10月26日、「第96回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会」(以下、予選会)が東京都立川市で行われ、上位10校が来年1月2日、3日に行われる第96回箱根駅伝の出場権を獲得しました。


今回の予選会出場校は実力が拮抗しており、レース前から出場権争いは激しくなることが予想されていました。その予想通りとなった白熱の予選会を制したのは、東京国際大学(10時間47分29秒)。2位は神奈川大学(10時間50分55秒)、3位は日本体育大学(10時間51分09秒)でした。また、第1回箱根駅伝で優勝している筑波大学が、26年ぶりに箱根路に帰ってくることとなりました。
 

ここでは、予選会を通過した各校の戦いぶりとレース全体を振り返ります。
 

予選会通過した各校の戦いぶりは

●1位:東京国際大学

前評判も高く、堂々の予選会1位通過となった東京国際大学。気温の上がる暑いコンディションのなかでもイエゴン・ヴィンセント選手(1年)、伊藤達彦選手(4年)が1時間2分台の好記録でゴールし、ライバル校に対して大きく貯金を作りました。両者ともに箱根駅伝主要区間での活躍に期待が集まります。
 

●2位:神奈川大学

チーム内トップの森淳喜選手(4年)からチーム内10番手でゴールした安田響選手(2年)までに要したタイム差がわずか1分38秒(東京国際大学は同タイム差3分43秒)。このことからも「集団走」が上手く機能したといえるでしょう。
 

●3位:日本体育大学

藤本珠輝選手(1年)が初めての予選会ながらもチーム内トップを飾り、箱根駅伝経験者の上級生も大崩れせず、チームは総合3位の好成績。選手層に厚みを増しました。また日体大はこれで箱根駅伝に72回連続出場となります。
 

●4位:明治大学

主力選手が数名欠場することから、選手エントリー時より不安の声も聞かれましたが、手嶋杏丞選手(2年)が序盤から攻めの走りを見せ、個人9位と快走。チームは堂々の4位通過。欠場していた主力選手が完調すれば、箱根駅伝はシード権争いに加わるのではないでしょうか。
 

●5位:創価大学

米満怜選手(4年)が終始、日本人トップ集団でレースを推移、個人7位で弾みをつけました。留学生のムイル選手(4年)が個人61位という誤算もありましたが、個人100位以内を8人揃えるなど、選手層の厚さが光りました。
 

●6位:筑波大学

結果発表時に最も会場が沸いたのは「6位筑波大学」のアナウンスがあったときでした。15km地点では8位でしたが、そこからペースアップに成功。気温の高い厳しいコンディションで、スピードよりスタミナ重視のレース展開になったことも追い風になったのではと思います。数年前より合宿費用捻出などのためにクラウドファンディングを行うなど、独特の路線で強化策を進めてた学校です。
 

●7位:日本大学

10km地点では速報で2位につけるなど序盤を突っ込みましたが、15km地点では6位。しかし、ここからの落ち込みを最小限に食い止めました。チャールズ・ドゥング選手(1年)が個人4位(1時間2分33秒)の好成績で大きく貯金を作り、樋口翔太選手(1年)も持ち前のスピードを生かし、序盤から積極的にレースを進め、個人33位と粘りきったことも好材料でした。
 

●8位:国士舘大学

ライモイ・ヴィンセント選手(2年)が個人2位(1時間1分37秒)と大きく貯金を作ったことが通過に繋がりました。良いコンディションだったらどこまで記録を伸ばすのでしょうか。第95回箱根駅伝同様、序盤から大いに上位をかき回してほしいところです。
 

●9位:早稲田大学

レース前は「予選会は上位通過」との声が多かった早稲田大学は大苦戦の9位通過。主力の中谷雄飛選手(2年)が欠場する誤算もありましたが、頭を丸刈りにした太田智樹選手(4年)、井川龍人選手、鈴木創士選手(共に1年)がチーム内1~3位と結果を残したことは好材料といえるでしょう。
 

●10位:中央大学

最後に名前を呼ばれたのは中央大学。11位の麗澤大学とはわずか「26秒差」と薄氷を踏みました。資格記録(10000m)は良かったものの、ハーフマラソンとは別物だと改めて思い知らされた結果でした。
 

厳しい「箱根予選会」を勝ち抜けた要因は?

気温が上がり、速いタイムを求めるには厳しいコンディションで行われた今年の予選会。1位通過を果たした東京国際大学の記録を昨年の予選会に当てはめると「12位」相当であることからも全体的にタイムがあがらなかったことが、わかるかと思います。
 

そのなかでも大崩れしなかった学校が出場権を獲得したと思います。
 

今回の予選会で名門校の早稲田大学や中央大学が大苦戦したように、予選会参加各校の戦力は拮抗しています。両校もあわや出場権を逃すところでした。このことより、今回の予選会通過校は是が非でもシード権を獲得し、予選会に出ないようにしたい、と思ったはずです。
 

「シード権獲得」の壁は厚いですが、前回の箱根駅伝では、予選会通過校だった駒澤大学、順天堂大学、國學院大学がシード権を獲得していることから、今回の予選会通過校からもシード権獲得が期待されます。来年1月2、3日の箱根駅伝本番で、今回の予選会を勝ち抜いた10校に、注目してみてはいかがでしょうか。