令和時代も不倫は続くのか
平成から令和へと時代が移るその瞬間、「2時代を一緒に過ごす」と言う不倫カップルがいる。時代が変わっても不倫は続く。そこに男女がいる限り。
前から予定を立てて
時代が移り変わるその瞬間を一緒にすごそうと彼と話しているのは、トシエさん(37歳)。彼女は結婚して5年、子どもはいない。つきあって半年たつ彼は44歳。会社の先輩であり、ふたりの子の父でもある。
「今まで一緒に泊まったことはありません。お互いに家庭があるし危ないことはするまいと決めてきたから。でも今回は、彼からの提案なんです。『2つの時代を一緒に生きているという実感をもちたい』って」
トシエさんが働く会社は祝日は出勤なので、30日も1日も休みではない。夫は10連休で、その頃ちょうどひとりで実家に帰る予定。
「彼は出張だということにしたそうです。その日はホテルを予約してあるので、退社後、ふたりでゆっくり食事でもしてホテルに泊まります」
照れたように話すトシエさんだが、身体全体から喜びがにじみ出ている。
イベントが少ない不倫カップル
不倫というのは、それ自体がイベントのようなものなので、現実としてのイベントは少ない。人目も気になるから公の場で一緒にいるのもむずかしい。
「誕生日やクリスマスだって、その当日をともに過ごすのはむずかしいですしね。つきあえればいい、少しでも一緒にいられればいい。それだけなんです。でも彼が時代が移り変わる瞬間に一緒にいたいと言ってくれたのはすごくうれしかった」
もちろん、夫のことは人生をともにするパートナーとして大事にしている。ただ、それと恋愛とは別なのだ、彼女にとっては。
「つきあっている彼とともに生活したら、きっと神経をすり減らしてしまう。彼といるときは緊張感があるし気を緩めてはいけないと思っている。でも、生活していくにはもっと気楽な夫のようなタイプがいい。恋愛と結婚、それぞれに向く異性がいるということなのではないでしょうか」
時代が変わる瞬間をともに過ごすくらいだから、彼女も令和時代になっても不倫を続けていく覚悟だ。
「夫は子どもをほしがっていますが、私はまだほしいと思わないんです。いなくてもいいかなと思っている。だからひそかにピルを飲んでいます。彼にはピルを飲んでいることを伝えていますが、夫には言っていません。それについてはちょっと申し訳ないと思っていますが」
現在は不倫優先ということか。二重に夫に嘘をついていることには胸が痛むという彼女だが、今は恋心が止められない状況のようだ。