親友だったのに、なぜ?ママ友トラブルで子どもたちが登校拒否に…

昨今、SNS等で話題を集めているママ友問題。保育園・幼稚園や、小・中学校の通学エリアという狭い地域で起こる出来事だけに、縁を切ろうとしたり、スルーしようとしてもできないことが多いものですよね。

昨今、SNS等で話題を集めているママ友問題。保育園・幼稚園や、小・中学校の通学エリアという狭い地域で起こる出来事だけに、縁を切ろうとしたり、スルーしようとしてもできないことが多いものですよね。

始めは“たいそう仲の良いママ友”だった

そんなママ友問題に巻き込まれ、「仕事を辞めたくなるほど、大変な思いをした」というのが、地方都市の小学校で教鞭をとる谷合理恵さん(仮名)。小学校3年生のクラス担任をしていた谷合さんは、ある日、子どもたちの様子がおかしいことに気づきます。
 

「まさか、いじめ?と思い、児童たちに聞き取りをしましたが違いました。でも、明らかにふたりの生徒がぎくしゃくしているんです。ひとりは男児、もうひとりは女児。彼らは幼稚園時代から家族ぐるみで仲が良く、係を決めるときや遠足でも必ず同じ班になるほど仲が良かったんですよ。何があったのか不安でしたが、『彼氏・彼女』という存在に憧れる、いわゆる性的な興味が出てくる年齢でもあるので、あまり深くは追求せず、見守っていました」
 

しかし、男児の母親が学校に乗り込んできたことから、問題が明るみに出たといいます。
 

「母親が学校を訪れ、校長を出せ!と騒いだそうです。私は授業で体育館にいたのですが、別の先生が慌てて呼びにきました。校長室で話を聞くことになったのですが……」
 

巻き込まれた子どもたちが、いちばんの被害者に

「何を言っているのか、さっぱりわからなかった」というのが、その面談での正直な感想だったと、谷合さん。
 

「3時間ほどかけて、校長と私、副担任の3人で話を聞きだしたのですが、本当に理解ができませんでした。簡単に言えば仲の良かった女児と『同じクラスなのが耐えられないから、クラスを分けろ!』と言いたいのだろうとは思ったのですが、その理由として話している内容が、あまりにも支離滅裂だったんです」
 

その日以来、男児のママは3日と空けずに学校を訪れるようになったといいます。
 

「すでに2学期に入っているので、今さらクラスを分けることはできない。分けるとしたら、来年度からになるとお伝えしたのですが、それが気に障ったようです。それからは訪れるたびに、女児のママの悪口を言うようになり、そうした悪口をつなぎあわせてようやく、『ああ、なるほど、女児ママと喧嘩をしたから、子どもを引き離せって言いたいのね』と、理解できるようになりました」
 

吐き出されるパズルのピースを組み合わせると、どうやら、女児ママから育児に対して指摘され(いつも、女児の家に放置傾向にあったことを言われた模様)、腹を立てていたようだと谷合さん。
 

「親は親、子どもには子どもの社会がある。親の遺恨を子どもたちにぶつけないでほしい、ということをできるだけ柔らかくお伝えしたのですが、聞いてもらえなくて。来るたびに3時間4時間と粘って文句を言うので、他の仕事がまるではかどらず、私自身のストレスがMAXになってしまいました。もう本当に辛くて辛くて教師を辞めようかと思ったくらいで……」
 

そんな中、問題となっていた男児が学校を休みがちになり、さらに大きな問題となったといいます。
 

子どもたちのほうが、よほど大人な対応を取っていた

あまりにも頻繁に学校を休むようになったため、男児の家に電話をするも母親は電話に出てくれず、困り果てていたという谷合さん。しかし数日の後、女児が手を引っ張るようにして、男児とともに登校してきたのだそう。
 

「子どもたち自身はどうにか割り切って、学校では仲良くやっていけるようになったようです。今思えば、男児のほうは母親から『あの家の子どもとは付き合うな!』的なことを言われていたのでしょう。まだ小さな子どもですからね。どう対応すればいいのかわからず、それで気まずい状態になり、学校に行くことを渋っていたのだと思います。
 

先ほども言いましたが、親の問題を子どもに強いるのは、親として最低な行為です。親がママ友を選ぶ自由があるように、子どもたちにだって、友達を選ぶ権利があります。そのことを忘れないでほしいですね」

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