないようにだけ気をつけましょう。平日は難しくても、休みの日にはなるべく本を読めるような時間を作ってあげたいものです。

NG習慣4:子供の目につく場所に本がない

国語が苦手な子供は、本と接する機会が少ない傾向にあります。できるだけ小さなうちから読書習慣を作りましょう。
 

そのためには、子供が「本を読みたい」と思い立ったときに、すぐ面白い本を手にとれる環境が望ましいです。そうはいっても、子供の望むままに買い与えることができるほど本は安くありません。そういうときには図書館で借りてくればよいのです。
 

ただ、借りてきた後、部屋の隅に積んでおいても効果は見込めません。大切なのは、借りてきた本を“どう陳列するか”です。できれば、本を面陳で(表紙を見せて)並べられる棚を居間に置きましょう。面陳のほうが棚差しよりも読書に対して意欲が湧き、手を伸ばしやすくなります。書店のフェアと同じ理屈です。
 

NG習慣5:漫画やライトノベルを制限する

推薦図書に挙げられるような本ばかりが「よい本」ではありません。子供にとってのよい本とは「夢中になって読める本」です。
 

名作や推薦図書ばかりを無理に読ませようとしても、子供の読書離れは加速します。子供が興味を持てる本を読ませてあげてください。
 

夢中になれる本であれば、子供は「本の隅々まで理解してやるぞ」と主体性をもって読みます。それは退屈しながら本を読むより、何倍も学びになるものです。
 

子供が文章に身構えない工夫を

本をたくさん読んでいる子供は、国語の問題文にも身構えません。親は、できるだけ読書環境を整えてあげるようにしましょう。
 

国語の問題を採点したり、解説したりする際には、頭ごなしに子供のミスを否定するのではなく、どうしてこれを選んだのかという理由を問い、考えを一緒に整理してあげることをおすすめします。

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