新しい結婚の形⁉ 令和時代の「週末婚」って?
今までにも週末しか会わない週末婚をしているカップルはいたが、今、時代の移り変わりとともにまた新たに注目を浴びている。これは都会だけのできごとではなく、今や日本全国で見受けられる現象だ。
週末だけ「妻」が自宅に戻る
近畿地方に住むナナさん(38歳)とトシキさん(37歳)夫婦は、ナナさんが大阪で単身赴任をしており、トシキさんは2時間半ほど離れた自宅で4歳の子どもとともに暮らしている。単身赴任になって1年だが、今のところはうまくいっているという。
「2時間半だったら通えるんじゃないかと言う人もいますが、けっこう仕事がハードなんです。往復に5時間もかけるのは疲れるだけ。夫は自由の効く会社に勤めていて、出勤しなくても在宅で仕事をこなす方法もある。それで話し合って、夫は週に4日出勤、あとは自宅で仕事というふうに働き方を変えて子どものめんどうを見てくれることになりました」
ナナさんは、どうしても仕事を辞めたくなかったし、彼女の仕事への情熱は誰よりも夫が理解していた。だから夫のほうが働き方を変えてくれたのだ。
「平日は夫も大変だと思います。子どもを保育園に連れていって、出勤したり家事をしたり。その分、週末は夫をゆっくり休ませてあげたいと思っていますが、夫は夫で『単身赴任で働いていたって、自分の分の家事はやるんだから一緒だよ。子どもと一緒にいられる僕のほうが癒やされる面も大きい』って」
離れてみて、お互いへの思いやりが増したように思うとナナさんは言う。
週末は家族3人でべったり一緒に
結局、週末は家族3人でべったり一緒にいることが多い。週末、トシキさんがときどき理容室に行くと、終わる時間を待ってナナさんと子どもが合流、みんなで外食をすることも。
「せっかくの週末だから、別に家で凝った料理なんかせず、お互いに身体を休めながら仲良くしていよう、というふうになりました。子どもと公園に行くことも多いですね。私も彼も、前より優しくなれているし、毎日ネットを使って家族3人が必ず顔を合わせるようにしているので、子どもにもそれほど悪影響はないと思っています」
だって、そもそも男性が単身赴任した場合と同じなのだから、と彼女は笑った。妻だから、母だから単身赴任ができないわけではないのだ。
「家族が一緒に住まなければいけないという時代は終わっているんじゃないでしょうか。それぞれが好きなことをあきらめずに、形より質にこだわって家族を続けていく。これからも私たちはそうありたいと思っています」
そのためにいちばん大事なことは何かと尋ねると、彼女は、「夫といつでも話し合うこと、それによって信頼関係が強固なものになっていくと思う」とさらりと答えた。