結婚15年、ようやく「ないものねだり」はしないことに

気づくと、夫を他の男性と比べてしまっていることがないだろうか。「そんなつもりはないはずなのに」、友人の夫を羨ましがったり、期待を押しつけてしまったり。結婚15年を迎えて、ようやく「そんなムダなことをするのはやめよう」と決意した女性がいる。
 

友だち夫婦でいいと思っていたのに

学生時代からの友人である現在の夫とは、卒業して5年経って初めて互いを意識しつきあうようになったというカヤコさん(44歳)。29歳のとき妊娠に気づいて結婚した。

「最初から完全に友だち夫婦でしたね。夫は私を奥さんと呼ばれるのがイヤだと言っていたし、私も夫を主人なんて言ったことがない。夫は結婚パーティでも、私のことを名前で言ったり、『パートナーが』という言い方をしたりしていました」

それが自然だと思っていたカヤコさんだが、子どもがふたりでき、それでも共働きでがんばっていくうちに、「もっと頼りがいがあって、稼いでくれて、やさしい夫だったらよかったのにな」と思うことが多々あったという。

「人の夫と比べてもしょうがないんですけどね、何年か前に学生時代の女友だちと久々にランチしたとき、専業主婦の友人が『ダンナに買ってもらったの』と大きなダイヤの指輪を見せびらかしているのを見て、率直に羨ましいと思いました。うちなんて夫婦揃っても彼女の夫ほど稼げてないんですよ、たぶん。そういうときに相手を間違えたかなあと思うことはありますね」

その友人は、「早く帰らないとダンナが寂しがるから」といそいそ帰っていった。彼女がいなくなったところで、他の友人が、「あんなふうに言っていたけど、彼女のダンナ、浮気三昧で大変らしいよ」と暴露。

「それでもあんな指輪を買ってくれるんならいいかもね、とみんなで言い合いました」

 

何でも言えてよかった

その後、カヤコさんは、あのとき大きなダイヤの指輪をしていた友人が離婚したことを知った。夫は浮気が本気になり、妻子を捨てて出て行ったのだという。カヤコさんはその友人から電話をもらって話を聞いた。もともと夫婦の間に距離があった、言いたいことも言えず、最後はうまくごまかされたような形で、慰謝料も養育費も微々たるものになってしまったらしい。

「ひとり息子を連れて彼女は実家に戻ったそうです。そういう夫婦関係ってイヤだなあと心底思いました。夫に遠慮して言いたいことも言えないなんて、毎日ストレスがたまりますよね」

そう思ったものの、もしかしたら夫のほうが言いたいことを言えずにいるのではないかと、ふと気になったという。

「先日、うち、15回目の結婚記念日だったんです。夫婦ふたりでおしゃれなレストランに行くなんてことはないので、ごく普通に過ごしただけですが、夫は珍しくケーキを買ってきてくれました。子どもたちにも結婚記念日だと説明して、みんなでお祝い。その晩、夫に不満があったら言ってねと伝えたんです。そうしたら『カヤコと結婚していちばんよかったのは、ストレスがたまらないところだよ』と。私もまったく同じ気持ちでした。お互い単純だからねと笑いあったけど、私にとっての幸せってそういうことなんだと改めて感じましたね」

何でも言える関係は、親子間でも同じ。自然とにぎやかな家庭になっている。

何が重要なのか、何を大事にしていきたいのか。それを考えると、自分にとっての幸せが見えてくるのかもしれない。