2018年ロシアW杯後は横一線の競争に
ポルトガル1部のポルティモネンセに所属するGK権田修一が、現地時間5月17日のリーグ戦で移籍後初出場を果たした。今年1月から2月初旬にかけてのアジアカップで日本代表のレギュラーGKを務め、同大会後にJ1サガン鳥栖から移籍を果たしていたが、新天地ではこれまで出場機会を得ていなかった。3月の日本代表のテストマッチも招集されていなかったが、ようやく実戦のピッチに立った。
日本代表のGKは、レギュラーが定まっていない。昨夏のロシアW杯まで長くスタメンを守ってきた川島永嗣が代表を離れ、昨年9月から采配をふるう森保一監督は東口順昭(ガンバ大阪)、シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)、それに権田を起用している。ロシアW杯の代表だった中村航輔(柏レイソル)も、出場こそないものの招集を受けている。
横一線の競争に、もうひとり候補者が現われた。サンフレッチェ広島の大迫敬介だ。
10代でのデビューなら約9年半ぶり
高校生年代から年代別の日本代表に選ばれてきた大迫は、レギュラーGKの林卓人の負傷を受けて今シーズンからスタメンに抜てきされた。ここまでリーグ戦全試合にフルタイム出場しており、1試合あたりの平均失点は1点以下に抑えている。
1999年7月生まれの彼は現在19歳で、現地時間5月23日開幕のU-20ワールドカップにも出場できる。実際に選出は確実と見られていたが、日本代表の森保一監督は6月のコパ・アメリカ(南米選手権)のメンバーに抜擢する見込みだ。
10代での日本代表デビューとなれば、2010年1月の米本拓司(当時FC東京、現名古屋グランパス)以来だ。およそ9年5カ月ぶりとなる。
2001年6月生まれで現在17歳の久保建英も、コパ・アメリカでの日本代表入りが確実視されている。このため、日本代表の最年少出場記録の更新は、久保に譲ることになりそうだ。それでも、GKでは97年デビューの川口能活氏以降で最年少となる。
来年の東京五輪を経て2022年のカタールW杯でメンバー入りするとのシナリオは、十分に成り立つ。川口氏は1996年のアトランタ五輪を、中村は2016年のリオ五輪を経て、日本代表へステップアップしていった。
23歳以下の選手に出場資格がある(※)東京五輪のGK争いも、実はし烈を極めている。ライバルは数多いが、Jリーグのクラブで定位置をつかんでいるのは大迫ひとりだ。
成長速度を一気に加速させる経験を、大迫は6月に迎えるはずだ。
(※)五輪の男子サッカーは、ワールドカップとの差別化をはかるために23歳以下の選手に出場資格を与える。同時に、年齢制限に関係のないオーバーエイジを3人まで登録できる。