史上初の試み!?ワールドトライアウト2019予選レポート

「すべての野球選手たちにチャンスを与えたい」として、株式会社ワールドトライアウトが公開トライアウトを初開催。その予選が去る11月7日に行われました。その様子をレポートします。

そもそもワールドトライアウトとは?

予選会場となったサーティーフォー保土ヶ谷球場

プロ野球のシーズンが終わると、残念ながら戦力外になってしまう選手たちが。主にそんな選手たちを対象に、NPBではシーズン終了後に合同トライアウトを開催していますが、本来参加できる独立リーグの選手や外国人選手の参加があまりないという現状があります。

こうした状況を打破するために立ち上がったのが株式会社ワールドトライアウト。日本から海外、または海外から日本でプレーしたいという選手のために移籍をサポートしてくれる代理人やMLB、NPBスカウトを招いた前で試合形式での公開トライアウトが2019年から開催されます。前述の戦力外通告を受けた選手や、プロ野球やメジャーリーグを目指す若者たちにとって、アピールの場が新しくできるのです。
 

説明を受けるトライアウト候補生たち



記念すべき1回目の開催となる今年は、11月30日に明治神宮球場で行われるトライアウト本選を開催。そんな大切なトライアウトの予選が11月7日に横浜市にあるサーティーフォー保土ヶ谷球場で開催。その様子をレポートします。
 

さっそく注目を集めた野手とは…?

まず行われたのは午後から行われる練習試合に出場する選手たちを決めるテスト。投手はボールのスピードや回転数、野手はフリーバッティングでの成績をポイント化して、順位をつけます。

野手のフリーバッティングでは鋭い打球を放つ選手も多く、その中でも特に観客の注目を集めたのが速水隆成選手(群馬ダイヤモンドペガサス)と、甘露寺仁房選手(兵庫ブルーサンダーズ)でした。
 
 

身体がねじ切れんばかりのフルスイングを見せる甘露寺仁房選手


関西独立リーグで今季、本塁打王に輝いた甘露寺選手はフリーバッティングが始まると、インパクトの瞬間に「シュッ」と声を掛けながら鋭い打球を連発。サーティーフォー保土ヶ谷球場のスタンドにも飛び込む本塁打も放ち、さすがの貫録を見せました。
 

打撃練習終了後の速水隆成選手

 

フリーバッティングで最後に打席に立ったのが速水選手。身長184センチ、体重94キロという堂々たる体躯の通り、スイングも豪快そのもの。ボールがまるでピンポン玉のように飛んでいき、本塁打も5本ほど放つなど、他の選手たちからも一目を置かれていました。
 

清原監督が選手たちにメッセージも

テストが終わり、午後からの練習試合に出場するメンバーの選定が済んだ午後1時。今回トライアウトの監督を務める清原和博氏がグラウンドに姿を現しました。

清原和博氏が登場。スタンドからは声援も


本選に出場する選手をセレクトするための視察として来場しましたが、グラウンドに姿を現したのはおよそ3年半ぶり。それだけに来場したファンからも大声援が送られるなど、プロ野球史にその名を残すレジェンド選手の人気は未だに衰え知らずと言えるでしょう。
 

選手たちに訓示を送る清原和博氏。選手たちの表情も真剣です


選手たちが整列する中で清原氏は「みなさんは小学校からプロ野球選手を夢見てやってきたと思う。今日はそのチャンスがありますんで、精いっぱい悔いのないようにプレーしてください。頑張ってください」という訓示を。清原氏からのメッセージに出場選手たちも見な気合が入った様子でした。
 

勝負を決める一打を放った選手は…?

アンダースローからの投球で打者を手玉に取った児玉健史選手



清原の登場でグラウンドが湧いたのもつかの間、今度は選手たちの運命を決める練習試合開始。午前中のテストで高ポイントを得た選手たちは打席が多く回るように上位打線に名を連ね、投手も早いイニングから投げることができるため、清原“監督”へ大いにアピールできます。
 

本塁打を放ち、ダイヤモンドを駆け抜ける新山進也選手


投手が1イニングずつ交代することもあり、試合は白熱した展開に。Bチームの新山進也選手(栃木ゴールデンブレーブス)が本塁打を放って先制したかと思えば、次のイニングでAチームがすかさず取り返すという具合で一進一退の攻防が続き、さらなるステージでプレーしたいという選手たちの思いが伝わってくるかのようでした。
 

この日2本のタイムリーを放った岡本仁選手


試合の終盤、決勝タイムリーを放ったのはBチームの岡本仁選手(石川ミリオンスターズ)。奇しくも清原氏と同じPL学園の野球部出身というプロフィールを持つ選手が印象に残る一打を放ちました。
 

清原監督の印象に残った選手は?

練習試合を終えた後、清原氏はグラウンドに戻り、観戦してくれていた300人のファンに挨拶とインタビューに答えてくれました。

 

ファンの声援に応える清原和博氏

注目選手を聞かれた際は「秘密です」と語り、場内の笑いを誘いましたが、試合の合間に行われたホームラン競争を見て「今日はレフト側に風が吹いていたので僕だったら、そこを狙うように打つと思います」と現役通算525本塁打を放ったスラッガーらしいコメントも。そして最後に選手たちには「頑張り続けていれば、夢は叶う」と力強く語ってくれました。
 

会見場での清原和博氏。多くの記者からの質問に答える



記者会見ではこの日の感想や球場にやって来てくれたファンへの感謝を口にし、PL学園の後輩である岡本選手が控室へ挨拶に来てくれたことに触れ、「そういうPLの伝統が引き継がれているというのはすごく嬉しく思いました」とコメントしていました。
 

11月30日、本選会場の神宮球場へ集合せよ!

この日の予選を通過した選手たちは11月30日に神宮球場で開催されるワールドトライアウトの本選に出場。当日は現役のメジャーリーガーやNPBで活躍した助っ人選手、そして今季までNPBでプレーしていた選手たちも参加予定のため、よりハイレベルな戦いになることでしょう。

そしてこの本選にも清原氏は来場予定。予選での視察を生かして、本選当日は練習試合のオーダーを決めるなど監督業をします。

ワールドトライアウト本選は公式HPからチケットが発売されているため、その様子を観戦可能。気になる方は是非チェックしてみてください!

ワールドトライアウト公式サイト

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