ほかの相手に心を奪われたままの結婚は不誠実?

人気バラドル・岡井千聖が、既婚の競輪選手である三谷竜生と不倫。三谷選手は不倫を認めて離婚、慰謝料が数千万円ともいわれている。妻の親族は、岡井千聖を「泥棒猫」と評している。妻から見れば、幸せに暮らしていた家庭を壊した張本人が岡井千聖だと考えるのはしかたのないことだ。ただ、結婚してから別の人に気持ちを奪われてしまった場合、見方を変えれば結婚生活を続けることのほうが不誠実だともいえる。

 

どう気持ちを整理すればいいのか

同じように不倫をした夫から離婚をもちかけられたのは、エリカさん(43歳)だ。夫とは高校生のころからつきあい、25歳で結婚した。若くてお金もなかった時代から支え合って生きてきたという実感があった。

「夫の実家は中華料理屋で、夫も高校卒業後は料理修業をしていました。最初は実家の手伝いをしていたんですが、結婚を機に自分で一軒、店をもった。その店が当たったんですよね」

エリカさんも手伝っていたが、3年後にはもう1軒、店を出した。従業員も増え、エリカさんは3人の子育てに追われるようになっていった。

「第1子のあと2年後に双子が生まれたんです。それはもう大変でした。夫は子煩悩でしたけど、とにかく店の仕事で時間がとれない。夜遅く帰ってきては、子どもたちの寝顔をじっと見ていました。私は夫の体が心配でしたね」

店は大きくなり、経済的にはゆとりがあった。だが夫婦の気持ちには、あまり余裕がなかったようだ。

彼女が34歳のとき、夫の浮気が発覚した。相手は店のアルバイトである20代前半の女性だった。夫は彼女にのめり込んでいった。

「ちょうどそのころ、もうひとつ店を出す計画があって、夫は奔走していました。仕事で帰れないという言葉を信じてしまった。実はそのアルバイトの子のところに泊まっていたようです」

夫はその彼女に店をやめさせ、マンションを用意して住まわせていた。そしてそちらに泊まるようになったのだ。

「夫は、『自分でもどうしたらいいかわからないくらい、彼女のことが好きになってしまった』と正直すぎる告白をしました。私はずっと夫を同志だと思ってきたし、愛情もあった。私の愛はどうなるのかと夫に詰め寄った記憶があります」

自分の愛情がないがしろにされたことが、何よりもショックだったとエリカさんは言う。

 

どうにもならないことがこの世にはある

夫はその後、まったく帰ってこなくなった。そしてあるとき、弁護士からエリカさんに慰謝料と養育費の提示がされた文書が届いた。

「私と子どもたちはこの家に住んでいていい、慰謝料と養育費もそれなりに出す、と。3店舗目はあきらめて、その資金を私たちに回そうと考えたようです。なんていうのかなあ、夫婦の歴史、家族との時間、愛情、そういうものをお金に換算するしかないのかと思って、なんともやりきれない気持ちになりました。それでも夫は若い女性を本気で好きになった。もう私にも子どもにも、気持ちがないということですよね。気持ちのない人にこちらを向けと言っても無理。それもまた真実なんだなあと他人事のように感じていました」

結局、彼女は夫の申し出を受け入れて離婚した。夫はすぐに若い彼女と再婚、子どももいる。同じ父親をもつ子どもなのに、あちらは一緒に住んで、こちらは遺棄された。エリカさんはそんなふうに感じることもある。

「私がいけなかったのかと自分を責めた時期もあります。今、高校生になった子どもたちは、ときどき父親と会ったりしているようなので、親子の縁が切れなくてよかったとは思いますけど」

それでもエリカさんは、ずっとすっきりしない気持ちを抱えている。自分の愛情をお金に換算するしかなかった現実をどう受け止めたらいいのか、今もわからないのだ。