増税で2人以上の1世帯あたり6.2万円の負担が増える

2019年10月から消費税が増税されます。消費税の増税を引き金に、あなたも「消費税が上がるせいで出費が増えて、家計が苦しくなるかも……」と不安を感じるでしょう。


消費税増税は、間違いなく僕らの家計を苦しめます。国立国会図書館が公開した資料によると、今回の増税によって2人以上の1世帯あたり6.2万円/年の負担が増えると答弁しています。ささやかな国内旅行1回分も支出が増えるのですから、家計への影響も大きいです。


 

消費税増税に備えて、動き始めている方も多いようです。DIMSDRIVEが行ったネット調査によると、「増税前に買いだめした」「ポイントサービスなどを利用するようにした」など、行動を起こしているようです。一見、賢い行動に見えます。


しかし筆者は、この動きに一抹の不安を覚えました。


「税負担を減らすために今から行動しよう!」と考えるのは賢明です。しかし、下手な対策を打てば、税負担を減らすどころか逆効果です。実際、節約するつもりが、逆に数十万円~数百万円の大金を損している方が多いのです。


そこで今回は、ありがちな増税対策の中でも、逆効果になりやすい「駆け込み買い」「キャッシュレス」の2つの危険性を論じます。
 

増税前の駆け込み買いに「待った!」

まず1点目。消費税増税を理由に「早く大きな買い物をしよう」と考える人もいるようです。たとえば、住宅や自動車、家電などを増税前に買う家庭もあるようです。しかし、こういった増税前の駆け込み買いには「待った!」と言いたい。


たとえば、増税前に自動車を早く買い替えるとしましょう。たしかに増税前に買い替えることで、節税でき、車検のコストを防ぎ、さらに下取り価格を高く維持できるといったメリットがあります。


しかし、そもそも論として「車を買い替える回数が少なければ少ないほどコストがかからず節約になる」という点が見逃されがちです。


消費増税前に車を買って、消費税増税分(2%)の節税はできても、代わりに次の買い替えサイクルが早まります。買い替えの回数が1回増えれば、節税で得たお金はカンタンに吹き飛ばされてしまうのです。


大体の方は車を8年以内に買い替えています。つまり、「(自動車税が増税される13年まで)あと4~5年は使える」車を乗り換えているということです。そう考えると、「今乗っている車を、ギリギリまで長持ちさせる」ことを考えた方が、2%の節税よりも遥かに経済的だと思いませんか。


増税などの〆切があると慌ててしまう気持ちも分かりますが、目先のエサに飛びつくと損をします。駆け込み買いは一見しただけでは「節税できてお得」なように見えますが、長い目で見ると「大損」している可能性が高いのです。


ミスを減らすためにも、駆け込み買いを検討する際は、「長期的に見てもお得かどうか?」を考えてから実行へ移すようにしましょう。
 

キャッシュレス化に「待った!」

次に2つ目。消費税増税を背景に、「キャッシュレス」(ポイントなど)に手を出す方が増えています。ですが、キャッシュレス化の流れに対しても「待った!」と言いたい。


クレジットカードなどのキャッシュレスには「ポイント」がつくといった特典があります。合理的に考えれば「現金」で買い物するよりも、「キャッシュレス」で買い物をした方が得です。この点については、筆者も同感です。


しかし、経済的にお得であっても、それ以上にキャッシュレスにすると「サイフの紐がゆるんでしまう」という悪影響があります。


精神科医のデビッド・クルーガー博士によると、クレジットカードを使うことで、現金を使うより平均23%も支出が増えたのだとか。キャッシュレスにすると、僕らの金銭感覚が狂い、「お金を使っている感覚」が薄れます。その結果、長い目で見ればお金を垂れ流す原因となってしまうのです。


キャッシュレス決済を利用することで得られるポイント還元は、多くともせいぜい「5%」くらいでしょう。しかし、どんなにキャッシュレスがお得でも、それ以上にサイフの紐が緩み、得をした以上にお金を垂れ流してしまってしまう危険性があります
 

よって、キャッシュレス決済を利用するのは、無駄遣いをしないための対策を打ってからにしましょう。具体的には、「利用金額に制限を設ける」「買っても良いものを制限する」「家族に監視してもらう」といった、サイフの紐をきつく締める工夫が必要でしょう。
 

さいごに

消費税増税のように大きな経済(政治)イベントがあると、さまざまな「節約テクニック」が横行します。イベントごとがあると何か特別なことをしたく気持ちも分かります。しかし、大きな買い物を間違えたり、サイフの紐を締め忘れたりすると、数十万円~数百万円をあっけなく失ってしまいます


筆者自身、この記事を書きながら「アイタタタ……」と思う所がたくさんあります。何気なく実践している「節約術」も、実は逆効果なことがありますから、本質を見失わないように気をつけなきゃいけませんね。