6月のキリンチャレンジカップに臨む日本代表と、直後のコパ・アメリカ(南米選手権)に出場する日本代表のメンバーが、それぞれ発表された。同じ日本代表なのになぜ、2つのチームが編成されるのか。そこには避けがたい事情があった。
 

国内の2試合は“いつもの”メンバーで

6月5日にトリニダード・トバゴと、9日にエルサルバドルと対戦する日本代表には、27人の選手が招集された。GK川島永嗣(ストラスブール/フランス)とFW岡崎慎司(レスター/イングランド)が昨夏のロシアW杯以来の、GK権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)が今年早々のアジアカップ以来の復帰を果たしている。
 

コンディションが万全でないDF吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、所属クラブで負傷したMF遠藤航(シントトロイデン/ベルギー)を除けば、森保一監督のもとで中心となってきた選手がほぼ集まった。
 

久保建英(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

注目はMF久保建英だろう。6月4日に18歳の誕生日を迎える至宝が、ついに日本代表に選ばれたのだ。
 

森保監督は4-2-3-1のシステムを基本としており、2列目と呼ばれる「3」は右から堂安律(フローニンゲン/オランダ)、南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)、中島翔哉(アルドゥハイル/カタール)が起用されてきた。久保は同じ左利きの堂安か、トップ下の南野とポジションを争うことになりそうだが、トップ下には香川真司(ベシクタシュ/トルコ)もいる。2月からヘンク(ベルギー)に在籍するドリブラーの伊東純也も、ヨーロッパでスケールアップを果たしている。2列目のポジション争いは興味深い。
 

コパ・アメリカは若手中心の編成に

6月中旬にブラジルで開幕するコパ・アメリカ(南米選手権)には、23人の選手が選ばれた。ベテランの川島と岡崎、森保監督のもとでレギュラー格のDF冨安健洋(シントトロイデン/ベルギー)、MF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)、中島らが選出された一方で、初招集が実に13人を数える。いずれも東京五輪世代の若手で、FW上田綺世(法政大)が大学生でただひとり名を連ねた。
 

コパ・アメリカは南米連盟主催の大会で、日本は招待参加である。このため、日本サッカー協会はクラブに優先して選手を拘束する権利を持たない。基本的にクラブの同意が必要で、Jリーグのクラブに所属する東京五輪世代が数多くピックアップされた。
 

久保はここでもメンバー入りしている。堂安と南野が不在の2列目で、伊藤達哉(ハンブルガーSV/ドイツ)や安部裕葵(鹿島アントラーズ)らとスタメンを争う立場だ。
 

森保監督は「選手の成長」をキーワードに掲げる。「来年の東京五輪で金メダルを獲ろうと思っていて、A代表で戦えるレベルでないとその目標は達成できない」と話し、若い選手たちが厳しい戦いに挑む意義を強調する。
 

ブラジルはネイマール(パリサンジェルマン/フランス)、アルゼンチンはリオネル・メッシ(バルセロナ/スペイン)がメンバー入りするなど、南米王者を決めるコパ・アメリカはレベルが高い。グループリーグで対戦するウルグアイには昨年10月に4対3で勝利しているが、南米を舞台とする戦いでは相手の熱量が明らかに違う。
 

チリ、ウルグアイ、エクアドルとのグループリーグで、苦戦は免れないだろう。それだけに、伸び盛りの才能にはこれ以上ない刺激であり、久保をはじめとする東京五輪世代の奮闘が期待される。