ファンの声を力に変える!?オールスター最多得票選手の成績は?

スター選手の証ともいうべきオールスターゲーム出場。その中でも得票数が最多の選手と言えばもはやリーグの顔と言ってもいいでしょう。ファンの注目度も高い看板選手ですが、肝心の成績はどうだったのでしょうか?

ファンの期待を受けたオールスター最多得票選手たち

今年ファン投票1位だった山川穂高(写真:AFP/アフロ)



今年のオールスターゲームも大盛り上がりで終了しましたが、注目を集めたのは得票数最多の選手たち。ファンの投票によって出場選手が決まるため、オールスターゲームに出られるということはスターの証とも言えますが、さらに最多の得票数を集めるようなら、もはや球界の顔とも言えるでしょう。

そんな球界屈指の人気者たちはオールスターゲーム、そしてリーグ再開後の後半戦でどんな成績を収めているのか……チェックしてみました。
 

オールスター戦での活躍が後半戦を左右する!?

検証したのは過去5年のオールスターゲームでセ・パ別で最多得票数を集めた選手のオールスターゲームでの成績と後半戦の成績。まずはパ・リーグの各選手から見ていきましょう。

選手名(球団名) オールスター成績 後半戦成績 前半戦成績
2014 糸井嘉男(オリックス) 打率.167(6-1)0本塁打1打点 打率.294(194-57)8本塁打32打点 打率.354(308-109)11本塁打49打点
2015 森友哉(西武) 打率.250(4-1)1本塁打2打点 打率.279(179-50)4本塁打23打点 打率.292(295-86)13本塁打45打点
2016 柳田悠岐(ソフトバンク) 打率.250(4-1)0本塁打0打点 打率.316(136-43)8本塁打26打点 打率.301(292-88)10本塁打47打点
2017 柳田悠岐(ソフトバンク) 打率.000(5-0)0本塁打0打点 打率.281(167-47)8本塁打24打点 打率.327(281-92)23本塁打75打点
2018 柳田悠岐(ソフトバンク)  打率.142(7-1)0本塁打1打点  打率.359(184-66)16本塁打44打点  打率.347(291-101)20本塁打56打点 


前半戦と比べて後半戦は試合数が少ないため、本塁打や打点などの積み上げ系の記録は伸び悩むのは仕方のないこと。打率も昨季の柳田悠岐を除いてはみなほぼ横ばいかやや下降していることがわかります。

注目したいのがオールスター戦での成績。どの選手もイマイチな数字なのは確かですが、打率を2割代に乗せるか、打点を記録すると後半戦も順調に過ごせる傾向があることがわかります。
 

セ・リーグになればその傾向がより顕著に!

選手名(球団名) オールスター成績 後半戦成績 前半戦成績
2014 丸佳浩(広島) 打率.125(8-1)0本塁打0打点 打率.306(235-72)8本塁打29打点 打率.312(301-94)11本塁打38打点
2015 筒香嘉智(DeNA) 打率.400(5-2)0本塁打2打点 打率.286(203-58)11本塁打37打点 打率.338(293-99)13本塁打56打点
2016 山田哲人(ヤクルト)  打率.000(5-0)0本塁打0打点 打率.211(161-34)9本塁打30打点 打率.350(320-112)29本塁打72打点 
2017 鳥谷敬(阪神) 打率.250(4-1)0本塁打0打点 打率.288(226-65)2本塁打14打点 打率.298(262-78)2本塁打27打点
2018 山崎康晃(DeNA) 1回無失点被安打3(勝敗付かず)  25試合登板0勝2敗18S防御率4.81 32試合登板2勝2敗19S防御率1.13

続いて、セリーグの選手たちを見てみましょう。オールスターでの成績が後半戦により直結していることがわかります。象徴的なのは2016年の山田哲人。

オールスター前まで絶好調で打撃3冠のタイトルも夢ではないと称されていましたが、オールスター戦2試合でノーヒットだったことが災いしたか、打率は急下降。さらに後半戦開始直後から死球を受けたことで一時戦線を離脱するなど散々な成績に終わり、結局打撃タイトルは無冠に終わりました。

そして昨年の山崎康晃もオールスター戦で1イニング投げて無失点に抑えましたが、被安打は3という不安定さ。リーグ戦再開後は前半戦の活躍がウソのように打ち込まれてしまい、防御率は4点台に落ち込みました。前半戦の貯金が功を奏してセーブ王には輝きましたが、守護神の不振はチーム成績に直結し、最終的にはAクラス入りを逃す形になってしまいました。
 

山川穂高&鈴木誠也の成績に注目!

いかがでしたか? オールスター戦とペナントレースは関係がないように思われていましたが、ここ5年の成績を見ると意外と直結していることがわかります。

今季のオールスター最多得票者である山川穂高は後半戦は打率1割台と低迷している一方、ホームランダービーを制した鈴木誠也は後半戦開始以来、打率3割をキープ(7月17日現在)という対照的な成績を収めていますが、果たしてシーズン終了後にはどんな数字が残るか…注目してみましょう。

 

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