「コンビニスイーツ」は、創成期から成熟期へ! 令和から始まる新潮流

コンビニスイーツの代名詞といえば、ローソンの「プレミアムロールケーキ」(税込150円)

ローソンの看板スイーツ「プレミアムロールケーキ」が誕生したのは、2009年9月。記録的なヒット商品に成長するとともに、「コンビニスイーツ」という言葉を世に生み出し、コンビニでスイーツを購入する、という新しいライフスタイルを浸透させてきました。

あれから、今年でちょうど10年。平成という時代はまさに「コンビニスイーツ」の創成期であり、各コンビニからたくさんのヒットスイーツが誕生しました。

ファミリーマートの「Wクリームエクレア」、サークルKサンクスの「窯出しとろけるプリン」や「濃厚焼きチーズタルト」、スリーエフの「もちぽにょ」……。コンビニ業界の再編により、姿を消してしまったスイーツがあるのも記憶に新しいところです。
 

「王道」と「オリジナル」で進化してきたコンビニスイーツ

コンビニスイーツは、「王道スイーツの進化」と「革新的なオリジナル商品の開発」という2方向からのアプローチを柱に発展してきました。

1つ目の「王道」とは、シュークリームやプリン、チーズケーキといった誰もが知っているスイーツを、専門店の品質に引けを取らないレベルまでおいしく作り上げること。2つ目は、和と洋を掛け合わせたスイーツや、驚きのある食感のスイーツなど、コンビニならではのオリジナルを作り上げること。

とくに、ここ数年のコンビニスイーツ業界は、トレンドを反映させつつ、定番商品のブラッシュアップを図り、「プレミアムロールケーキ」に次ぐ新たなヒットスイーツを育てるべく奮闘してきました。
 

大ヒット中! ローソンの「バスチー バスク風チーズケーキ」(税込215円)

個人的にその努力が実りつつあると感じるのが、ファミリーマートの「フラッペ」シリーズや、セブン‐イレブンの「もこ」などの和洋折衷スイーツなど。そして、最新作で注目しているのが、ファミリーマートの「スフレ・プリン」と、ローソンの「バスチー」です。

いずれも“食感”にこだわった新感覚のスイーツで、「バスチー」に至っては、発売3日間で販売個数が100万個を突破。「プレミアムロールケーキ」が発売当初に打ち立てた「5日間で100万個突破」の記録を塗り替える躍進を見せています。

2019年、注目のコンビニスイーツは!?

ミニストップの「ゴロっと果実のピーチティー」(税込290円)。桃の果実をつぶしながら飲むのがオススメ

そんなコンビニスイーツ、2019年はどんな商品が話題になるのでしょうか。

■飲むスイーツ
まず、春から夏にかけて注目しているのが、「飲むスイーツ」です。ブレイク中のタピオカドリンクをはじめ、若者の飲み物のトレンドはコーヒースタンドから、ティースタンドへ移行しています。

コンビニでも、昨夏、わずか2日間で予定販売数が終了となり話題をさらったローソンの「フルーツインティー」や、ミニストップの「ゴロっと果実のピーチティー」などの果実がごろっと入ったドリンクが人気を集めています。

さらに今年は、日本茶のブームを受けて、抹茶コーヒーラテや煎茶ラテといった和のドリンクも登場するかも!? 進化する「飲むスイーツ」から目が離せません。
 

■アジアンスイーツ
2つ目のキーワードは、タピオカに代表される「アジアンスイーツ」。現在、タピオカが人気すぎて原料が高騰しているという話もあり、タピオカそのものは難しいかもしれませんが……台湾風のかき氷など、何らかの形でアジアンスイーツが展開されるのではと期待しています。
 

コンビニスイーツの価格が上昇!? 将来的には300~400円台も

セブン‐イレブンのカップスイーツシリーズ。カップに入れることで生地とクリームの一体感がアップ(税込300円)

この春、セブン‐イレブンは、ティラミスやモンブランなどの定番スイーツをカップスタイルに変更。「ケーキタイプのスイーツを、もっとカジュアルに、様々なシチュエーションで食べていただけるように」というのがリニューアルの趣旨で、カップに入れることで、スプーンですくって食べられる利便性の向上に加え、ケーキタイプでは難しかったクリームや生地のやわらかい食感や口どけのよさなども実現できるようになりました。
 

価格は、1個税込300円。100~200円台のスイーツが中心だったセブン‐イレブンにとって、この価格帯のスイーツはかなり高価格帯ゾーンです。

2018年夏にローソンから3日間限定で発売されたゴディバとのコラボ歳時スイーツ「エトワールドゥショコラ」(税込1,080円)

またローソンでは、2017年6月よりゴディバとのコラボスイーツを展開しており、300~400円台の値付けでワンランク上のスイーツとして販売。七夕などの歳時には1,000円超の限定スイーツも発売して話題となりました。
 

こうした一連の流れから読み取れるのは、コンビニスイーツも次のステージへ進む時が来た、という現実です。「客単価を上げたい」というコンビニ側の事情も見え隠れしますが、続々と高価格帯の商品を導入してきたということは、それが売れる勝算もあるからだと推測します。
 

コンビニでおいしいスイーツが手軽に買えるのが当たり前になった昨今は、消費者も「もう少し高くても、より本格的なスイーツを食べたい」というニーズが高まってきているのではないかと思います。
 

これまでコンビニスイーツでは、大ヒットした商品はほとんどが100円台のスイーツで、「コンビニスイーツは高い」というイメージも、消費者の中にはまだ少なからず存在しています。しかし一方で、数年前からコンビニ限定のアイスが注目を集め、それまでハーゲンダッツの聖域と思われた250円以上の高額アイスもどんどん売れるようになったという現実もあります。
 

コンビニというメディアが、従来の消費行動を短期で変えてしまうほどの影響力を持っていることを考えると、300~400円台のコンビニスイーツが増えていくことも、決して不自然な流れではないと感じています。