投手最高のタイトル、沢村賞とは?

プロ野球のペナントレースももう終盤戦に入りました。各チームの優勝争いも白熱し、目が離せなくなってきていますが、それと同時に注目したいのが各選手のタイトル争い。中でも今季、混戦となっているのが投手最高の栄誉である沢村賞です。

沢村賞とはその名の通り、戦前のプロ野球黎明期で活躍した伝説の豪腕投手・沢村栄治の栄誉と功績をたたえて1947年に制定されたプロ野球の特別賞。各タイトルのように数字だけで競うものではなく、歴代の沢村賞獲得選手5名による選考委員が候補選手の成績を加味して毎年原則1名の選手を選出しています。

そんな沢村賞の選考基準は以下のものです。

登板試合数 25試合以上
完投試合数 10試合以上
勝利数 15勝以上
勝率 6割以上
投球回数 200イニング以上
奪三振 150個以上
防御率 2.50以下

沢村栄治が先発完投型の投手だったので完投数やイニング数が多く設定されていますが、決してすべての項目を満たす必要はありません。近年はこれらの項目のほかに7回で自責点3失点以内という登板成績をクオリティースタート(QS)として定義して、QS率も重視されるようになりました。

そんな厳しい条件をクリアして沢村賞を獲得した投手は歴代のレジェンドクラスのエース投手たち。昨年までは菅野智之が2年連続で獲得し、名実ともに球界のエースとなりました。今年はどんな結果になるでしょうか。
 

候補者たちをチェック!

それでは今年の沢村賞候補の4投手の成績を見てみましょう。

選手名  球団  登板数  勝敗  完投数  投球回数  勝率  奪三振数  防御率 
今永昇太 DeNA 22 13-5 3 151.1 .722 163 2.38
山口俊 巨人 23 13-4 0 148.2 .765 165 2.97
千賀滉大  ソフトバンク 23 12-7 2 160.1 .632 205 2.92
有原航平 日本ハム 22 14-7 1 151.1 .667 150 2.44

▲2019年沢村賞候補の投手たち
※成績は9月9日終了時点


セ・パ両リーグとも最多勝争いをしている投手がズラリ。レベルの高いタイトル争いを展開しています。中でも今永昇太が最有力と言えそうです。
 

2017年のアジアプロ野球チャンピオンシップでも活躍した今永昇太(写真:AFP/アフロ)



勝ち星や勝率では他に劣っていますが、両者とも完投数が少ないというのはやはり大きなマイナスポイント。完投数が重視されなくなった過去10年の歴代受賞者を見ても、最低でも3完投は必須と言えます。そのため、現時点で3完投を記録し、防御率も2.50以下となっている今永昇太がやはり有力と言えるでしょう。

ただ、今永も現時点で勝ち星が13勝なので当確とも言えません。シーズン終盤、登板もあと3試合あるかどうかという中で2つ勝ち星を重ねるというのはかなりの難題。ましてやDeNAは首位争いを演じ、今永は強敵の巨人や広島相手への登板が予想されるだけになおさらです。

ちなみに15勝未満で沢村賞に輝いたのは1988年の大野豊だけ。この年の大野は13勝なのでギリギリOKと言えそうですが、防御率は1.70と圧倒的なものでした。それを考えると完投数は少なくともあと1つで15勝に到達する有原航平も有力候補には変わりません。

その他の候補としては千賀滉大ですが、勝ち星は今永よりも少ない12勝。そして防御率も2.97と条件を満たしていませんが、完投数はあと1つで最低条件に入ります。ソフトバンクも優勝争いのさなかで勝ち星を伸ばしていくのは決して簡単ではありませんが、9月6日の対ロッテ戦で令和初となるノーヒットノーランを達成。このインパクトで沢村賞をかっさらう可能性もありそうです。

ちなみに15勝未満で沢村賞に輝いたのは1988年の大野豊だけ。この年の大野は13勝なのでギリギリOKと言えそうですが、防御率は1.70と圧倒的なものでした。それを考えると今永も防御率が1点台まで下がらないと難しいかもしれません。そうなると今年は「該当者なし」という可能性も浮上します。

毎年表彰してはいる沢村賞ですが、過去には該当者なしという年もありました。ちなみに今年、沢村賞投手が該当者なしになると2000年以来19年ぶりとなります。
 

投手最高のタイトルは誰の手に?

いかがでしたか? 今季の沢村賞受賞候補をチェックしてみましたが、どの投手にも可能性があるので、今季の沢村賞争いは最後まで目が離せません。

シーズン終盤のお楽しみとして、注目してみるとプロ野球がさらに面白く見られることでしょう。彼らの投球に注目してみましょう。